著者
畑江 敬子 脇田 美佳 宮後 恵美 佐藤 由紀 島田 淳子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.755-762, 1994-11-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
12
被引用文献数
3 1

嗜好性の高い昆布だし汁を調製するための基礎的知見を得るために,だしの成分量と抽出時間(1~90分間)および抽出温度(5~95℃)との関係を調べた.各温度における各成分の抽出量(Y)は,抽出時間(X)の関数としてうまく示された.すなわち,ここでa値は,抽出初期段階における傾斜で, b値は,漸近値すなわち最大抽出量である.各成分についてa値を各抽出温度に対してプロットし,みかけの活性化エネルギーを計算した.同様に,各成分について, b値のみかけの活性化エネルギーを求めた.これらの活性化エネルギーを比較することによって,各成分の抽出における温度依存性を知ることができる.抽出初期の温度依存性は,マンニット,全エキス,K+, Cl-,および全窒素に高かった.最大溶出量の温度依存性の高い成分はCa2+,グルタミン酸, Mg2+, P5+お上アド全エキスであった.
著者
高部 啓子 松本 朋子 坂本 英里香 高橋 佐智子 佐藤 由紀子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-6, 2008-04

Although many ready-made "Yukatas (a kind of Japanese costume Nagagi)" have appeared on the market, there are no official size-system for Yukata". So we surveyed the clothing size and measurements of ready-made "Yukatas" on the market and then studied the validity of their size and measurements through young women's body measurements, and then tried to propose the better size-system for Japanese costume "Nagagi". Materials were market-research data carried out in June to August, 2006, and the body measurements and the cross section data of hips from the 3-D measurements proceeded for 91 female students from 2004 to 2006. We found that the number of clothing size on the market was very small, the clothes were made too long, and the relation among the body measurements was not considered. We also found that the necessity for expanding sizes to width through the scatter diagram of stature and hip girth, and one and half of hip girth was a good indicator for deciding the width of Nagagi. Then we proposed the size-system for Nagagi on the basis of the above results.
著者
安齋 正人 福田 正宏 國木田 大 辻 誠一郎 髙橋 龍三郎 佐藤 宏之 佐藤 由紀男 北野 博司 熊木 俊朗 蛯原 一平 菅野 智則
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

数度にわたる完新世の気候寒冷化とその後の急激な回復(ボンド・イベント:約8200年前、約5800年前、約4300年前、約2800年前のピーク)と、縄紋土器の放射性炭素(14C)年代測定値の暦年較正年代とを対比させた結果、それぞれの気候変動が、草創期の終末/早期の初頭、早期後葉/前期初頭、前期後葉/中期初頭、中期後葉/後期初頭、晩期後葉/弥生初頭に対応することがわかった。とくに約8200年前のピークである8.2kaイベントの影響は、定住・集住集落の解体と遊動化、そして再定住化という居住パターンの変化として、列島各地の考古資料に明瞭に記録されている。
著者
杉田 洋子 田中 美智 高橋 裕子 佐藤 由紀子 山田 寛
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.421-427, 2001-05-15
被引用文献数
3

In our experiment we asked 201 female college/junior-college students as subjects to judge body silhouettes that consisted of all possible pairs of ten female junior-college students' photographs. We analyzed the data of the pair-wised comparisons in terms of multidimensional scaling and found that the preference of body silhouettes had two dimensions. A multiple regression analysis was also applied to examine the relationship between the somatometric measures of body silhouettes and the two dimensions of preference. As a result, it was found that female college/junior-college students had a tendency to attach importance to the side of the body when they judged silhouettes and they were likely to prefer a body silhouette having a narrow-angled thinner abdomen, and a thicker bust and hips.

2 0 0 0 OA 書評

著者
佐藤 由紀
出版者
日本島嶼学会
雑誌
島嶼研究 (ISSN:18847013)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.9, pp.9_47-9_49, 2009 (Released:2012-01-31)
被引用文献数
10
著者
佐藤 由紀男
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

北海道苫小牧市タプコプ遺跡出土鉄器が紀元前2世紀の所産であり、かつ刃器であることが確認された。また北海道では、この時期の骨角器に鉄器による加工痕が確認された。鹿の角などの硬い素材の加工道具として鉄器が用いられたのである。こうした鉄器は、船を利用した日本海側の交易・流通で西日本から搬入されたものである。東北北部もその経由地の一つである。現時点では未確認であるが同じ時期の東北北部にも同様の鉄器が存在したと考えられる。
著者
佐藤 由紀子 山﨑 智子 内堀 真弓 大木 正隆 本田 彰子
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-13, 2011 (Released:2016-12-27)
参考文献数
20
被引用文献数
3

