著者
小田 理代 斎藤 明日美 毎床 愛美 登本 洋子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.2, pp.267-273, 2023-07-21 (Released:2023-07-21)

本原稿では,女子及びジェンダーマイノリティの大学生・大学院生(以下,女子学生)によるプログラミングの学習が,プログラミングの動機づけにどのように影響するのかを検討することを目的に調査を行った.女子学生を対象に2週間のプログラミングのコース(Waffle Collegeエントリーコース)を実施し,コース実施前後に期待-価値モデルを適用した,プログラミングの動機づけに関する質問紙調査を行った.その結果,成功期待,実践的利用価値が有意に増加し,心理コストが有意に減少した.また機会コストは有意に増加したことが示された.
著者
登本 洋子 高橋 純 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S44015, (Released:2020-10-06)
参考文献数
11

平成27~28年に行われた情報活用能力調査では,高校2年生の1分間あたりの文字入力数は平均24.7文字,1分間に40字程度の文字入力ができるのは6%という結果が示され,高校生の文字入力の速さは十分ではない.本研究では高校生の文字入力の速さの向上を目的とし,高校生のPCとスマートフォンにおける文字入力の実態を調査した.結果,1分間あたりの文字入力数の平均はPC のキーボード33.4文字,スマートフォン59.2文字,1分間に40字以上入力できた生徒はスマートフォンのほうが多く,PC のキーボードにおいてもスマートフォンにおいても濁音・半濁音,清拗音,濁拗音・半濁拗音の入力を苦手としていることが示された.
著者
登本 洋子 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45026, (Released:2021-08-24)
参考文献数
18

学校も社会と同様にDXが求められている.2019年12月にGIGAスクール構想が示され,児童生徒一人に1台の情報端末が整備されようとしているが,これまでのICT機器に対する意識や経験の差などから,1人1台の情報端末が学習で活用されるものになるのか懸念がある.本研究ではICT環境の整備やICT活用に対する教員の期待や懸念を明らかにするために,児童生徒1人1台の情報端末の活用に対する初等中等教育の教員の意識を調査した.結果,1人1台の情報端末の活用は進んでおらず,情報端末は学びに役立つと期待がある一方,ICT環境の整備や児童生徒の心身の健康に対する不安も低くない.ICT機器を学習で活用し,児童生徒の生活を向上させるためには,まずはICT環境を整備し,ICT活用に対する理解を深め,児童生徒の心身への影響やトラブルに対する不安を解消していく必要がある.
著者
登本 洋子 伊藤 史織 後藤 芳文 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S41022, (Released:2017-12-06)
参考文献数
9

アカデミック・ライティングの指導の重要性は,大学だけでなく中学校や高等学校においても高まっている.本研究は,中学生にアカデミック・ライティングを指導する過程において,論文を書くことができない生徒を,発表の機会を生かすことによって支援することを目的とした.具体的には,発表と論文執筆の順序を入れ替えて,発表の機会を生かすことにより,論文の質の変化を比較した.その結果,「テーマ設定,情報収集,発表,論文執筆」の順で行なったほうが,論文および発表ともにその質が向上することが確認された.
著者
登本 洋子 高橋 純
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.43068, (Released:2019-12-23)
参考文献数
30

本研究は教員養成系大学に属する学生の表計算スキルの習得状況を明らかにすることを目的とした.表計算スキルは社会で幅広く使われている基礎的なICTスキルであり,仕事の効率化にも影響を及ぼすと考えられる.調査の結果,他のアプリケーションにおいても共通して求められる表計算スキルにおいては習得がみられるものの,表計算ソフトウェアに特化したスキルは十分に習得されていないことが示唆された.タイピングに関しては,多くの学生はタイピングに自信がないと回答しており,パソコンよりもスマートフォンにおける文字入力のほうが速いと感じていることが明らかになった.さらに,パソコンが「嫌い」よりも「好き」,或いはパソコンが「苦手」よりも「得意」,或いはパソコンが「役に立たない」よりも「役に立つ」と回答した群のほうが,表計算スキルも高いと感じていることが明らかになった.児童生徒のICT活用スキルの向上を高めるためには,教員養成系大学に属する学生の基礎的なICTスキルをさらに向上させる必要があると考えられる.
著者
登本 洋子 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46085, (Released:2022-10-13)
参考文献数
6

初等中等教育の児童生徒に1人1台の学習者用端末(以下,1人1台端末)と通信ネットワークが整備され,今後はICT を活用した児童生徒の学びの質の向上が期待されている.本研究では,ICT 環境の整備と活用に対する教員養成系大学に在籍する学生の期待や懸念を明らかにするために,1人1台端末に対する学生の意識を調査した.結果,1人1台端末はICT スキルの習得や調べ学習に役立つという期待がある一方,ネット上のいじめやインターネット上のトラブルなどに対する不安が低くないことが明らかになった.また,小学校低学年の利用においては,60.6%の学生が「反対」「わからない」と回答していることが確認された.