著者
石田 開 鈴木 啓太 花田 英輔 廣瀬 稔
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.324-331, 2017 (Released:2017-08-02)
参考文献数
14

Light Emitting Diode (LED) lamps have become widespread in the clinical settings. However, electromagnetic noise from LED lamps could be problematic. In hospitals, the reception level of signals from medical telemeters might decrease after replacing traditional lighting with LED lamps. To investigate the effects of noise radiated from LED lamps on medical telemeters, we measured the electric field intensity of 34 types of LED lamps. Many of them emit 400 MHz band noise, and some types of LED lamps had increased floor level noise of 30 dB. We also observed artifact noises on electrocardiogram and respiratory waveforms when an LED lamp was placed next to the patient monitor. This effect was observed only when a medical telemeterʼs transmitter and a LED lamp were placed quite close. When approximately 50 cm apart, patient monitorsʼ signals were received normally. In hospitals, AC power supply cables and lamps are often placed near transmission cables, including leaky coaxial cables (LCX), as antenna of the patient monitors. To prevent interference with medical telemeters, selecting low noise LED lamps and maintaining sufficient separation between LED lamps and receiving antennas or LCX is necessary.
著者
廣瀬 昌博 花田 英輔 竹村 匡正 吉原 博幸 今中 雄一 岡本 和也 中林 愛恵 本田 順一 江上 廣一 津田 佳彦
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

各医療機関には膨大なインシデントレポートデータが蓄積されているが、インシデントによって発生するあらたな医療費、とくにその多くを占める転倒・転落事例とともに一般事例についても追加的医療費を算出するとともに疫学的側面を明らかにすることができた。また、機械学習法を繰り返すことで、インシデントレポートの自動分類や最適に分類される精緻化が可能であることが分かった。

1 0 0 0 OA ICG副作用の3例

著者
河内 正男 杉本 裕之 富江 鋭毅 安斉 勝行 花田 英輔 斉藤 達也 小笠原 寛 栗原 稔 矢嶋 輝久 竹内 治男 八田 善夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.437-441, 1987-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ICGは安全性が高く, おもに肝機能検査として臨床に汎用されている.しかし副作用は皆無ではなく, 強いショック例や死亡例も存在する.今回我々は当科および関連施設において過去8年間に経験したICG副作用例を検索した.ICG検査施行2, 753例中, 死亡例は認められなかったが, 明らかにICGと関連した副作用症例が3例 (0.11%) 存在した.第1例は43歳男性, ヨード過敏症不明.ICG静注後1分30秒でショック症状出現, 心停止, 呼吸停止したが, 蘇生術で救命し得た.第2例は55歳女性, 診断は慢性肝炎, ICG静注後1分で血圧低下, 悪心, 嘔吐出現し, 抗ショック療法で改善した.本例はヨード過敏症を有していた.第3例は59歳女性, 診断は肝硬変症で, ヨード過敏症は認めない.ICG静注後より悪心, 悪寒を訴えたが, 安静のみで消失した.ICGの副作用は軽症例を含めると全国で100例以上の報告を数えるが, このうちショック症状を呈したものは20例以下で, 死亡例は5例である.副作用発現頻度は施設によりばらつきがあるが, 0.05~0.3%である.ICGには微量ながらヨードが含まれており, ヨード過敏反応による場合も多いとされているが, ヨードテスト陰性例においても, また, 薬剤その他のアレルギーの既往の無い例も数多く報告されている.ICGによる副作用は稀ではあるが, 死亡例も存在することから, 術前, 術中の細心の注意が必要であることを再認識する意味で, 若干の考察を加え報告した.
著者
花田 英輔 工藤 孝人 高杉 紳一郎 加納 隆
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.239-247, 2006-03-03
参考文献数
21
被引用文献数
1

携帯電話は高い普及率を示しているが,一方で一律に電源断を求めている医療機関もまだ多い.患者や訪問者は医用電子機器,特に人工心臓ペースメーカに対する影響に関する情報が広く知られていることからそれに従っているが,中長期にわたって入院する患者にとっては通信手段の途絶を意味することから患者の心理面での負担になっている場合も見受けられる.<br/> 本稿では,患者サービスの面から要望が強いが,これまでその安全性に関する情報不足から医療機関における使用の是非の判断が行われてこなかった携帯電話について,具体的な解禁例およびこれまでに得られた知見から,安全な導入に向けた注意点と手法を示す.
著者
花田 英輔 工藤 孝人 高杉 紳一郎 加納 隆
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.239-247, 2005 (Released:2015-07-17)
参考文献数
20

