1 0 0 0 OA ICG副作用の3例

著者
河内 正男 杉本 裕之 富江 鋭毅 安斉 勝行 花田 英輔 斉藤 達也 小笠原 寛 栗原 稔 矢嶋 輝久 竹内 治男 八田 善夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.437-441, 1987-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ICGは安全性が高く, おもに肝機能検査として臨床に汎用されている.しかし副作用は皆無ではなく, 強いショック例や死亡例も存在する.今回我々は当科および関連施設において過去8年間に経験したICG副作用例を検索した.ICG検査施行2, 753例中, 死亡例は認められなかったが, 明らかにICGと関連した副作用症例が3例 (0.11%) 存在した.第1例は43歳男性, ヨード過敏症不明.ICG静注後1分30秒でショック症状出現, 心停止, 呼吸停止したが, 蘇生術で救命し得た.第2例は55歳女性, 診断は慢性肝炎, ICG静注後1分で血圧低下, 悪心, 嘔吐出現し, 抗ショック療法で改善した.本例はヨード過敏症を有していた.第3例は59歳女性, 診断は肝硬変症で, ヨード過敏症は認めない.ICG静注後より悪心, 悪寒を訴えたが, 安静のみで消失した.ICGの副作用は軽症例を含めると全国で100例以上の報告を数えるが, このうちショック症状を呈したものは20例以下で, 死亡例は5例である.副作用発現頻度は施設によりばらつきがあるが, 0.05~0.3%である.ICGには微量ながらヨードが含まれており, ヨード過敏反応による場合も多いとされているが, ヨードテスト陰性例においても, また, 薬剤その他のアレルギーの既往の無い例も数多く報告されている.ICGによる副作用は稀ではあるが, 死亡例も存在することから, 術前, 術中の細心の注意が必要であることを再認識する意味で, 若干の考察を加え報告した.
著者
安斎 勝行 竹内 治男 青木 明 八田 善夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.493-499, 1991-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
15

原発性肝細胞癌 (肝癌) を中心とした各種疾患において血中PIVKA-II (protein induced by vitamin K absence or antagonist-II) 濃度を測定し, その臨床的意義について検討した.肝癌におけるPIVKA-IIの陽性率は56.1%で, α-fetoprotein (AFP) の73.7%に比して低値であった.しかし他の疾患での陽性率は極めて低く, PIVKA-II陽性症例の91%が肝癌であった.PIVKA-IIはAFPとは相関せず, 両者を組み合わせることにより肝癌の診断率は向上した.またAFP非産生肝癌の26.7%にPIVKA-IIが陽性を示した.以上よりPIVKA-IIは肝癌に特異性の高い腫瘍マーカーであり, 肝癌のスクリーニング検査に不可欠であると考えられた.一方PIVKA-IIは, ある程度進行した症例に陽性となる傾向がみられ, 肝癌の早期診断のマーカーとしては限界があると考えられた.PIVKA-IIは肝癌治療によって低下することから治療効果判定や経過観察のモニタリングの指標として応用され得るものと考えられ, とくにAFP非産生肝癌には有用と思われた.PIVKA-IIはビタミンKの投与により低下することから, 判定に際してはこの点を留意する必要があると考えられた.
著者
竹内 治男 島村 秀樹 岡嶋 雅夫 宮田 兼吉 佐治 篤
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.70, pp.1-8, 1991-07-22

過去数回の大地震を経験してきた日本の首都東京は、近年の人口過密やオープンスペースの不足から、災害に弱い都市として潜在的な危険を持ち合わせている。都民の生活と財産を守り、都市機能を維持して行く使命を持つ都は、本庁舎の移転に合わせて、防災活動の指令塔としての「防災センター」を設置し、さらにセンター機能を支援するために防災情報システムを開発した。このシステムの一部である地図情報システムにARC/INFOが採用され、災害時の応急対策の立案支援を行っている。この報告では、災害に関する情報の地図の展開を交えて、開発された地図情報システムの概要を紹介する。Tokyo, the capital of Japan, has been experienced several serious earthquakes in the past. With the mission of protecting the lives and assets of the people, and the smooth operation of the city; "Disaster Prevention Center" was established. This function as a control tower for disaster prevention activities and is supported by a specially designed Disaster information System. Map Information System, which is a part of the system, adopts ARC/INFO to support the dicision-making process for emergency procedures against disasters. This report illustrates the general idea of the newly-developed Map information System and how it develops disaster related information into maps.