要 旨本研究の目的は,神経膠腫の外科的治療後に高次脳機能障害を有した患者の生活の再編成の体験構造を明らかにすることである.初発の神経膠腫の手術後,外来通院中で,みずからの経験を語れる計10名の患者を対象に個別面接調査を行った.生活の再編成を構造的にとらえるため,現象学的アプローチの方法論を基に,A Giorgiの記述的現象学的方法を参考にし分析した.分析の結果,16の構成要素が得られ,さらに「高次脳機能障害の受け止めと対応」といった視点で4テーマが明らかとなった.生活の再編成の構造は,〈高次脳機能障害を伴う行為により生じた異和感〉を意識し,〈障害を目の当たりにした感情の揺さぶられ〉をともないながら現状を受け止め,さらに,自分なりの〈障害を持っても生きられる術の探究〉により新たな生活のしかたを見出し,これから先のことを現実的に考えだすことによって〈垣間見える将来〉に至るということであった.神経膠腫の患者は,退院後,特に他者との交流において異和感を感じるが,高次脳機能障害を有したことで,その異和感をすぐに疾患や障害と関連づけて思考することに時間を要し,そのために生活の再編成に難渋するという特徴があった.また,常に再発の不安もいだいており,障害と併せて将来を不確かにしていた.患者が社会の中で孤立せず,主体性ある人生を送るためには,看護師が患者の社会的な人間関係へ一歩踏み込んで人々に理解と支援を働きかける必要がある.
著者
佐藤 由紀
雑誌
芸術研究:玉川大学芸術学部研究紀要 (ISSN:18816517)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-12, 2013-03-31

本稿では、一人芝居における舞台俳優と課題説明場面における成人男性の、ジェスチャーを中心とした発話構造を比較し、その共通性と相違性を探索した。俳優のジェスチャーは、平均持続時間、出現位置や方向、ビートのリズム性、空間構造、発話との時系列関係などでは成人男性と共通性を示した。ただし、一つのジェスチャーに含まれるジェスチャー句数が少ないなど、相違性もみられた。とくに俳優の特徴として、指さしを多用することに注目し、架空の対話相手と、状況に向けられた意図の複合した表現が、ここにみられた指示であった可能性が主張され、指示の複雑性がこの俳優の演技の熟達の特徴である可能性を示した。
著者
粕川 昌子 松浦 蔵人 梅沢 聡子 佐藤 由紀江 斉藤 亜希子 石井 梨奈 清水 めぐみ 大河 友佳 工藤 めぐみ 石田 枝里香 竹村 寛子 高田 裕文
出版者
筑波大学図書館課
雑誌
つくばね : 筑波大学図書館報 (ISSN:02850117)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.4-5, 2000-12-13

今年は9 月11日(月)~29日(金)の3 週間,\n図書館情報大学実習生12名が実習をしました。\n粕川 昌子\n 情報が氾濫している今,それらを収集し管理し\nていくことは思った以上に大変で,大切であると\n感じた。筑波大学の様に広く所蔵量の多い図書館\nでは,まぎれこんだ資料は簡単に探し出せない。\n ...
著者
佐藤 由紀子
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.48, pp.60-73, 1983-11-05 (Released:2010-05-07)
参考文献数
36

The main purpose of M. Merleau-Ponty's phenomenology was to stop the fruitless dispute between materialism and idealism, to re-learn seeing the world, and to restore the naive contact with the world. Apparently this phenomenology suggests a unique viewpoint in understanding the existence of 'child'. We can find this viewpoint more directly expounded in his lectures on child psychology and pedagogy held at the Sorbonne. This paper, focusing on these lectures, examines the characteristic points and the meaning of these lectures.Merleau-Ponty proposes a phenomenological child psychology in contrast to child psychology as a positivistic science and he treats pedagogy also as synonymous with phenomenological child psychology. He emphasises the importance of the lived existential relation between the child and the adult which we are apt to miss by objectifying 'child' as the object of positivistic or scientific knowledge.If we dare to attach a name to attempt at phenomenology, we may call it phenomenology of 'child and adult'. It includes a notion of protest against the one-way theory of stages of development from child to adult, and it seems to suggest that human development should be considered only in terms of the structure of co-existence of child and adult.
著者
畑江 敬子 脇田 美佳 宮後 恵美 佐藤 由紀 島田 淳子
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.755-762, 1994
被引用文献数
1

