著者
南山 泰之 照井 健志 村山 泰啓 矢吹 裕伯 山地 一禎 金尾 政紀
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.147-156, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)
参考文献数
20

「データジャーナル」は従来の「出版」の枠組みを活用しながら,データの保存や再利用を促すために有効な手法と考えられているが,国際的にも概念形成の途上である。本稿では,国内におけるデータジャーナル構築,運用に向けた具体的な検討材料を提供するため,国内での実践例として2017年1月に創刊されたデータジャーナル『Polar Data Journal』を紹介する。具体的には,背景としての国立極地研究所におけるデータ公開の歴史,構想から創刊に至るまでの合意形成プロセス,「データジャーナル」を通じてデータを適切に取り扱うために必要な要件やワークフロー,およびそれらと連携する基盤構築について示す。
著者
林 正治 林 洋平 田邉 浩介 青山 俊弘 池田 大輔 行木 孝夫 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.366-369, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
19

近年、高等教育機関・研究機関における機関リポジトリの普及に伴い、機関リポジトリが持つ可能性とその活用に向けた議論が盛んである。その議論の中心にある、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)の次世代リポジトリWG では、世界中に分散した機関リポジトリを地球規模の学術コミュニケーション・ネットワークとして位置付け、新たな付加価値サービスの展開を想定したユースケース及び技術の検討を行っている。我々の研究グループでは、こうした状況を鑑み、主要なオープンソースリポジトリソフトウェアの技術比較を行ってきた。本発表では、技術比較結果の考察および技術史的な視点から、次世代リポジトリソフトウェアに求められる技術的な機能像を明らかにする。
著者
堀井 洋 林 正治 堀井 美里 上田 啓未 山地 一禎 高田 良宏
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.217-220, 2016-05-14 (Released:2016-07-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

古文書や科学実験機器など所謂”博物資料”に関しては,将来に向けた保存・継承 とともに広く社会における活用や普及が求められている.発表者らは,これまで 明治・大正期の科学実験機器資料や教育掛図資料に関する博物資料情報をリポジトリ公開し,それらに対してデジタルオブジェクト識別子(DOI: Digital Object Identifier)を付与する試みを実施してきた.本発表では,その概要を紹介するとともに,社会における活用など今後の展望について述べる.
著者
河合 将志 尾城 孝一 朝岡 誠 西岡 千文 前田 隼 林 正治 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.260-266, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
7

日本の機関リポジトリによるオープンアクセスを推進するため,図書館は研究者に対して論文の提供依頼をおこなってきたが,そのメリットは不明確であり,提供依頼の成功率は低迷している.こうした現状を踏まえ,本研究では被引用数に着目することにより,日本の機関リポジトリによるオープンアクセスのメリットの存否について検証した.日本の機関リポジトリによるオープンアクセス論文の数は限られるものの,その被引用数と様々なタイプのオープンアクセス論文の被引用数の比較からは,日本の機関リポジトリによるオープンアクセスのメリットは確認できなかった.
著者
河合 将志 林 正治 尾城 孝一 新妻 聡 西澤 正己 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.298-301, 2018-12-08 (Released:2018-12-21)
参考文献数
10

日本は世界でも有数のIR(Institutional Repository)保有国であるが,学術雑誌論文の登録件数には設置機関の間で大きな差が見られる. 本研究では,この差を生み出している要因を明らかにするため,アンケート調査の結果を主なデータとして計量分析を行った. そして,この差がIRの運用期間やOA(Open Access)広報資料に係る変数によるものであり,これまで重要だと考えられてきた学術雑誌論文提供依頼やOA方針などに係る変数によるものではないことを示した.
著者
山地 一禎 片岡 俊幸 行木 孝夫 曽根原 登
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.240-248, 2008 (Released:2008-11-15)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

数学や物理学などの分野では,プレプリントの公開により研究成果の先取権が確保される.現在では,印刷物の出版と共に,電子ファイルをインターネット上で公開する方式が主流となっている.今後,電子ファイルのみの公開となった場合,プレプリントの存在と非改ざん性が担保される内容証明が重要になる.本研究では,ボーンディジタル時代におけるこうした問題に対して,電子署名とタイムスタンプから構成される長期署名を適用し,プレプリントをよりセキュアに流通できる学術コンテンツの内容証明システムを開発した.また,長期署名付きコンテンツを入手したユーザが手軽に内容検証をできるように,長期署名検証サーバの構築を行った.
著者
常川 真央 天野 絵里子 大園 隼彦 西薗 由依 前田 翔太 松本 侑子 南山 泰之 三角 太郎 青木 学聡 尾城 孝一 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.362-365, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
3

