著者
深見 哲男 東 亮一
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

UHFテレビの受信障害が、時々,日本海域に発生している。この受信障害の原因は,水蒸気や黄砂などの環境因子によるダクト伝搬によると思われる。この研究の最終目的は,ダクト伝搬の発生を予報することである。そのため,石川県津幡において日本海側や韓国のTV電波を定常観測すると共に,気象データと測定データを比較した。その結果,ダクト伝搬は,春から夏の晴天時に発生するが,秋から冬にほとんど発生しないことが分かった。そして、天気との相関が非常に強いことが分かった。
著者
河合 康典 越野 亮 三好 孝典
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は,筋肉疲労に対して安全な電気刺激による遠隔リハビリテーションシステムの開発を行うため,今年度は下記の2つの課題について考える。課題①の筋肉疲労の推定と患者側での安全機構の開発については,これまでに行った筋電計は疲労推定の精度が悪く,脳波計では疲労推定ができなかった。そこで,外乱オブザーバとガウス過程回帰を用いた2つの疲労推定手法を考える。はじめに,外乱オブザーバを用いた方法は,疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定することで,入力外乱の推定を行う。推定する入力外乱の平均値は,運動開始直後は小さいが,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に増加していることから疲労を推定できることが分かる。次に,ガウス過程回帰を用いた手法は,外乱オブザーバと同様に疲労がない時の膝関節の運動モデルを用いて,疲労時には入力外乱が発生すると仮定して疲労推定を行う。測定値と運動モデルの差を入力外乱として考え,学習における入力を膝関節角度,出力を入力外乱とすることで,入力外乱の平均と分散を求める。運動開始直後は外乱の平均値が0に近いのに対して,被験者が疲労を感じるにつれて徐々に平均値の振れ幅が広がっていることから,疲労を推定できることが分かる。課題③の高速化と耐故障性を備えたクラウドシステムの開発については,AWS IoT から変更してNode.js を用いたクラウドシステムを考える。これまでの遠隔リハビリテーションシステムは,MATLABのSimulinkをベースにシステムを構築しているので,Node.js との通信の結合を行っている。
著者
浦井 誠
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

田舎では地域住民によって公共施設周辺や道路の清掃活動が労働奉仕の形で行われ、住環境保全と地域環境の美化に寄与している。側溝には土砂、枯葉、一般ゴミが溜まりやすく、これらの除去は機能の維持、住環境保全の意味からも重要な作業であるが、高齢化社会となり、この清掃活動は重労働であり困難な場合が多い。そこで本研究では、住環境整備作業を行う上で、できるだけ少ない側溝蓋の着脱回数で軽作業化を図り、わずかの人数でいつでも側溝内の清掃除去作業ができる移動型の作業ロボットの開発を目指した。○研究実施内容(1)住環境整備作業を実施する現地調査・確認と写真による記録・側溝蓋の重さ、土砂やゴミの堆積状況、種類、量、除去に必要な労力を検討した。(2)側溝蓋取り外し器具のwebによる調査と設計・製作・軽量で扱い易く、安価で小型で簡単に準備・収納できることを基本に調査・考察し、押してやることで側溝内を移動できる蓋除去リフタを製作した。(3)清掃作業ロボットの仕様策定と設計・製作・重量は10kg以下、手動操縦により動き、移動速度は1~2km/hの目標で製作した。実機の重量は7kg、移動速度は1.3km/hとなり、ロボット本体上部にCCDカメラ、LEDライトを搭載し、作業者がモニタを通して確認でき、状況に応じた作業ができるようにした。○研究成果として以下のことが分かった。あわせて今後の課題も明らかとなった。・ロボットの防水と回収ゴミ・土砂をある程度溜められるようにしなければならないので、目標の10kg以下とすることは難しい。・人間が屈んで側溝内のロボットが回収したゴミ等を取り出さねばならず、また製作の蓋除去リフタも高齢者には負担が大きい。・側溝の底面だけでなく、側面も同時に清掃できるような機構にする。実用には程遠く、満足できるものではない。仕様から考え直して今後も継続して取り組んでいく予定である。
著者
山田 洋士
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

