著者
福田 恵子
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual60, no.Abstract, pp.213_1, 2022 (Released:2022-12-01)

近赤外光(NIRS:near-infrared spectroscopy)による脳機能計測において、皮膚血流を抑制するためのアルゴリズムとして深さ選択性フィルタが提案されている(1)。深さ選択性フィルタは、光強度変化が生じる要因が、生体組織内で血液量変化が生じる領域を皮膚血液量変化が生じる表層と脳血液量変化が生じる深層の2層のみと仮定して、生体の光学特性をモデル化して3次元解を求め、深層信号のみを抽出して光トポグラフィを再構築する方法である。本手法の適用時には表層信号の変化を選択的に検出するために光の照射・受光間距離の短い(SSD)信号を取得して補正に使用する。しかしながら、表層信号の抑制が過剰に作用し、対象信号が減衰する場合が存在する。この問題の解決ために、モデル化時の解析ボクセルの配置をシミュレーションにより検討した。表層に配置する解析ボクセルについてSSD信号の検出点直下(深さ2㎜)のボクセルを除外することにより、深層信号を減衰の弊害を低減できることを確認した。【参考文献】(1)藤井麻美子他,生体医工学,48(4)pp.383-395,2010.
著者
福田 恵子 後藤 真理
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会誌 (ISSN:03862666)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.150-161, 2012-11-01 (Released:2017-11-17)

The purpose of this study was to investigate effective teaching methods for problem-solving in home economics of senior high school. For this purpose, home project employing problem-solving with practical reasoning was conducted, and the effectiveness of learning and incidence of employments of learning strategies was evaluated afterward. Our subjects were 220 students in a senior high school. Relationships among learning motives, mastery levels of tasks and learning strategy in the problem-solving were analyzed by the multiple regression analysis. The results were summarized as follows; (1) Before the home project, the cognitive strategies were mainly used, and they were improved among approximately 45% of students by the home project employing problem-solving with practical reasoning. This project improved the metacognitive strategies and the external resource strategies which were used among only 25-35% of students before the home project. (2) Multiple regression analysis suggested that the mastery level of task was elevated by increasing the cognitive motivation of attainment value which was elevated by ascending the metacognitive strategies. Learning strategy was increased by raising incidence of imitating strategies from another students and the mastery level of practice.
著者
吉澤 一巳 益田 律子 井上 哲夫 木本 陶子 福田 恵子
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.474-477, 2009-09-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
7

フェンタニル貼付剤を使用し,内服が困難であったがん性疼痛患者の突出痛の治療に,携帯型ディスポーザブル患者自己調節鎮痛 (patient-controlled analgesia:PCA)用注入ポンプを用いた間歇 PCAを行い,良好な効果を得たので報告する.間歇PCAによる1回ボーラス投与量は,フェンタニル1日量の5%のオピオイド換算量(モルヒネまたはフェンタニル)を,経静脈あるいは経皮下に投与した.ボーラス投与には,ケタミン(1-3 mg)を併用した.至適ボーラスのオピオイド用量は,痛みの強さ,鎮静度ならびに患者満足度により評価し,投与量を適宜増減して決定した.対象患者は16名で,フェンタニル貼付剤2.5-60 mg/72 hrを用いていた.間歇PCAの至適ボーラスのオピオイド換算用量は,フェンタニル貼付剤の1日量の平均5.8±1.9%(平均値±標準偏差)であった.以上の結果より,オピオイド鎮痛薬と少量ケタミンとの併用による間歇PCAは内服困難患者の突出痛の治療として有用であると考えられた.本法は患者満足度の向上,滴定投与による至適投与量決定にも大きく貢献した.
著者
福田 恵子 藤井 麻美子 深谷 直樹
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近赤外分光法による脳機能計測において、測定信号に含まれる姿勢変化等の外乱や感情等の情報を含む皮膚血流の影響を大脳皮質血流から分離する計測法に関する研究を行った。まず、提案する2種類の補正信号を用いる皮膚血流変化の影響の補正手段に関して、シミュレーション及びファントム実験により、有効性を確認した。また、手段の実現に適した信号の変調・復調方式を提案し、その動作をファントム実験にて確認した。また、生体計測においては、皮膚血流の補正信号を測定対象信号と同時に計測し、測定対象信号に含まれる外乱の影響を確認した。