著者
田瀬 望
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

本研究の目的は、身分制・社団的編成・宗教に立脚する近世フランス王国の秩序が動揺し革命を経て近代へと移行する過程において、秘密社交組織フリーメイソン団が果たした役割をジェンダーの観点から解明することにある。そのために、近年フランスの内外で公開・発見された新史料群やエゴドキュメントを渉猟することで、18世紀フランスにおけるフリーメイソン団による女性受け入れの背景と様態、女性の受容と排除をめぐる男性メイソンの言説、女性メイソンの社会構成や団体における役割と活動を検討する。それにより男女の秘密結社史という新しい視座から、旧体制から近代への移行期の社会編成やソシアビリテのあり方を理解するすることを目指す。