著者
藤澤 泰雄 矢吹 信喜 吉野 博之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_63-I_70, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
14
被引用文献数
2

土木工学分野における三次元プロダクトモデルの利用は,国土交通省が開始したCIM(Construction Information Modeling)により普及が開始された.CIMでは,計画・調査・設計・積算・施工・維持管理の各分野に渡ってCIMを利用することを目指しているが,その利用方法は開始されたばかりであり関連する研究はほとんど行われていない.CIMにおける三次元プロダクトモデルを設計・積算・施工と連携して利用することによりミスの低減,生産性向上,効率化・品質の向上などに繋がることが期待されている.本研究では,道路橋の下部工を対象に,詳細設計で作成したCIMの三次元プロダクトモデルを発注者側での積算に活用する際の手法を検討し,CIMによる建設生産性の向上を行うためにどのようなことが必要であるかを検討した.
著者
矢吹 信喜
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.93-100, 2000

1980年代後半より、発展途上国においてBOT (建設・運営・譲渡) 方式によるIPP (独立発電事業者) の数が増加している。途上国におけるIPPの事業資金のうち、融資部分はプロジェクトファイナンスによって調達されることが多い。プロジェクトファイナンスでは、債務返済原資は特別目的会社であるIPPのキャッシュフローのみであり、担保はIPPの資産にのみ依存し、スポンサーには債務がほとんど遡及しない。そのため、レンダーは詳細なリスク分析を行い、十分なリスク軽減措置をスポンサーや関係機関に要求する。プロジェクトファイナンスによる火力IPPの多くは概ね成功し、稼動発電所数も増えているが、水力IPPの数は少ない。その理由としては、ダムや水力発電所は、自然環境の中に作られる巨大な構造物であり、河川の流量に発電量が依存していることから、環境リスク、完工リスク、水文リスクの3つのリスクがクローズアップされ、レンダーがプロジェクトファイナンスでは困難だと考えてしまうからだと考察される。本論では、水力IPPを促進するための一方策として、ダムの寿命の長さや多目的性から、ダムと発電設備を分離し、ダムについては援助的なプロジェクトファイナンスを設定するというイノベーティブなファイナンス・スキームを提案する。
著者
石田 仁 矢吹 信喜
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.II_58-II_65, 2015 (Released:2016-03-30)
参考文献数
29
被引用文献数
2

国土交通省が推進するCIM(Construction Information Modeling)により,建設現場における3Dモデルの活用が急速に広まっているが,高スペックなワークステーションや特殊なソフトウェアを必要とするケースも多いことから,利用可能な状況が限られている.一方で,標準的なWEBブラウザで3Dグラフィックスを表現することが可能なWebGLは,様々な立場の利用者が3Dモデルを共有することができ,このような課題を解決できる可能性があると考えられる.そこで,本研究では,土木構造物の維持管理のうち,主に点検業務にWebGLを応用し,その有効性を検討した.
著者
平井 利枝 矢吹 信喜 福田 知弘 道川 隆士
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_34-I_41, 2014
被引用文献数
1

犯罪不安は生活の質(QOL)に大きく影響を与えるため犯罪予防は重要な課題である.犯罪予防の手法の一つである防犯環境設計(CPTED)は,特に都市部で多い機会犯罪の予防に効果的だとされているが,これに近年発展が進む無線センサネットワークを利用することを考えた.本研究ではセンサノードにArduinoと通信モジュールを用いることで安価に無線センサネットワークを構築し,屋外でも使用可能なデバイスの設計とシステムの検討を目的とした.検証実験では実際に屋外にデバイスを設置し,正常にシステムが作動することを確認した.
著者
矢吹 信喜 李 占涛
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木情報利用技術論文集 (ISSN:13491040)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.99-106, 2007

本研究では, 3次元の橋梁プロダクトモデル新IFC-BRIDGE と拡張現実感 (AR) 技術を用いて, 配筋設計協調システム, プロセス表示システム及び配筋チェック支援システムを開発するための基礎的検討を行った. これらのAR システムは室内或は現場の環境に仮想シミュレーションされた対象を重畳し, 実際の配筋と設計配筋を同時に観察することにより, 直観的に操作することを目指した. これら3つのシステムのプロトタイプを開発し, 室内実験及び現場実験を行い, システムの可能性と課題を考察した.