今年度の計画では、発展的な学習を促す教材仕様の明確化と実現を目的としていた。また、昨年度までの研究実施においては、使用する無線信号用インタフェースの時間同期精度が十分でないことが、大きな制約事項となっていた。そこで、発展的な学習を促す教材の例として、ソフトウェア無線実験環境を活用して、無線伝送路のインパルス応答測定を可能とすることを目指した。実用面での検討が進むmultiple-input and multiple-output(MIMO)通信方式においては、無線伝送路特性を定量的に把握することが必要である。しかし、高専や大学などの高等教育機関で現実的に準備が可能な設備を用いて無線伝送路特性の実測を行うことは、容易ではない。パソコン(PC)とソフトウェア無線(software-defined radio:SDR)装置を組み合わせた種類のソフトウェア無線実験環境(PC-SDR)により無線伝送路のインパルス応答特性を実現できれば、基礎的事項の習得に有効であるとともに、PC-SDRの利用範囲を拡大する事例となる。PC-SDRでは、PC上でのソフトウェアによる信号処理及びPCとSDR装置間でのデータ伝送に伴う処理遅延がそれぞれ存在し、遅延時間が変動することも多い。処理遅延の影響を考慮せずに測定を行った場合には、測定結果には信頼性がない。この問題はPC-SDRを計測に使用する際の妨げとなっている。報告者は、M系列を用いて送信用ベースバンド信号と復調信号の相互相関値のピークに基づき送受信信号間で時間的な同期を確立する手法の利用を検討した。音響系のインパルス応答測定で実績のあるTSP(time stretched pulse)信号を用いて920MHz帯で測定対象のインパルス応答算出を行い、その結果の検証を行った。その結果、正当な結果が得られたことを確認した。
著者
岩竹 淳 図子 浩二 北田 耕司
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,疾走能力とジャンプパフォーマンスとの関係について明らかにしようとし,特に立五段跳の0-3歩(プレス型ジャンプ力)および3-5歩(スイング型ジャンプ力)について着目した.実験の結果,疾走能力上位者は,プレス型およびスイング型ジャンプ力がともに高いことが示された.プレス型ジャンプ力は,垂直跳や立幅跳のパフォーマンスと強い関連を示した.スイング型ジャンプ力は,ドロップジャンプのパフォーマンスとより高い関連を示した.したがって,立五段跳パフォーマンスを高めるには,長い時間と短い時間で脚が発揮する力を向上させることが必要になる.本研究の知見は,疾走能力の改善に有益なものと考えられる.
著者
福留 和人 齋藤 淳
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,セメントの水和率が所要レベルに達するように合理的に養生計画を立案する手法を開発することを目的とする。養生条件がセメントの水和反応に及ぼす影響を解析的に予測する手法を開発するために,養生条件の影響に関する基礎データの取得および各種養生工法の養生効果を評価する実験を実施した。得られた結果を用いて,解析プログラムによる水和解析の検討を行い,養生条件がセメントの水和に及ぼす影響の評価手法を確立した。これらの結果の取りまとめを行い,「セメントの水和解析に基づくコンクリート構造物の養生計画の立案手法」の提案を行った。
著者
奥田 浩司 梶谷 崇
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

大正時代の日本において、デモクラシー運動が興隆する。その一方で、デモクラシーの思想は、朝鮮の知識人及び朝鮮人留学生に受け入れられている。朝鮮の知識人及び朝鮮人留学生は、雑誌・機関誌・新聞などの諸メディアを通して、デモクラシーの思想を紹介している。本研究では、朝鮮の知識人及び朝鮮人留学生のデモクラシー思想について、朝鮮語雑誌を中心に、調査・考察を行った
著者
村本 健一郎 谷口 健司 笠原 禎也 久保 守 鎌田 直人
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