研究データ管理は,研究プロセスの透明性を高め不正を防止する目的とともに,オープンサイエンスにおける研究データ共有を支える重要なプロセスである.しかし,研究データ管理のスキルを持つ人材はまだまだ少ないのが実状である.そこでオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は,研究データタスクフォースを組織し,研究データ管理(RDM)のスキルを習得するためのトレーニングツールを開発し,2017年6月6日にWeb上で公開した.さらに,国立情報学研究所に協力し,オンライン講座「オープンサイエンス時代の研究データ管理」を11月15日に開講する予定である.本発表では,こうしたRDMの習得を支援する一連の活動について紹介したうえで,今後の研究データ管理業務を担当する人材育成について論じる.
著者
岡部 寿男 古村 隆明 佐藤 周行 山地 一禎 中村 素典
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.12, pp.1-6, 2014-02-20

Web サービスの認証連携で属性情報を用いてサービス提供サーバが認可判断を行う場合において、認証連携プロキシを経由することで、属性提供サーバが提供する個々の属性情報の詳細をサービス提供サーバに対して秘匿すると同時に、サービス提供サーバの認可の条件を属性提供サーバに対して秘匿したいという相反する要求に対応するための仕組みを提案する。
著者
長岡 千香子 古川 雅子 林 正治 孫 媛 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.424-427, 2022-12-18 (Released:2023-01-27)
参考文献数
8

現在,国内の複数の研究・高等教育機関では,自大学で提供した講義の映像をまとめたOpenCourseWare (OCW),教育用ガイドライン,自学用教材等の学習・教育用コンテンツを,誰でも無償で利用できるOpen Educational Resources(OER)として公開している.これらのOERを公開するためのプラットフォームの種類は多様であるが,その一つの手段として,機関リポジトリ上で公開する試みがみられる.本発表では,日本国内のOER公開に関する取組,機関リポジトリで実際に公開されているOERへのアクセス状況の集計,機関リポジトリ上でOERを公開する際の検討事項等を通じて,OER公開用プラットフォームとしての機関リポジトリの可能性について検討・考察する.
著者
前田 朗 加藤 寛士 高橋 菜奈子 山地 一禎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.9-15, 2016

<p>国立情報学研究所が提供する「共用リポジトリサービス」JAIRO Cloudは,いまやJAIRO Cloudを抜きに日本の機関リポジトリを語れないところまで普及している。本稿では,このJAIRO Cloudについて,主にそのシステム基盤の意義について論ずる。JAIRO Cloudのシステム基盤の特徴は維持継続が容易で発展性が高いことにある。JAIRO Cloudの特色を地域共同リポジトリなど類似のサービスの比較により明らかにした上で,現在の取り組みを紹介していく。</p>
著者
青山 俊弘 山地 一禎 池田 大輔 行木 孝夫
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.380-394, 2013-10-18
参考文献数
30

機関リポジトリでは,機関内で生成されたコンテンツが書誌情報からなるメタデータとともに保管され,インターネットを介して公開される.一方,機関内ウェブサイトでも,大学の研究者要覧や学部,研究室レベルでの業績一覧などで,機関リポジトリコンテンツのメタデータと重複した情報が公開されている.情報の同一性を担保したり,入力の煩雑な作業を軽減するためには,ある特定のサイトから入力された情報が,各々のサイトで共有できる仕組みの導入が不可欠である.本研究では,機関リポジトリを,そうした学内における業績情報の起点とするためのフレームワークの構築と実装を行った.提案システムでは,従来のリポジトリシステムのみの運用では行えなかった,機関リポジトリ設置者以外の手によるメタデータ設計,メタデータ入力を可能にした.これにより,機関リポジトリ外で専門的あるいは補足的な情報を機関リポジトリ内の基本的なメタデータに付加し,シームレスに公開するプライベートリポジトリが実現できる.このシステムによって,ウェブインターフェース上の操作のみで,機関リポジトリと連携したサプリメントファイルの公開や,研究者要覧等の自動生成,分野リポジトリの構築などを実現することができる.
著者
常川 真央 天野 絵里子 大園 隼彦 西薗 由依 前田 翔太 松本 侑子 南山 泰之 三角 太郎 青木 学聡 尾城 孝一 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.362-365, 2017

<p> 研究データ管理は,研究プロセスの透明性を高め不正を防止する目的とともに,オープンサイエンスにおける研究データ共有を支える重要なプロセスである.しかし,研究データ管理のスキルを持つ人材はまだまだ少ないのが実状である.そこでオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は,研究データタスクフォースを組織し,研究データ管理(RDM)のスキルを習得するためのトレーニングツールを開発し,2017年6月6日にWeb上で公開した.さらに,国立情報学研究所に協力し,オンライン講座「オープンサイエンス時代の研究データ管理」を11月15日に開講する予定である.本発表では,こうしたRDMの習得を支援する一連の活動について紹介したうえで,今後の研究データ管理業務を担当する人材育成について論じる.</p>
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 佐藤 周行 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.163-169, 2013-05-02

