著者
原田 善之 田沼 繁夫
出版者
一般社団法人 表面分析研究会
雑誌
Journal of Surface Analysis (ISSN:13411756)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.111-116, 2021 (Released:2022-12-29)
参考文献数
2

Microsoft365における“Word”では,UnicodeやLaTeXによる数式の記述が“数式”挿入から使用可能なった.これによって数式入力は格段に進歩した.しかしながら,数式の美しさはLaTeXと比べて数段に劣っていると言わざるを得ない.そこで,“Word”の数式機能を用いてLaTeXに勝るとも劣らない美しさで数式を記述する方法を紹介する.
著者
松本 凌 西澤 侑吾 片岡 範行 田中 博美 吉川 英樹 田沼 繁夫 吉原 一紘
出版者
一般社団法人 表面分析研究会
雑誌
Journal of Surface Analysis (ISSN:13411756)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.155-167, 2016 (Released:2016-05-31)
参考文献数
15
被引用文献数
9 9

XPSスペクトルのバックグラウンド推定の方法は任意性が高く,バックグラウンドの形状によってピークの強度が変わるため定量分析の結果に大きく影響する.特に,最も多用されているiterative Shirley法では,指定されたXPSスペクトルの始点と終点でのデータ点の強度に大きく依存してバックグラウンド形状が変わる.本研究では,この依存性を低減する為,バックグラウンド推定をピークフィッティング中で行う動的Shirley法に着目し,これをCOMPROに組み込んで銅酸化物超伝導体のCu 2pスペクトルやSiO2薄膜のSi 2pスペクトルに対して適用した.その結果,バックグラウンドの端点位置やピークの関数型を変化させてもバックグラウンドの形状やピーク面積について変動の少ない安定した解が得られることが明らかとなった.
著者
田沼 繁夫
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.657-661, 2006-11-10 (Released:2007-04-04)
参考文献数
23
被引用文献数
8 13

This article describes the inelastic scattering effect in surface electron spectroscopies such as XPS and AES. In order to improve the accuracy of quantitative surface analysis, it is very important to describe the attenuation rate of the electron signal due to inelastic scattering events in a solid. For this, “attenuation length (AL)” has been used for a long time to describe the attenuation rate. AL is, however, replaced by the “effective attenuation length (EAL)”, which includes the elastic scattering effect, because the signal electrons may not vary exponentially with the thickness of an overlayer film due to the elastic scattering. Then, the calculations and measurements of physical quantities such as electron inelastic mean free path (IMFP) and EAL are described.