著者
藤本 順子 弘田 明成 畑 美智子 近藤 まみ子 島 健二
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.167-173, 1987-02-28 (Released:2011-08-10)
参考文献数
19
被引用文献数
4

歳から79歳までの各年齢層の健常人1,261例について心電図R-R間隔変動を指標とした自律神経機能検査を行い, IE常参考値および標準予測式を作成した.安静・時, 深呼吸時, バルサルバ試験, 起立試験での心電図R-R間隔をMEコマーシャル製のオートノミックR-100を使用して連続する100心拍で計測し, 平均値, 標準偏差, 変動係数, 最大値と最小値の比などを検討した.自律神経機能検査成績に性差は認められなかったが, 年齢と強い相関が認められたので年齢別の正常参考値をパラメトリック法で算出した.安静時および深呼吸時の100心拍R-R間隔の標準偏差, 変動係数および最大値と最小値の比は加齢に伴って有意に減少した (P<0.01).また多変量解析法により自律神経機能検査の標準予測式を作成し, 信頼の高い (P<0.01) 予測式を得た
著者
永田 次雄 永田 貴久 浜畑 美智子 佐藤 堅 村上 氏廣 榎本 真 田村 穣
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.51-83, 1983-01-25
被引用文献数
1 1

ヒスタミンH_2-受容体拮抗剤ranitidineをビーグルに経口投与し, 急性毒性, 5週間亜急性毒性, 26週間慢性毒性および回復試験を行った。I. 急性毒性 1000, 1500, 2500, 3000 または 3500 mg/kgを雌雄各1頭に1回経口投与により, 投与直後より嘔吐, 振戦, 歩行失調を認めた。最高用量においては死亡例を認めなかったが3000 mg/kg群の雄1頭が死亡した。なお, 嘔吐が著しかったので3500 mg/kg以上の投与量での検討は行わなかった。II. 5週間亜急性毒性 1) 40, 80, 160 または 320 mg/kgを1日1回5週間経口投与において死亡例は認められず, 40 mg/kg群では異常は認められなかった。2) 80 mg/kg群では流涎以外に異常は認められず, 160 mg/kg以上の群においては流涎, 嘔吐および軟便などの症状を認め, 雄に軟便にともなう下部消化管の微細出血に関連して赤血球数, ヘマトクリットおよびヘモグロビンの有意な減少を認めた。3) 320 mg/kg群では体重の減少がみられたが有意差はなかった。また, 摂餌量の減少, 散発的な軽度のタール便を認めた。雄の赤血球数, 血清総蛋白の減少ならびに血小板数および網赤血球率の増加を認めた。4) 病理組織学的な検査において80 mg/kg群の雌1頭に大腸粘膜の一部に萎縮およびびらん形成を認め, 320 mg/kg群の雄1頭に大腸粘膜にびらん形成を認めたのみで他に特記すべき異常を認めなかった。5) 最大無作用量は40 mg/kgと推定され, これはヒト1日臨床用量の約7-8倍に相当する。III. 26週間慢性毒性 1) 40, 80または160 mg/kgを1日1回26週間経口投与を行い, 80および160 mg/kg群では試験終了後30日間休薬による回復試験を行った。この試験において死亡例は認められず, 40 mg/kg群では異常を認めなかった。2) 80 mg/kg以上の群では流涎, 嘔吐, 軟便など亜急性毒性試験に認められたのと同様な症状がみられた。3) 160 mg/kgでは摂餌量の減少, 体重増加抑制, 便潜血反応陽性を示し, これに関連した赤血球数の減少, さらに雄ではヘマトクリット値およびヘモグロビン値の減少を認めたが, 他に特記すべき変化は認めなかった。4) 病理組織学的所見においては, 特記すべき異常は認めなかった。5) 電子顕微鏡学的所見においては, 160および320 mg/kg投与群の輝板に軽度な変化がみられたのみで, 他に特記すべき変化はなかった。6) 慢性毒性試験にみられた上記の所見は, 休薬後は認めなかった。7)最大無作用量は40 mg/kgと推定され, これはヒト1日臨床用量の約7-8倍に相当する。(試験実施期間 昭和55年1月〜昭和56年8月)