著者
相場 恵
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
no.44, pp.1-12, 2020-03-19

障害基礎年金の受給者が増加している現状の中で,障害基礎年金が本来は必要な人に支給されない現状があるのではないかと考えた。障害基礎年金の申請にあたって当事者や家族がどのようなプロセスを経たのかを把握したところ,当事者の年金についての認識の低さ,ひとり暮らしを可能にする収入が得られない就労の現状,家族の意向,診断書を作成してもらうことの困難,専門職としての繋がりの必要性が課題として明らかになった。
著者
相場 恵
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
no.45, pp.111-114, 2021-03-18

障害のある人たちの多くが経済的に厳しい状況に置かれている現在,障害基礎年金の必要性は増している。しかしその申請手続きは,非常に煩雑である。手続きは,本人や家族による「本人請求」が可能ではあるが,とても一般の人が自力で行えるようなものではない。 本研究では、年金の手続きの専門家でもある社会保険労務士のアンケート調査から,障害基礎年金の申請にあたっては「本人・家族と専門職協働での申請手続きの必要性」「医療機関との継続的なつながりの必要性」「障害基礎年金システムの啓発の必要性」「今後必要とする制度・システムの改善」の4つの課題が明らかになった。 年金手続きの専門家への相談にたどり着くまでの仕組み,行政機関,病院などと連携するシステムの開発が必要である。さらに,20歳前傷病での障害基礎年金の手続きを要する場合を考えると,子どものころからの受診記録,特に初診日の認定がわかる書類の保管などが必要になってくる。このような情報の周知や,医療や福祉のサービスに関わる情報の共有とそれを一元的に管理することのできる仕組みが必要であると結論した。
著者
相場 恵
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.111-114, 2021-03-18

障害のある人たちの多くが経済的に厳しい状況に置かれている現在,障害基礎年金の必要性は増している。しかしその申請手続きは,非常に煩雑である。手続きは,本人や家族による「本人請求」が可能ではあるが,とても一般の人が自力で行えるようなものではない。 本研究では、年金の手続きの専門家でもある社会保険労務士のアンケート調査から,障害基礎年金の申請にあたっては「本人・家族と専門職協働での申請手続きの必要性」「医療機関との継続的なつながりの必要性」「障害基礎年金システムの啓発の必要性」「今後必要とする制度・システムの改善」の4つの課題が明らかになった。 年金手続きの専門家への相談にたどり着くまでの仕組み,行政機関,病院などと連携するシステムの開発が必要である。さらに,20歳前傷病での障害基礎年金の手続きを要する場合を考えると,子どものころからの受診記録,特に初診日の認定がわかる書類の保管などが必要になってくる。このような情報の周知や,医療や福祉のサービスに関わる情報の共有とそれを一元的に管理することのできる仕組みが必要であると結論した。
著者
岡本 浩一郎 相場 恵美子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.188-196, 2018-06-30 (Released:2019-07-01)
参考文献数
13

中枢神経の脳・脊髄は頭蓋骨や脊椎に囲まれ, 観察は容易ではない。意識障害, けいれん, 片麻痺などの神経学的症状を示す患者では, 病歴の聴取, 身体診察に加え神経学的診察により, 病変の局在と広がりを推定するが, 客観的に評価するために, 脳や脊髄の状態を確認できる神経画像検査を行う。   中枢神経系の画像診断を専門とする神経放射線科医 (神経画像診断医) は, CT, MRI, 血管造影や, 必要に応じて核医学検査などの各種画像検査で得られる情報を統合して, 脳や脊髄に生じている病理組織学的な変化を推察し, 疾患に特徴的な病理学的所見や病態生理学的変化と画像所見の整合性を考え, 臨床症状や経過, 診察所見を考慮しながら画像診断を進める。   神経放射線科医が臨床でどのように画像所見を確認して画像診断を進めるのか, 実際の症例の画像を例にとりその過程をお示しすることで, 神経疾患に携わる医療関係者の皆様の理解に貢献することを本稿の目的とする。
著者
相場 恵美子
出版者
新潟医療福祉大学
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.111-118, 2002-12

脳損傷により,失読失書,純粋失読,純粋失書といった読み書きの障害が生ずることが知られている。これらの障害に関するこれまでの神経心理学的知見を概観し,読字と書字のそれぞれにおける特徴を述べた。漢字と仮名という2種類の文字体系を持つ日本語においては,脳損傷による読み書き障害に欧米語圏とは異なる特徴が見られる。これらを解釈する上で有用と思われる,漢字と仮名の処理様式の解離を示唆する知見を提示した。漢字の処理に関しては左右半球および左半球内での二重処理が示唆されている。また,近年提唱されている読みに関する認知心理学的モデル(二重処理モデル,トライアングルモデル)を紹介し,表層性失読/深層性失読といった神経心理学的知見との整合性について述べた。さらに,書字に関するモデルを紹介し,書字遂行時の心的過程について,文字形態表象の関与を中心に述べた。最後に,書字過程の研究における今後の課題を述べた。