著者
西川 智 福島 誠一郎 矢代 晴実
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.49, 2008

2007年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎市にある自動車部品メーカーが被災したことにより、全国の日本の主要自動車メーカーが生産停止を余儀なくされた。地震時の企業のBCP(事業継続計画)を考える上では、サプライチェーンに依存した操業形態を有する企業の定量的なリスク評価手法が必要である。本論文では、サプライチェーンを構成する複数箇所の事業所の立地と、それぞれの地点での被害リスクを組み合わせ、企業の業務停止期間を定量的なリスク評価手法を提案する。これは、企業にとって、顧客への財・サービス提供の中断が長期化すれば、顧客の離反を招き、仮に長期間の休業後業務再開をしても、市場復帰が困難となるということに着目している。本論文では、直列型、並列型、併用型の3タイプのサプライチェーンが、東京23区、関東地方、東京300km圏の3つのスケールに生産拠点を展開した場合に、各地点の地震リスクとそれによる各拠点の業務停止期間のリスクカーブをもとに、サプライチェーン全体の業務停止期間を定量的に把握する手法を提案し、その有効性を検証した。
著者
上田 三夫・矢代 晴実
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.99-105, 1996-02-15 (Released:2017-06-30)

阪神・淡路大震災をきっかけに「危機管理」という言葉が注目を集めている.阪神・淡路大震災における被災企業の危機管理の死角にっいて明らかにし,現在の危機管理の問題点を示した.そして企業が危機管理を考える場合の企業の行動を,緊急事態への準備,緊急事態発生直後の対応,業務の復旧のステップに分けて,それぞれのステップにおける項目を整理し,問題点を明確に示した.これらを基に,企業における危機管理の考え方の一例を示した.
著者
矢代 晴実 福島 誠一郎 都築 充雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.69, no.586, pp.107-114, 2004
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Recently, some seismic risk management measures are utilized reflecting the quantitative and qualitative assessment of seismic risk. These measures are categorized into risk control and risk financing ; the former is essential to mitigate seismic risk and the latter is effective to cover the unexpected loss caused by unforeseeable and complicated seismic events. In this paper, a seismic risk swap using a parametric trigger is employed as a risk financing measure. Portfolios consisting of 50 facilities in Tokyo, Osaka and Fukuoka are employed in order to examine the feasibility of seismic risk swap assuming that the exchanged annual expected losses are identical. Through the examination, it is also proposed the procedure to determine the parameters used in parametric trigger based risk swap, from the viewpoint of reduction in probabilistic maximum loss.