著者
花岡 伸也 稲村 肇 田澤 光治
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-11, 2000 (Released:2009-04-07)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

This paper aims to clarify which characteristics influence the number of urban park visitors. The study employs a residual analysis as a heuristic approach, which is a useful approach to choose explanatory variables effectively. In fact these characteristics are difficult to identify among numerous related variables, and a big residual value may involve the significant factor. The results reveal five major factors to have influences on the number of park visitors in concern: 1) population living in park's service distance; 2) volume of tall trees; 3) number of simple amusement equipment/facilities; 4) width of streets facing to a park; and 5) park elevation relative to surrounding road level. In addition, it was found that a block park has a service distance of 250 to 350 meters.
著者
塩田 彩夏 森地 茂 稲村 肇 日比野 直彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00033, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
21

アジア諸外国において都市鉄道整備が活発化している.政府の財源不足からPPP事業による整備が採用され,沿線開発事業による内部補助を志向してきたが,その多くは経営破綻し政府が対応を迫られてきた.本研究の目的は,正確な土地利用データがない発展途上国でも都市開発の進展を把握できる方法を確立し,それを用いて鉄道整備と沿線開発の関連性を分析し,アジアの鉄道建設意思決定者にその知見を提供することである.バンコクを対象地域として,衛星写真による開発の詳細な変遷とNDVIの時系列変化を比較し,NDVIが広域開発に関する評価手法として適当なことを確認した.この手法を用いて,バンコクでは中心から20~30km四方で特に開発が活発化していること,MRTパープルライン沿線の開発が顕著なことが明らかになった.
著者
稲村 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00028, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
19

本研究は東日本大震災による津波被災世帯の居住地移動(2007年-2020年)を電話帳に基づく追跡で明らかにした.主たる結論は以下の通り.1)対象とした岩手県・宮城県の被災10市町から両県の主要9都市への転出人口シェアは57%を超えている.2)分析対象はNTT電話帳登録者,被災10都市98,991世帯及び主要都市320,678世帯である.電話登録率は2012年で世帯数比61.5%,2019年は46.9%である.現住所が判明したのは74.7%,74,000世帯,うち転居者は39.2%,38,800世帯であった.転居者の35.7%,13,986世帯の住所が明らかとなった.これの旧居住者に対する比率は14.0%である.3)同姓同名による複数マッチングは3,800世帯の約半分1,831世帯となっている.本研究で対象とした登録者と新旧居住地の住所はデータベースとして保管されている.
著者
青木 俊明 稲村 肇 中川 隆
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.231-238, 1999-09-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

本研究は産業構造と人口移動との関連と人口増加に大きな影響を及ぼす産業構造を明らかにすることを目的としている. FSM法という構造化手法を用いて, 人口成長状態の異なる地域毎に産業の構造化を行った. その結果を地域間・時系列比較を行うことにより, 人口増加に影響を及ぼす産業構造について検討した. 産業構造の分析において, 商業・サービス業及び産業構造の複雑さといった点に注目した. その結果, 1) 商業またはその他サービス中心の産業構造, 及び, 2) 一定以上の規模と複雑なネットワークを有する産業構造であること, が社会増加を促す産業構造であったことが分かった.
著者
津田 栄治 稲村 肇
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.265-272, 1999-09-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究は, 行政機関の移転が周辺地域の都市機能立地に与える影響を実証的に分析することにより, それに随伴して移転する都市機能を抽出することを目的としている.行政機関の移転実例として, 山形県庁に着目し, 周辺地域の都市機能立地変化を固有名詞ベースで調査し, さらに県庁来庁者の特性を把握するためのアンケート調査を行うことにより, その影響を検討した.その結果, 県庁移転直後に, 政党県本部, 外郭団体が, 次に大手建設会社, 保険会社, 建設コンサルタント, 新聞 (建設業界新聞), そしてある程度の都市規模に達した時点で事業サービスが立地すること, その中で新聞 (建設業界新聞), 外郭団体, 事業サービス, 金融・保険・不動産, 大手建設会社の順に県庁随伴移転可能性が高いことが分かった.
著者
具 滋永 メオル・アジズ オスマン 稲村 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.737-746, 1997

従来, フィーダーコンテナ貨物需要予測はGDPの成長を基礎とした回帰分析を中心とし, 様々な方法が提案されてきた.しかし, これらの方法はいずれも国際競争を明示的に考慮できないという明らかな欠点を持っている.本研究は貨物量, 輸送運賃, 港湾料金といったフィーダー貨物の取扱量を決定づける変数間の関係を非線形の多次元曲面として捉え, この問題を解決している.モデルの信頼性は統計量によって検定された.モデルによる推計結果は韓国の港湾計画とそこで使用された推計値と比較され, その有用性を確かめている.