携帯電話は高い普及率を示しているが,一方で一律に電源断を求めている医療機関もまだ多い.患者や訪問者は医用電子機器,特に人工心臓ペースメーカに対する影響に関する情報が広く知られていることからそれに従っているが,中長期にわたって入院する患者にとっては通信手段の途絶を意味することから患者の心理面での負担になっている場合も見受けられる. 本稿では,患者サービスの面から要望が強いが,これまでその安全性に関する情報不足から医療機関における使用の是非の判断が行われてこなかった携帯電話について,具体的な解禁例およびこれまでに得られた知見から,安全な導入に向けた注意点と手法を示す.
著者
石川 澄 奥原 義保 合地 明 木村 映善 津久間 秀彦 田中 武志 岩田 則和 石田 博 横井 英人 森川 富昭 花田 英輔 原 量宏 井上 裕二 太田 吉夫 岡田 宏基 森口 博基 石原 謙 近藤 博史 北添 康弘 畠山 豊 渡部 輝明 中島 典昭 栗原 幸男 片岡 浩巳 岩崎 泰昌 野々村 辰彦 園田 武治 中野 直樹 稲岡 則子 堀 信浩
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

現在の医療記録の電子化は記録を利用することを軽視していないか?電子医療記録の利用ができない、あるいは利用がしにくい要因を分析した結果、患者の診断・治療と評価のために蓄えられる情報の信憑性に問題があるのではないかと仮定した。年2回のワークショップに於ける議論や日本医療機能評価機構の情報機器・IT化部会の協力で行ったアンケート評価に基づき、情報の信憑性を阻害する因子をソフト的、ハード的、および人為的要因に分けて分析した。更に分析結果から「患者がどのようになったら良いのか」という医療のゴールに向かって診療と治療が行われる過程で「記録」にどのような要件と問題点が存在するかを検討した。結果、電子医療記録の信憑性を阻害する要因は、次の4段階の構造モデルに分類された。すなわち、データレベルにおける「正確性」と「連続性」の確保を基盤とすること、データを系統別に分け長期にわたり視認できる「通覧性」を確保すること、そして目標達成にむけてその道筋を誰もが理解できる形で表現して「物語性」を確保すること、である。そしてモデルの各段階におけるソフト、ハード面、および人為的に複合する解決策の提案を行った。
著者
花田 英輔 工藤 孝人
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は、医療における総合的な電磁環境を構成するべき要素のうち、電源重畳ノイズ、接地および放射電磁界シミュレーションに重点を置いて研究をすすめた。また、これまでの研究成果を2つの国際学会を含む多くの学会で口頭もしくはポスターにて発表した。(医療現場における電磁環境の総合的な調査:電源ノイズ)IT化が進む医療機関における電源供給のあり方として、医療機器とその他という目的を明確にした供給体制と、JIS規格(JIS T 1022)に則ったコンセント区分および非常電源のあり方についてまとめ、解説論文として報告した。(医療現場における電磁環境の総合的な調査:接地)電気で駆動する医療機器は、接地が不良となった場合には動作が不安定となり、特に微小信号を取り扱う検査機器にあっては正しい検査結果が得られない場合がある。そこでJIS規格等で定められた病院接地(C種)を作成し、理想的接地(抵抗値10Ω内)および不良接地を人工的に作成し、その簡便な判別方法及び影響について調べた。この結果は平成20年度に報告の予定である。(電磁環境シミュレーションの開発と実証試験)これまで2次元空間で行ってきた放射電磁界の分布シミュレーションを3次元空間に拡張することを目指し、プログラムを改良した。応用例の1つとして、MRI室用電磁波シールドサッシの特性評価に関するシミュレーションを行った。この結果は平成20年度に発表の予定である。
著者
花田 英輔 工藤 孝人
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

マイクロ波治療器などの医療機器が発する電磁界を明らかにするとともに、医療機器使用環境としての電源と接地が不適切な場合に起こり得る現象を明らかにした。同時に電磁界の測定により医療機器の使用状況と使用電源の接地の状態を把握する機器を試作した。また医療現場においても無線LANを安全に使用可能であることを示し、その導入手順の草案を作成した。この他、医療現場の電磁環境改善を実施した。電磁界伝搬シミュレーションの精度向上を図った。