著者
武田 宗和 名取 恵子 諸井 隆一 原田 知幸 矢口 有乃 稲垣 伸洋
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.735-739, 2013-05-31 (Released:2013-07-26)
参考文献数
10

要旨:【症例】37歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認めた。翌日,薄めたウオッカ約1L(推定アルコール濃度49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保存的治療を選択。8病日の内視鏡検査では直腸からS状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。4週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工肛門を造設することとなった。【考察】過去の報告では,アルコール注入による直腸結腸炎は保存的治療で治癒することが多いとされる。本例は高濃度のアルコールが大量に注入され広範囲に腸管が傷害された上にショック状態に陥り,腸管虚血をきたしその治癒過程で腸管狭窄を合併したものと推察された。本例における治療方針に関する問題点をふまえ文献的考察を加え報告する。
著者
武田 宗和 名取 恵子 諸井 隆一 原田 知幸 矢口 有乃 稲垣 伸洋
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.735-739, 2013-05-31

要旨:【症例】37歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認めた。翌日,薄めたウオッカ約1L(推定アルコール濃度49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保存的治療を選択。8病日の内視鏡検査では直腸からS状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。4週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工肛門を造設することとなった。【考察】過去の報告では,アルコール注入による直腸結腸炎は保存的治療で治癒することが多いとされる。本例は高濃度のアルコールが大量に注入され広範囲に腸管が傷害された上にショック状態に陥り,腸管虚血をきたしその治癒過程で腸管狭窄を合併したものと推察された。本例における治療方針に関する問題点をふまえ文献的考察を加え報告する。
著者
武田 宗和 名取 恵子 諸井 隆一 原田 知幸 矢口 有乃 稲垣 伸洋
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.735-739, 2013-05-31

要旨:【症例】37歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認めた。翌日,薄めたウオッカ約1L(推定アルコール濃度49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保存的治療を選択。8病日の内視鏡検査では直腸からS状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。4週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工肛門を造設することとなった。【考察】過去の報告では,アルコール注入による直腸結腸炎は保存的治療で治癒することが多いとされる。本例は高濃度のアルコールが大量に注入され広範囲に腸管が傷害された上にショック状態に陥り,腸管虚血をきたしその治癒過程で腸管狭窄を合併したものと推察された。本例における治療方針に関する問題点をふまえ文献的考察を加え報告する。
著者
武重 徹 矢口 有乃 花房 茂樹 原田 知幸 鈴木 忠
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.400-409, 2006-11
被引用文献数
1 or 0

PMX-DHP (direct hemoperfusion with polymyxin B immobilized fiber)は1994年にエンドトキシン吸着療法として日本で認可された治療法であり,現在敗血症症例を中心に広く臨床応用されているが,その臨床的有効性の評価および機序については今も議論のあるところである.筆者らは当センターでPMX-DHPを施行した敗血症症例に対し,近赤外線法(NIRS)を用いて測定可能なcytochrome a,a3 (Cyt a,a_3),酸化ヘモグロビン(Oxy-Hb),還元型ヘモグロビン(Deoxy-Hb),総ヘモグロビン(Total Hb)をPMX-DHP前後で比較することにより,細胞レベルでの組織酸素代謝と血液量の再分布の変化を検討した.対象は東京女子医科大学救命救急センター集中治療室に入室し,PMX-DHPを施行した18症例である.近赤外線装置は前額部,前腕部の2ヵ所に装着し,PMX-DHPを中心に約3時間連続して計測した.また,全身の組織酸素代謝の指標としてSwan-Ganz catheterを使いVO_2 (oxygen consumption), DO_2 (oxygen delivery), O_2EI (oxygen extraction index), SVRI (systemic vascular resistance index), SvO_2 (mixed venous oxygen saturation)を測定し,血液検査からはblood lactate concentration, base excess, IL-6を測定した.前腕部の近赤外線法による結果はPMX-DHP前後でCyt a, a_3(p<0.05), Oxy-Hb (p<0.01), Deoxy-Hb(p<0.05), TotalHb (p<0.01),すべてに有意差をもって増加した.前額部の前頭葉の近赤外線法による結果は,PMX-DHP前後でCyt a,a_3, Oxy-Hbに変化はなく,Deoxy-Hb (p<0.01), TotalHb (p<0.01)は,有意差をもって減少した.また,VO_2, DO_2, O_2EI, SVRI, SvO_2, blood lactate concentration, base excess, IL-6はPMX-DHPの前後での有意差は認めなかった.結論としてPMX-DHPにより全身の組織酸素代謝の指標に変化を認めなかった.しかし近赤外線法による測定結果は前腕骨格筋での血液量は増加し,さらにミトコンドリア内における電子伝達系の酸素代謝は亢進した.また前頭葉の血液量の分布はPMX-DHPにより改善された.これらの結果はPMX-DHPの有効性を示唆していると考えられた.