著者
田邊 政裕
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1139-1141, 2013-11-01 (Released:2013-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

研修必修化から8年を経て,本制度についての見直しが検討されている.到達目標や研修プログラムについての論点が指摘された.研修の質を保証し,社会に対する説明責任を果たすためにも現行の研修体制をアウトカム基盤型に再構築することが望まれる.その際,経験目標,行動目標をコンピテンシーとして再定義し,評価法はコンピテンシーの評価として真正性のある診療現場での評価(workplace-based assessment)であるminiCEXなどの新しい評価法の導入を検討すべきである.
著者
田邊 政裕
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.1-8, 2015

<p> 医療安全を契機に医学教育の質保証が強く求められるようになり, 教育のアウトカムが重視されるようになった. 教育のアウトカムとして全ての医師が修得すべき能力 (ジェネラル・コンピテンシー) とそこに至るマイルストーンズを設定することで医学教育から臨床研修へのシームレスな医師育成が可能になる. アウトカム基盤型教育ではコンピテンシーの達成が教育の柱であり, その達成を証明する評価が重要である. コンピテンシーの評価は, 筆記試験に加えてパフォーマンス・テスト, 観察評価, ポートフォリオなどにより多面的に行われる必要がある. 現状の医師国家試験ではこのような多面的な評価は実現できていない. 卒前から卒後へのシームレスな教育継続を担保するには, ジェネラル・コンピテンシー, マイルストーンズの設定に加えて, 医学部, 医科大学が臨床実習, 卒業判定において卒業時マイルストーンを適切に評価し, 学位を授与することが求められる.</p>
著者
田川 まさみ 田邊 政裕
出版者
千葉医学会
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.299-304, 2006-12-01
被引用文献数
2

コンピテンスとは専門職業人が,知識,技術を統合してある状況において専門職業人として業務を行う能力であり,倫理感や態度も求められる。PBLやOSCE導入の背景となっているコンピテンス基盤型教育は,教育プログラムの到達目標として一人前の医師に求められる能力であるコンピテンスを設定し,コンピテンス修得のための実践を伴う教育と,コンピテンス修得の程度を学習評価として行うものである。海外では医学部教育,研修医教育にこのコンピテンス基盤型教育が積極的に導入推進される動きがあることを概説する。