著者
花田 匡利 及川 真人 名倉 弘樹 竹内 里奈 石松 祐二 城戸 貴志 石本 裕士 坂本 憲穂 迎 寛 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.93-98, 2022-12-26 (Released:2022-12-26)
参考文献数
20

近年,間質性肺疾患に対する呼吸リハビリテーションに関する報告が集積され,診療ガイドラインにおいても弱いながら推奨されるレベルに位置付けられている.しかし,不均質な病態かつ,難治性疾患という本疾患の基本的特徴は呼吸リハビリテーションに様々な影響を及ぼし,COPDを対象として確立されたエビデンスの高いプログラムを適用できないことも少なくない.そのため今後,従来の呼吸リハビリテーションとは異なる疾患特異的な方法論の確立,さらには維持プログラムのあり方が重要な課題となる.
著者
陶山 和晃 田中 貴子 石松 祐二 澤井 照光 神津 玲
出版者
特定非営利活動法人 日本禁煙学会
雑誌
日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.55-62, 2019-09-27 (Released:2019-10-25)
参考文献数
19

【目 的】 非喫煙の妻が夫からの環境タバコ煙(ETS)にどの程度曝露するとCOPD発症リスクが上昇するのか検討すること。【方 法】 対象は2015年5月~2016年12月の間に長崎県内で実施されたCOPD検診の参加者1,633名のうち、夫が喫煙経験者と答えた40歳以上の非喫煙女性とした。調査項目はCOPD問診票(IPAG)、ETS曝露歴指数(夫の1日の喫煙本数×喫煙中の同居年数)、呼吸機能(FEV1/FVC)とし、IPAGが17点以上かつFEV1/FVCが70%未満の者をCOPD疑いとした。【結 果】 解析対象者は308名、COPD疑いは20名(6.5%)であった。ETS曝露歴指数において、COPD疑いとなるカットオフ値は735となり、有意な判別能を検出した(感度:0.80、特異度:0.78、曲線下面積:0.85、p<0.001)。このカットオフ値は他の交絡因子を調整した後もCOPD疑いに影響を与える有意な因子であった(オッズ比:13.12、95%信頼区間:4.11–41.86)。【考 察】 妻のETS曝露歴指数が735を超えるとCOPD疑いの可能性が高く、本指数が妻のCOPD発症リスクの有用な指標となることが示唆された。