著者
稲本 陽子
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.903-911, 2022-09-18 (Released:2022-11-18)
参考文献数
31

摂食嚥下練習において嚥下手技,姿勢調整は,効率よく目標課題をめざすために不可欠な課題の難易度調整における重要な変数である.双方とも古くから臨床的に用いられているが,運動学的意味や効果のエビデンスは十分とはいえない.昨今,高解像度マノメトリーや嚥下CTの登場により運動解析が進み,主たる効果の理解が進んでいる.メンデルソン手技,努力嚥下では咽頭収縮に対する効果が明確となり咽頭クリアランスに有効な手技であることが示されてきている.姿勢調整では,頭部回旋は梨状窩の形態変化およびUES圧低下による咽頭クリアランスの効果,リクライニング位は重力に対する諸器官の運動調整による気道防御の効果が明らかとなっている.
著者
陣崎 雅弘 秋田 大宇 橋本 正弘 山田 稔 山田 祥岳 稲本 陽子 秋田 恵一 大竹 義人
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

これまでのCTは患者さんが仰向けに寝た臥位の静止撮影で、器質的疾患の定量・定性評価を担ってきた。それにより、生命予後の改善に貢献してきたが、動態である機能の定量・定性評価はほとんどできていなかった。現在は、超高齢化社会であり、生命予後と同時に健康長寿であることもとても重要である。我々は、立位や座位での4次元画像が可能なCT(立位/座位CT)を開発した。これを用いて、健康長寿に必須である嚥下機能・排尿機能・歩行機能を健常人および患者さんにおいて3次元・4次元的に解明し、機能障害の機序と重症度分類、機能改善の指標になる所見を明らかにしていきたい。