著者
小倉 尚也 中村 昭子 平田 成 三軒 一義 留岡 和重
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.103-103, 2006

南極マイクロメテオライトの80%は含水鉱物を含んでいる(Engrand and Murette, 1998).しかしながら,地球に落下した隕石の中で含水鉱物を含むものは3%程度しかない.他方,小惑星では30-40%が含水鉱物を含んでいる.このような含水鉱物の相対存在度の違いを説明するために,含水多孔質物質をターゲットとした衝突実験を行い,高速度衝突による含水鉱物の脱水がダスト形成に与える影響を調べることを研究テーマとしている.
著者
酒井 碧 留岡 和重 瀬戸 雄介
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

Dark clasts(DCs)はCV, CO隕石に含まれる石質岩片で、ホスト隕石と似た物質が水・熱による変成を受けて形成したと考えられている。我々はAllende隕石中に特異な2つのdark clastを見出し、SEM-EDSとEPMA-WDSによる観察・分析を行った。DC中に存在するコンドリュールを交代した仮像(平均直径~0.17mm)は、ホスト部分のコンドリュール(平均直径~0.49mm)より有意に小さく、このことはDCの前駆物質がホストであるAllende隕石とは異なっていたことを示唆する。DCの周縁部及び内部には、Ca成分に富む鉱物からなる脈が存在する。この脈がホストに存在せず、DCを縦断していることから、脈はホストに取り込まれる前、DC全体が水・熱により変成・細粒化した後に形成されたと考えられる。よって、DCが経た変成過程は複数回の水質変成を含む複雑なものであったと推定される。
著者
留岡 和重 関根 利守
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

高温に熱せられた始原的隕石に特有の衝撃溶融脈の電子顕微鏡,放射光X線回折による観察・解析により,溶融脈の鉱物学的詳細そしてその生成プロセスが明らかになってきた。また衝撃実験によって,隕石の高温下における衝撃加熱の影響は常温下における影響とは大きく異なることがわかってきた。さらに本研究遂行過程で,衝突による角礫岩化によって形成された組織に関する新たな発見があり,その研究にもとづいて隕石の母天体における組織形成に関する新たなモデルを提出した。