著者
服部 泰直 木村 真琴 山内 貴光 立木 秀樹 横井 勝弥 松橋 英市 CHATYRKO Vitalij
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では主に計算理論へのトポロジーの応用と距離空間における次元の解析とその応用に関する研究を行った。前者においては、距離空間の計算モデルである形式的球体のドメインのMartin位相に関する研究から示唆された実数直線上のSorgenfrey型位相τ(A)の解析を行い、τ(A)がSorgenfrey位相自身と同相となる必要条件等を得た。また、図形のデジタル化におけるモデル空間であるKhalimski空間の部分空間に対するn次元性の表現を求めた。後者においては、帰納的次元のHurewicz形式と超限分離次元の振る舞い、及び種々定義されてきた小帰納的次元の統一的定義の提唱とそれらの相関関係を調べた。
著者
立木 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.954-962, 1993-05-15

最近、Common Lispにオブジェクト指向の機能を付け加えた言語CLOSが広まりつつある。CLOSでは、総称関数を用いて、オブジェクト指向のメッセージ送信を一種の関数呼び出しとして実現している。しかし、CLOSの総称関数は、Lispの関数とは別物であり、Lispの基礎に存在する関数型言語の計算機構を総称関数に拡張しているわけではない。そのためには、λ計算がLispの理論的墓礎であるのと同様、総称関数を関数とする形式計算を考える必要がある、本論文では、そのような形式計算として、レコードとマージ・オペレータを型つきλ計算に付け加えた計算λmを提案する。λmは、総称関数の動作を関数型言語の枠組でモデル化している。λmのレコードはCLOSのオブジェクトに、関数は総称関数に対応する。レコードのマージはレコードの結合に、関数のマージはCLOSのメソッド融合に対応している。λmは、簡約による型の保存等形式計算としてよい性質を持ち、表示的意昧がドメイン上で構成可能である。その際、マージは上限操作として意味が付けられる。