著者
栗林 英範 石榑 康雄 陶山 史朗 高田 英明 伊達 宗和 畑田 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.173-179, 2008-02-01
参考文献数
17
被引用文献数
2

Depth-fused 3D表示原理を利用した2限式立体ディスプレイの微小な奥行再現方法を用いたときに,再現可能な最小の奥行量を調べ,奥行提示分解能の限界について検討した.この表示方法は,左右眼像のエッジ部分の狭い領域の輝度分布を変化させることで,微小な奥行を再現できるようにする.その結果,エッジ領域の幅が約2min of arc以下のとき,奥行弁別精度は約5視角秒となり,人間の両眼網膜像差弁別限界とほぼ同等であった.したがって,この提示方法により,人間の奥行弁別能力を満足させる微小な奥行が再現できる.
著者
朝比奈 成年 堺 浩之 山地 一禎 石榑 康雄 臼井 支朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.489, pp.67-74, 2000-12-01
被引用文献数
3

瞳孔反応, 眼球運動, 焦点調節は, 眼球システムの3機能として協調的に動作することで網膜へ投影される外界像を制御している.こうした協調動作メカニズムの解明は, 視覚情報処理の研究において重要な課題の1つであるが, 同時計測の困難さから未だ顕著な成果は挙げられていない.最近では, CG等の映像刺激が人体へ与える影響の客観的な評価指標としても注目されており, 人間工学の分野においても簡便な計測装置の開発が望まれている.そうした背景の下, 本研究では, 一般的なビデオ計測装置にナイフエッジ光学系を組み込んだ, 眼球システム3機能の両眼同時計測装置を開発した.この光学系により, 瞳孔領域に調節量に応じた勾配を持つ濃度分布が生じるため, この勾配を眼球画像から求めることで焦点調節計測を可能とした.瞳孔径と調節量の異なる模型眼を複数個用いて行ったキャリブレーションの結果, 分解能は, 瞳孔径0.045mm, 水平, 垂直眼位0.3deg, 0.6deg, 回旋角0.50deg, 焦点調節0.15D程度であることがわかった.また, 典型的な協調動作である近見反射応答をうまく計測できることを確認した.