近年,地球環境観測では,測定機器の数が増加し,また,各測定機器の解像度はより高くなり,また測定時間間隔は短くなり,様々な機器で測定されるデータの総量は大幅に増加した。良いデータ管理は,信頼できる結果の保証を与え,また膨大なデータセットの効率的な解析を可能にする。本研究では,地球環境データのための高い信頼性を有するデータの保存とアクセスが容易なデータベースを提案する。本データベースは地球環境データを活用する人に有益となることが期待される。
著者
田中 永美
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

近年、科学離れと同様に、ものづくり離れが社会問題となっている。ものづくり教育を推進するには、学生や若者が、それまでどのようなものづくりの環境に触れて育ってきているかが重要である。本研究の目的は、インストラクショナルデザインの手法を取り入れ、科学教育の入り口にある小学生を対象に、ものづくり体験教材を企画し、開発を行うことである。インストラクショナルデザインプロセスに基づき、以下のように、計画、実施した。(1)ニーズ調査・初期分析(Analyze)学習対象者を、石川県羽咋市少年少女発明クラブ(小学3~4年生対象、31名)とし、7月にアンケート調査を実施した。(アンケート回答者20名)小学理科での実験用工作がそのまま電子工作の経験となる事例が多かった。また、自宅で電子工作を行ったことがある児童は1名であった。実施希望の最も多かった光る工作について教材を企画、開発することにした。(2)設計(Design)、開発(Development)小学理科の電気の単元で学ぶ目標の一つである、電気の通り道が理解できることを本教材の学習目標とした。実施時期が12月中旬であったため、テーマを「クリスマス」とし、照明用として多用されるようになったLEDを取り上げることにした。(3)実装・実施(Implement)羽咋市少年少女発明クラブの12月月例活動として、ものづくり体験教室「クリスマス電子工作」を実施した。(平成21年12月19日(土)13時30分~15時30分、参加者25名)(4)評価(Evaluate)ものづくり体験教室を実施後、アンケート調査を実施した。設定した学習目標は96%が達成した。得られた経過と成果を、平成21年度実験実習技術研究会(平成22年3月5日:琉球大学)に発表した。平成22年12月18日に同様のものづくり体験教室を継続実施予定である。
著者
熊澤 栄二 堀内 美緒
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、潜在的に潜む地域特有の場所構造を基として修景・保存および地域景観形成の指針を明らかにし(基礎研究)、その研究成果を基として実際の景観整備手法の開発する(応用研究)ことを目的とする。申請研究では、基礎研究の第一段階として石川県能登半島最北端に位置する珠洲を事例とした場所構造の解明を目的とする研究を行った。第二段階として地域の祭礼の存続の可能性を明らかにするため各地区公民館でのヒアリング調査を行った。
著者
森田 義則 竹森 大輔 福田 寛 山村 徹
出版者
石川工業高等専門学校
雑誌
石川工業高等専門学校紀要 (ISSN:02866110)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.27-31, 2007-03-30

In this study, we propose a method of the detection of a hand region in real time. Now, most people have the opportunity to easily utilize a computer. However, some skills are required to operate the devices that we call a mouse and keyboard, the interface between a human being and a computer. Therefore a direct, more natural manmachine interface is demanded. Gesture recognition is an effective technique in conveying a message from a person to a computer. Therefore, we used an image processing technique so that a computer recognized hand movement. And the recognized hand movement is connected directly with the operation of a computer. By using MATLAB we developed software for hand region detection, classification of hand movement and computer operation. And by using FPGA we developed hardware that took an image in with a camera in real time. Results show that fourteen in twenty-one video images are able to detect hand movement. However, it is necessary to test it in a condition of the colors of many skins and a condition of background colors except blue.