近年,シングルサインオンの技術を応用し,組織をまたがった認証連携を行う取り組みが広がりを見せている.民間ではOpenIDの仕組みを活用した認証連携が進む一方,学術ではSAML(Secudty Assertion Markup Language)を用いた認証連携の枠組みが,国を単位として世界的に立ち上がってきている.OpenIDやSAMLでは,認証結果とともに,認証された利用者に関する属性情報をサービス提供側に受け渡す仕組みが用意されているため,単なる利用者の本人確認にとどまらない,高度な情報連携の可能性を秘めている.本報告では,大学等が運用管理する認証サーバと,民間のサービス提供サーバとを連携させ,大学が保持する職種(学生,職員,教員など)に関する属性情報を提供することにより,学割サービスを実現するためのプロトコルゲートウェイの設計および試作について述べる.
著者
青山 俊弘 山地 一禎 池田 大輔 行木 孝夫
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-8, 2011-11-15

近年,文献を主とした研究成果のオープンアクセスが機関リポジトリで進められている.出版社での公開とは異なり,リポジトリではコンテンツの公開時期を柔軟に選ぶことができる.一方,機関リポジトリは機関のコンテンツを横断的に網羅する必要があり,コンテンツのタイトルや著者名など機関で定められた属性名に対応する属性値 (メタデータ) を追加する必要がある.したがって,コンテンツに対する属性名を自由に拡張することは難しい.そのため,学部や研究者個人のページ,研究者情報データベースなどの業績データベースなどにリポジトリのメタデータを流用することも難しい.そこで本研究では,リポジトリシステム WEKO に対して,リポジトリ上のコンテンツメタデータに付与する形でユーザが任意のメタデータを追加,表示,公開するためのソフトウエア SarabiWEKO を開発した.Institutional repositories (IR) have been collected many research articles, thesises and university journals. Metadata of these contents are restricted by institutional archiving policy. Thus it is difficult to reuse the metadata for other purpose, e.g. department web pages, researcher databases or field repositories. This study develops new functionality for IR, extending its showcase ability to different sectors in the university. This system, called SarabiWEKO, enables to append specific metadata by the sectors to the contents in the IR.
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.4, pp.1-6, 2014-02-20

H.323 国際標準に準拠したテレビ会議端末の普及が進んでいるが,多くの拠点が参加するテレビ会議を行うためには,テレビ会議端末の他に多地点接続装置 (MCU) が必要となる.このような装置の価格と利用頻度を考えると,各大学が個別に維持することは現実的ではなく,1 台の MCU を複数の大学で共用することが望ましい.そこで,このような設備の共用を促進するために必要となる共通の予約システム FaMCUs を開発した.FaMCUs は学術認証フェデレーション 「学認」 の SP として実現されており,学認に参加する大学の教職員であれば自由に予約を行うことができる.また,多様なネットワーク環境からテレビ会議に参加できるようにするため,併せて Skype とのゲートウェイ機能も用意している.本稿では,FaMCUs の設計と実装について述べる.
著者
谷本 茂明 島岡 政基 片岡 俊幸 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1383-1388, 2011-10-01

全国大学共同電子認証基盤(UPKI)プロジェクトでは,大学間PKI連携及び構築コスト削減等を実現するキャンパスPKI共通仕様を新たに開発した.本仕様が,PKI連携とコスト削減を同時に満足し,キャンパスPKI普及促進に寄与することを示す.
著者
島岡 政基 片岡 俊幸 谷本 茂明 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1246-1260, 2011-10-01

国立情報学研究所(NII)では,平成17年度より大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)の構築を行ってきた.UPKIは,コンピュータや学術コンテンツ等を大学間で安全・安心かつ効果的に共有し活用するための基盤として,PKI(公開鍵認証基盤)を中軸に利用者や利用機関の認証とサービスの認可の機能を提供する.本論文では,学術機関における認証の必要性と制約,対象とするサービスの多様性,既存の各種認証基盤との整合性などを考慮して設計した3層(オープンドメイン層,キャンパス層及びグリッド層)のPKIからなるUPKIの基本アーキテクチャについて解説するとともに,設計方針に基づく各層の実装及び連携方法などについて述べる.
著者
山地 一禎
巻号頁・発行日
2008-12-01 (Released:2008-12-04)

第8回東海北陸地区CSI事業報告会(学術機関リポジトリの最前線2008年12月1日 於:名古屋大学附属図書館)における発表資料