著者
安積 典子 秋吉 博之 吉本 直弘 生田 享介 川上 雅弘 深澤 優子 萩原 憲二 種田 将嗣
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

小学校教員を志望する学生の大半はいわゆる文系型に属し,理科や科学の非専門家であるにも関わらず,教師就職後は理科の授業・実験を行わなければならない。そのために教員養成課程の理科教員は,理科に関する知識や関心が低い学生に対して,限られた時間で理科授業のための職能教育を行わねばならない。本研究では教員養成系大学に特有のこの課題を,科学の専門家と非専門家の間のコミュニケーションの視点から分析する。その結果を踏まえ,課題解決の手段として,小学校理科教員を目指す理科専攻以外の学生の文脈に沿った教科書コンテンツを作成する。
著者
松本 伸示 廣瀬 正見 秋吉 博之
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.55-61, 1990

本研究は,理科学習に於ける生徒の「やる気」の要因を同定しようとする基礎的研究である。そこで,まず「やる気」に影響を及ぼすであろう項目を抽出し,理科における「やる気」に関する調査票:QMSCを開発した。調査は,昭和63年11月,兵庫教育大学附属中学校3年生126名(男子74名,女子52名)を対象として行われた。調査票の信頼度係数は0.85であった。分析の結果,本調査票の43項目中の31のものが,「やる気」に彫響を及ぼしていることが認められた。そこで,この項目をさらに因子分析にかけたところ5つの因子が抽出された。第I因子は「科学的興味」,第II因子は「科学的活動」,第II因子は「数学的作業」,第IV因子は「測定的作業」,第V因子は「内容不消化」の因子と解釈することができた。この内,第I,II因子はプラス側に,第III,IV因子はマイナス側に働くことが明らかになった。
著者
秋吉 博之 小椋(国正) 彩沙子 岩間 淳子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第5部門, 教科教育 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.11-21, 2015-09

平成10年改訂の学習指導要領で課題選択制とされた「人の誕生」と「魚の誕生」が,平成20年改訂の学習指導要領から必修になった。改訂に伴い,新旧教科書の内容にどのような変化が見られたかを,「人の誕生」に焦点を当てて調査・分析した。その結果,以下のことが明らかになった。小単元のページ数は全出版社で増えていた。卵の成長を示す「図・写真の数」は増える傾向が見られなかったが,図や写真を大きく表示することで,視覚的によりわかりやすく工夫したものと考えられる。「人の誕生」は,保健の学習内容と重なる部分が大きい。両者の学習内容の分析を行い,学習をより充実したものにすることが今後の課題となると考えられる。In the course of study revised in 1998, there was a choice of either the unit of "human birth" or "animal birth" in elementary school 5th grade of Science in Japan. After that, the unit "animal and human birth" became a compulsory unit in the course of study revised in 2008. In this study, we focused on "human birth"and analyzed what kind of change was seen in the contents of the old and the new textbooks of about 5 publishing companies with revision. The results of the study are as follows: The pages of this unit increased at all publishing companies. The number of photographs displaying the growth of the egg did not increase. The unit was devised more clearly visually, by displaying figures and photographs. "Human birth" has many parts overlapping with the learning contents of Health. These results indicate that it is necessary to analyze the learning contents of Science and Health, and should be improved further.