著者
神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.220-225, 2011-03-01
被引用文献数
4 1

光ファイバ当りの伝送容量は30年で1万倍以上の驚異的なペースで増加してきた.次期開発ターゲットは,チャネル当りのビットレート〜100Gbit/s,総伝送容量8〜10Tbit/s,周波数利用効率〜2bit/(s・Hz)が視野に入っているが,既存光ファイバの物理的な容量限界が顕在化しつつある今,伝送容量増加のペースにはさすがに陰りが見え始めている.一方,インターネットトラヒックは2年で2倍前後のペースで今後も増加すると見込まれ,近い将来,光ネットワークの容量不足が問題となるとの懸念が広がっている.本稿では,10年後のトラヒック需要に対しても経済的に収容するための光ネットワーク技術として,エラスティック光パスネットワークとその実現技術を解説する.
著者
佐藤 健一 神野 正彦 森 洋二郎 長谷川 浩 菊池 和朗
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

フレキシブル大容量光ネットワークアーキテクチャに関して,これまでに開発したグループドルーティング並びにバーチャルダイレクトルーティングの総括的な評価を行い,その効果の詳細を明らかにした.その結果を基に,メトローコアをシームレスに効率的に転送できる新しい枠組みを開発した.多次元自由度を駆使したフレキシブルネットワークに関しては,新たに考案したWDM/SDM波長選択スイッチの試作機を用いて、LCoS分割によるスイッチ集積化とジョイントスイッチングによる一括スイッチングの基本動作を確認した。また,ジョイントスイッチによるスーパーチャンネル内クロストート発生機構を明らかにし、実験により定量評価した。さらにクライアントIF速度の増加トレンドと空間スイッチの低コスト性・低損失性に着目した階層化WDM/SDMネットワーク並びに増設性と信頼性に優れた空間クロスコネクトアーキテクチャを新たに考案した。高次多値変調方式および超高密度波長分割多重技術を導入したフレキシブルコヒーレント光伝送システムに関しては,これを実現するにためには,位相および周波数が極めて安定なレーザが必要となり,それに伴い,レーザの位相および周波数特性を高精度に測定・解析する技術が不可欠である.今年度は,これを実現する新たなレーザ特性解析法を提案し,その有効性を計算機シミュレーションおよび実験により示した.本研究成果に関して,レーザ分野において最高峰の学会であるCLEO-Europeで口頭発表を行った.
著者
曽根 由明 神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.243, pp.47-50, 2009-10-15

2009年9月20日から8月24日までオーストリアのウィーンで開催されたECOC2009における、光ネットワークのアーキテクチャ技術、制御技術関連の発表技術の概容について報告する。