著者
科学技術・学術基盤調査研究室
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2013-08 (Released:2013-08-23)

「科学技術指標」は、我が国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき、体系的に把握するための基礎資料であり、科学技術活動を「研究開発費」、「研究開発人材」、「高等教育」、「研究開発のアウトプット」、「科学技術とイノベーション」の5つのカテゴリーに分類し、関連する多数の指標で我が国の状況を表している。今回の「科学技術指標2013」では、「研究開発のアウトプット」の構成を変更した。論文数のカウント方法の概念をより詳しく説明し、論文の質的観点から見たTop1%補正論文数についても新たに分析した。また、パテントファミリーを用いた特許出願数の国際比較を実施した。「科学技術とイノベーション」の章では、ミディアムハイテクノロジー産業の貿易額の推移といった指標を追加し、充実を図った。 今回の「科学技術指標2013」では、昨年版と比較して様々な指標で変化が見られた。近年、減少が続いていた日本の研究開発費総額は、前年度と比較して1.6%増加した。研究者の新規採用者数については、2009年をピークに減少し続けている。大学学部入学者、修士課程の入学者、博士課程入学者数は、いずれも2011、2012年度と連続して減少している。日本の論文数は、分数カウント法(論文の生産への貢献度)によると、世界第3位である。また、Top10%補正論文数は第6位であり、Top1%補正論文数では第7位である。また、各国の発明の数を国際比較するための指標であるパテントファミリーを用いた特許出願数では、日本は世界第1位である。