著者
研 攻一 トギ コウイチ TOGI Kohichi
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.73-85, 2011-02

「良い教師像」「良い教師の条件」について、学習者の土着認識(ルバーシステム)と、3群の「良い教師の条件」の選択項目の選択型の違いよる、対立情報提示の効果について検討した。次のような結果が得られた。(1)土着の認識に関しては、金八先生やヤンクミ先生などテレビで放映されている教師像が良いと考えられていること、その条件は「生徒の側に立つ」ということが大きな理由であることが示された。また、「部活動の指導に熱心だが、教材研究などの準備を疎かにしているバレー部の先生」に対しては、「良い教師」と判定せず、「両立すべきだ」との理由を挙げている。(2)対立情報の提示の効果では、「生徒の側に立つ」群では、「生徒の側に立つ」条件群の選択率が減少し、「生徒の側に立つ+部活を熱心に指導する」群では、「部活を熱心に指導する」の選択率だけが減少した。「その他」群では、「部活を熱心に指導してくれる」「生徒の悪いところを注意してくれる」の増加が見られた。
著者
研 攻一 黒木 洋子
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.489-500, 2014-02-01

不登校生徒を再登校させるための、主にメンタルサポーターの立場からの援助効果を検討した。メンタルサポーターの職務は、不登校生徒の側に寄り添いながら、再登校へ向けての援助を行うことである。その結果、次のような結果が得られた。(1)不登校生徒を再登校させることについては、学校と保護者間の中継点としての役割を果たし、効果が認められた。(2)不登校を起こした、原因の根本的な治療的な側面である発達モデルに基づく解決については、その効果を果たすことができなかった。(3)不登校生徒の不登校の原因と見られる、家庭内の家族関係の問題についての情報収集などについては、十分な効果を得ることができなかった。
著者
研 攻一
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.59-72, 2012-02-01

学習者のルバーシステムを組み替えるための対立情報提示教示文の効果を検討した。その教示文は、学習者の事前認識の様相を予想した上で、組み替えを可能にする、即ち正反応(選択率)を高める構成法によるものである。その結果、次のことが判明した。(1) 前研究同様に、学習者は事前認識として、金八先生、ヤンクミ先生を良い教師と考え、教師条件として「生徒の側に立つ先生」が良いと考えている。 (2) 事前から事後にかけて、金八先生、ヤンクミ先生及び「生徒の側に立つ先生」の選択率は有意に減少し、「授業を分かるように教える先生」は増加した。 (3) 三好京三の教育観には、学習者は反発し抵抗を示しているが否定はしておらず、葛藤状態となっている。
著者
研 攻一
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.73-85, 2011-02

「良い教師像」「良い教師の条件」について、学習者の土着認識(ルバーシステム)と、3群の「良い教師の条件」の選択項目の選択型の違いよる、対立情報提示の効果について検討した。次のような結果が得られた。 (1)土着の認識に関しては、金八先生やヤンクミ先生などテレビで放映されている教師像が良いと考えられていること、その条件は「生徒の側に立つ」ということが大きな理由であることが示された。また、「部活動の指導に熱心だが、教材研究などの準備を疎かにしているバレー部の先生」に対しては、「良い教師」と判定せず、「両立すべきだ」との理由を挙げている。 (2)対立情報の提示の効果では、「生徒の側に立つ」群では、「生徒の側に立つ」条件群の選択率が減少し、「生徒の側に立つ+部活を熱心に指導する」群では、「部活を熱心に指導する」の選択率だけが減少した。「その他」群では、「部活を熱心に指導してくれる」「生徒の悪いところを注意してくれる」の増加が見られた。
著者
研 攻一 佐藤 由紀
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.23-36, 2014-02

遊びの中で造形能力を育てる保育のあり方について検討した。風船を使ったダルマ作りの技術を、お化け屋敷で使う生首や火の玉作りに応用していく際の、子どもたちの遊びの質や、行動の自発性やイメージの拡大と深化の程度について検討した。その結果、次のことが得られた。(1)風船を使った基本的な技術の習得場面のダルマ作りでは、子どもたちは遊び条件を満たさずに、保育者主導の保育が展開された。その際には、行動の自発性やイメージの拡大は余り見られなかった。(2)ダルマ作りの応用場面の生首と火の玉作りでは、遊びの条件を満たし、子どもたちが自発的に意見やイメージの交換を図り、集団で新しい工夫をしてお化け屋敷で必要なものを作りだした。(3)具体的な目標(生首や火の玉)が遊びの中で設定されると、子どもたちの自発性やイメージの拡大が促進されることが見られた。
著者
研 攻一 坂倉 久美子
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 = Bulletin of Uyo Gakuen College (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.99-109, 2010-02-01

介護支援専門員の立場から扱った、地域から孤立がちでしかも老老介護のケースである。ケースを担当する半年前に、民生委員らから地域包括センターに、A(妻)の姿を見かけないから見て欲しいとの依頼があった。その時の訪問では係が玄関先で追い返され、半年後に長男から訪問入浴の介護サービスの申請が出たケースである。 このケースから、以下のような問題点が浮かび上がってきた。 (1)孤立しがちな家族に、介護サービスの受け入れや介護保険制度がどのようなものかについての認識を、どのように理解させられるか。 (2)介護サービスを受けることに抵抗する(金銭的なこと)夫をどう説得させ納得させられるか。 (3)家族関係の中で、誰を相談業務の対象としたら良いか。
著者
研 攻一 佐藤 由紀 トギ コウイチ サトウ ユキ TOGI Kohichi SATO Yuki
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.23-36, 2014-02

遊びの中で造形能力を育てる保育のあり方について検討した。風船を使ったダルマ作りの技術を、お化け屋敷で使う生首や火の玉作りに応用していく際の、子どもたちの遊びの質や、行動の自発性やイメージの拡大と深化の程度について検討した。その結果、次のことが得られた。(1)風船を使った基本的な技術の習得場面のダルマ作りでは、子どもたちは遊び条件を満たさずに、保育者主導の保育が展開された。その際には、行動の自発性やイメージの拡大は余り見られなかった。(2)ダルマ作りの応用場面の生首と火の玉作りでは、遊びの条件を満たし、子どもたちが自発的に意見やイメージの交換を図り、集団で新しい工夫をしてお化け屋敷で必要なものを作りだした。(3)具体的な目標(生首や火の玉)が遊びの中で設定されると、子どもたちの自発性やイメージの拡大が促進されることが見られた。
著者
研 攻一 坂倉 久美子 トギ コウイチ サカクラ クミコ Togi Kohichi Sakakura Kumiko
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.387-399, 2009-02

介護支援専門員の立場から、家族の人間関係、特に長男の妻と姑である利用者の関係が長期的に続いた結果、在宅介護が十分行えない事例について検討した。その結果、次のような問題点が得られた。(1)Aの長男が結婚した当初から、嫁いびり(長男の嫁の教育)による確執が継続した結果、長男夫婦がAの在宅介護の責任を果たさない状況ができ、これが介護サービスを十分に機能させられない条件となっている。(2)Aの頑固な性格や金に執着する価値観などが、長男の嫁との位置関係が逆転しても、維持されていることで、状況の変化を改善することができない。(3)Aの心身の状態変化では、せん妄などは見られるが、徐々に悪くなる方向に進まない。これはAの年齢が若いからであろう。(4)ケアプラン内で、「他者と触れ合いたい」課題目標については改善がなされていない。