著者
松家 武樹 鈴木 康範 堺 孝司 福留 和人
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.295-302, 2011-02-25 (Released:2014-03-03)
参考文献数
14
被引用文献数
2 3

本研究は、フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末の組合せによるコンクリートの一般性能および環境性能の最適化を図るための基礎的な情報を得るために、上記の混和材の利用が土木用コンクリートと建築用コンクリートのフレッシュ性状および強度・物理特性ならびに中性化に及ぼす影響と環境負荷低減効果について明らかにすることとした。その結果、フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末の併用は、混和材無混入と比べて初期強度を低下させるが、材齢28日のコンクリートの強度やフレッシュ性状ならびに耐久性は同等程度の性能であること、および1N/mm2あたりの圧縮強度を得るために排出されるCO2量を減少させることが明らかとなった。
著者
馬場 弘二 伊藤 哲男 佐野 信夫 谷口 裕史 杉山 律 福留 和人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.285-295, 2006 (Released:2006-04-21)
参考文献数
17

トンネル覆工コンクリートの耐久性向上を図る上で,ひび割れの発生を低減することが重要である.本研究では,覆工コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの抑制手法を検討することを目的に,ひび割れ発生に影響を及ぼすと考えられる要因のうち,養生条件,使用材料および拘束条件を取り上げ,覆工コンクリートを模擬したモデル試験体を用いたひび割れ発生程度の比較試験による評価を行った.その結果,養生条件では,散水養生が,使用材料では,膨張材がひび割れ抑制に有効であること,また,防水シート敷設による拘束低減効果が大きいことも明らかとなった.さらに,覆工コンクリート背面および脚部の拘束条件の違いによる影響について,実トンネルを模擬した2次元FEMによる応力解析を行い検証した.
著者
福留 和人 齋藤 淳
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.35-47, 2021 (Released:2021-03-15)
参考文献数
19

現行のコンクリート標準示方書における養生の位置付けに基づいて「セメントの水和解析に基づく養生計画立案手法」を提案した。提案する手法は,設計で設定したコンクリートの特性値を満足するために達成すべき目標の水和率を設定し,水和解析によって求めたセメントの水和率が目標の水和率に到達するように養生計画を立案するものである。本論文では,提案する手法の基本的な考え方および具体的な養生計画の立案方法を紹介する。さらに,各種条件における養生計画立案事例を示し,構造物条件,コンクリート条件および施工環境条件に応じて養生計画を合理的に立案することが可能であることを確認した。
著者
福留 和人 古川 幸則 庄野 昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.18-27, 2011 (Released:2011-01-20)
参考文献数
11
被引用文献数
3 2

コンクリート構造物が硬化後,所要の強度,耐久性,ひび割れ抵抗性等の性能を発揮するためには,硬化初期において適切に養生を行うことが重要である.本研究では,湿潤養生期間および給水養生の実施がコンクリートの性能改善に及ぼす効果を把握するために,普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートを種々の湿潤養生条件下で養生し,圧縮強度発現特性に及ぼす影響を調査した.さらに,保水状態の差異がセメント鉱物の水和反応に及ぼす影響を定量的に評価し,水和生成物の生成量の観点から圧縮強度発現特性を評価した.その結果,保水状態がセメントの水和反応に及ぼす影響を考慮することで,種々の湿潤養生条件下での強度発現特性を評価可能であることを明らかとした.
著者
福留 和人 齋藤 淳
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,セメントの水和率が所要レベルに達するように合理的に養生計画を立案する手法を開発することを目的とする。養生条件がセメントの水和反応に及ぼす影響を解析的に予測する手法を開発するために,養生条件の影響に関する基礎データの取得および各種養生工法の養生効果を評価する実験を実施した。得られた結果を用いて,解析プログラムによる水和解析の検討を行い,養生条件がセメントの水和に及ぼす影響の評価手法を確立した。これらの結果の取りまとめを行い,「セメントの水和解析に基づくコンクリート構造物の養生計画の立案手法」の提案を行った。