嗜好性の高い昆布だし汁を調製するための基礎的知見を得るために,だしの成分量と抽出時間(1~90分間)および抽出温度(5~95℃)との関係を調べた.<BR>各温度における各成分の抽出量(Y)は,抽出時間(X)の関数としてうまく示された.すなわち,<BR>ここでa値は,抽出初期段階における傾斜で, b値は,漸近値すなわち最大抽出量である.<BR>各成分についてa値を各抽出温度に対してプロットし,みかけの活性化エネルギーを計算した.同様に,各成分について, b値のみかけの活性化エネルギーを求めた.これらの活性化エネルギーを比較することによって,各成分の抽出における温度依存性を知ることができる.抽出初期の温度依存性は,マンニット,全エキス,K<SUP>+</SUP>, Cl<SUP>-</SUP>,および全窒素に高かった.最大溶出量の温度依存性の高い成分はCa<SUP>2+</SUP>,グルタミン酸, Mg<SUP>2+</SUP>, P<SUP>5+</SUP>お上アド全エキスであった.
著者
佐藤 由紀子
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.433, pp.124-133, 2018-07

いつからか「長生きリスク」という言葉が生まれ、人生100年時代への備えが必要になってきている。そんな時代、保険とはどう向き合うべきか?取材・文/佐藤由紀子 イラスト/タケウマ 人生100年といわれる時代。日本人の平均寿命は伸び続け、男性は80・98歳、…
著者
研 攻一 佐藤 由紀
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.23-36, 2014-02

遊びの中で造形能力を育てる保育のあり方について検討した。風船を使ったダルマ作りの技術を、お化け屋敷で使う生首や火の玉作りに応用していく際の、子どもたちの遊びの質や、行動の自発性やイメージの拡大と深化の程度について検討した。その結果、次のことが得られた。(1)風船を使った基本的な技術の習得場面のダルマ作りでは、子どもたちは遊び条件を満たさずに、保育者主導の保育が展開された。その際には、行動の自発性やイメージの拡大は余り見られなかった。(2)ダルマ作りの応用場面の生首と火の玉作りでは、遊びの条件を満たし、子どもたちが自発的に意見やイメージの交換を図り、集団で新しい工夫をしてお化け屋敷で必要なものを作りだした。(3)具体的な目標(生首や火の玉)が遊びの中で設定されると、子どもたちの自発性やイメージの拡大が促進されることが見られた。
著者
志村 英二 杉谷 巌 戸田 和寿 井下 尚子 佐藤 由紀子 元井 紀子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.152-155, 2013 (Released:2013-08-30)
参考文献数
14

症例は36歳女性,健康診断にて前頸部腫瘤を指摘され,甲状腺腫瘍疑いにて当科を紹介受診した。頸部超音波検査にて甲状腺左葉下極に27×22×18mm大の辺縁分葉状の低エコー結節を認めた。穿刺吸引細胞診では,細胞質内に多数の好酸性顆粒を認めた。甲状腺腫瘍あるいは甲状腺外迷入病変を考え,甲状腺左葉切除術を施行した。病理学的所見では,腫瘍は甲状腺外軟部組織を中心に存在し,甲状腺組織にも浸潤性に増殖していた。腫瘍細胞は好酸性,顆粒状の豊かな細胞質を持つ類円形細胞よりなり,核異型は認めなかった。免疫染色の結果,腫瘍細胞はS100陽性であった。以上より,顆粒細胞腫と診断した。顆粒細胞腫の大部分は良性腫瘍と考えられているが,稀に遠隔転移や悪性症例の報告もされており,経過観察に注意を要する。
著者
杉田 洋子 田中 美智 高橋 裕子 佐藤 由紀子 山田 寛
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.421-427, 2001-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

人が他者の身体シルエットについて, 身体のどの部位を見て好ましさの判断をしているかを知るために, 女子大生201名を対象として, 別の女子短大生のシルエッター写真100体中より抽出された普通体型10体に対する身体シルエットの好ましさを一対比較法によって比較判断する実験を行った.多次元尺度構成法による分析の結果, 他者の身体シルエットに対する女子大生の好ましさの判断には二次元的な側面があることが見出された.一方, 刺激として用いたシルエッター写真上の身体シルエットの写真計測値を求め, 回帰分析によって尺度化との関係について検討を行い, 視覚的なシルエットとしての身体のどの点に着目したか, 好ましさを決める客体の条件についての分析を行った.その結果, 身体シルエットの判断には好みにおいて二次元的な変数が見出されたが, いずれも身体の正面よりは側面からの観察によって得られ易い判断であるという興味深い事実が明らかになった.一つは身体シルエットの角度と関係があり, もう一つは厚みと関係があることがわかった.すなわち, 側面における腹部の角度が小さく厚みは少ない方, バストとヒップの厚みは多い方が好ましいと判断される身体シルエットであることが示された