著者
小川 剛史 白井 博章 柳沢 豊 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.390, pp.55-62, 1996-11-22
被引用文献数
5

近年, 計算機上に仮想空間を構築する技術を用いることで, リアリティの高いヒューマンコミュニケーションを実現しようとする研究が盛んに行なわれている. このような中で, 筆者らの研究グループにおいては, 計算機上に構築した仮想空間を現実空間と一対一に対応付け, 計算機のユーザが仮想空間内で行動することで, そのユーザがあたかも現実空間内で行動しているかのように感じさせることのできる, 「透明人間」と呼ぶ環境を提案している. 本稿では, この「透明人間」環境を実現するためのシステムの設計について述べる. この「透明人間」環境においては, 机上の計算機内に表示される仮想空間内で行動するユーザと, 移動可能な携帯型端末をもつユーザが, それらの端末を通して柔軟にコミュニケーションをとることが可能となる.
著者
白井 博史 松田 孝昭
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.250-258, 2012-09-10 (Released:2014-04-23)
参考文献数
20

省資源・省エネルギーの見地から,自動車タイヤに要求される重要な性能として省燃費性が大きくクローズアップされている。自動車の走行抵抗に大きく寄与するのはタイヤの転がり抵抗であり,この転がり抵抗を低減する技術開発が活発に行われており,多くの新しい素材が提案されている。シリカ配合タイヤは,省燃費性とウェットグリップのバランスを飛躍的に向上できることから,近年,タイヤトレッドにシリカを配合したエコタイヤの普及が目覚ましい。しかしながら,シリカは表面シラノール基の水素結合による凝集でカーボンブラックと比較して分散しにくいという問題がある。アニオン重合を利用した溶液重合スチレン・ブタジエン共重合体(S-SBR)は,タイヤの転がり抵抗を低減できる材料としてシリカタイヤトレッドに多用されており,更に官能基を導入した変性SBR を用いることで,シリカの分散性を改良しシリカタイヤの性能を向上させることが可能となった。 本報では,アニオン重合技術を活用した末端変性SBR,両末端変性SBR,マルチファンクショナルSBR の最近の変性技術について述べた。