著者
管野 伸 力石 悟 秋山 佳春 徳田 正満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.134, pp.9-14, 1995-06-29
参考文献数
5

IECの基本イミュニティ規格のうち、定常正弦波(CW)を妨害波に用いた基本イミュニティ規格を、蓄積プログラム制御方式が主流である大型通信装置に対して、26〜80MHz帯において、複数の強度妨害を用いて、障害発生周波数の試験法依存性及び妨害強度依存性、障害発生の妨害印加時間依存性、障害検出周波数の帯域幅、及び障害検出の妨害波周波数掃引率(スイープレート)依存性を評価した。その結果、妨害強度が高い程広い周波数範囲で障害検出されること。放射イミュニティ試験と伝導イミュンティ試験の結果は同等とはならない事、妨害発生周波数の帯域幅は±1%程度であること、妨害印加時間は障害検出率に影響する事、スイープレートは低速ほど障害検出率が向上することを明かにした。
著者
下妻 陽介 下塩 義文 秋山 佳春 桑原 伸夫
出版者
社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.585-593, 2006-04-01
参考文献数
16
被引用文献数
3

電力線搬送通信(PLC)は家庭内の配電線を通信線としても利用するため,新たに通信線を配線する必要がないといった利点があるが,通信目的として設計されていない電力線を使用するため,他の通信-の影響を検討する必要がある.通信に影響を及ぼす経路としては放射,伝導,誘導によるものが考えられるが,本論文では,通信線に誘導したPLC信号が同じ周波数帯域を使用するVDSL通信へ与える影響について検討を行った.まず,電力線から通信線に誘導する電圧を,2対の平衡ケーブルの4導体とグラウンドを考慮した5導体からなる8ポート回路網モデルにより解析を行った.この解析モデルにより,伝送系の平衡度を変化させたときの近端クロストーク(VTR)を求め測定値と比較した結果,両者の傾向はほほ-敦し,解析によりVTRの評価が可能であることが分かった.次に,誘導したPLC信号がVDSL通信に与える影響を,スループットの劣化を尺度として評価を行った.その結果,通常の条件下においては影響がないこと,vTRの解析値,PLC及びADSLモデムの入出力信号レベル,干渉が発生するDU比(通信信号と妨害波の比)が既知であれば,干渉の発生をある程度予測することが可能であることが分かった.
著者
秋山 佳春 高谷 和宏 山根 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.530, pp.55-60, 2001-12-14
参考文献数
8
被引用文献数
4

2.4GHzのISM帯を用いた短距離無線通信方式であるBluetoothに関して、同じ2.4GHz帯を使用する無線LAN(IEEE802.11b準拠)による干渉特性を、実際の機器を用いた測定及び信号処理解析ツールを用いたシミュレーショオン等により評価した。その結果Bluetooth及び無線LANともに1対1通信系とすると、干渉源が直接拡散方式無線LANの場合、D/U(希望波と干渉波の平均電力比)が-10dB以上においてビットエラーレート(BER)はほぼ10^<-3>以下であった。これはBluetoothの所要伝送品質(BER=1×10^<-3>)を満たしており、スループットは劣化しないことがわかった。一方、干渉源が周波数ホッピング方式無線LANの場合も、BERの測定値及び計算値は1×10^<-3>未満であり、Bluetoothの所要伝送品質を満たすためスループットは劣化しないことがわかった。
著者
菅野 伸 平澤 徳仁 秋山 佳春
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.335, pp.13-17, 2011-12-09

現在、国際無線障害特別委員会(CISPR)において、照明器具の放射妨害波測定(30MHz〜300MHz)の代替として、CDNE (Coupling and Decoupling Network for Emission)を用いた伝導妨害波測定(CDNE法)を適用することが検討されている。世の中の省エネ要求に後押しされ急速に市場導入が進むLED照明ではあるが、一方で、電波受信障害発生の報告例もあり、その要因である放射妨害波を再現性良く評価することは、非常に重要であると考えられる。そこで本報告では、LED電球4機種を供試装置とし、CDNE法とCISPR16-1-4に準拠したアンテナや測定設備を用いた放射妨害波測定法との比較を行い、両者の相関係数が0.22〜0.60と小さいことを示している。また、相関性が弱い要因の一つとして、電源ポートのインピーダンスの違いに着目し、その安定化による相関性改善について検討した結果を示している。