著者
磯部 博志 有馬 智裕
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2007年度年会
巻号頁・発行日
pp.218, 2007 (Released:2008-09-02)

異種鉱物接触場は,鉱物形成に重要な役割を持つ。本研究では,超臨界熱水流動装置を用い,炭酸塩とシリカ鉱物接触部での鉱物形成過程を再現した。出発物質は,準安定相であるvaterite及びcristobaliteを用いた。これらを試料パイプに充填し,上流側/下流側を交換して実験した。実験条件は,温度450C,圧力50MPa,流量0.1ml/min,7日間または20日間である。実験後の試料パイプを切断して生成物を回収し,観察,解析を行った。 両相接触面から炭酸塩側約200µmで,vaterite仮像を示す非晶質シリカが観察された。それ以遠の炭酸塩側では,最大約700µmの範囲までwollastoniteの針状結晶が現れる。接触部近傍では,高濃度の溶存Si成分が存在し,vaterite外形を保存する非晶質シリカの析出が起こった。次いで,熱水流動に伴うwollastonite析出が起こった。
著者
今栄 直也 磯部 博志 山口 亮
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

コンドリュール再現装置を開発した。装置に水素ガスを導入し、0.1から数千Paの任意の圧力で制御する。実験出発物質にはコンドライト組成の粉末焼結ペレットを用いた。還元雰囲気ではI型コンドリュールに一致する斑状の珪酸塩鉱物(フォルステライトとエンスタタイト)が晶出した。また、100Paより低い制御圧では鉄成分の蒸発により、メタル粒子は欠損したが、全圧が高い(千Pa以上)とこのメタル組織は認められた。一般に、丸い小さなメタル粒子はコンドリュールに不均一に含まれ、実験で生成した組織はI型コンドリュールをよく再現する。
著者
福間 浩司 磯部 博志 林田 明
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中国沿岸部や韓国などの東アジアの湿潤地域では, アジア大陸内部からダストが間断なく供給されると同時に, 過去から現在まで人類が継続的に活動してきた痕跡が数多く残されており, 人類の活動と気候変動の影響を研究するための理想的なフィールドである. 中国沿岸域や韓国の旧石器遺跡のダスト堆積物について交流磁化率や磁気ヒステリシス特性の測定を行い, 磁性ナノ粒子の種類・含有量・粒径分布を求めた. 乾燥地域のダスト堆積物との比較から, 従来の磁気測定では解明できなかった湿潤地域の気候と磁性ナノ粒子の対応関係を明らかにすることができた.