著者
白浜 龍興 大庭 健一 岸本 幸次 山田 省一 佐藤 亮五 中野 真 加藤 雅士 古川 一雄 長谷川 和子 村越 明子 箱崎 幸也 真方 良彦 中川 克也
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.881-890_1, 1988

著者らは昭和53年より厳しい環境の下で行われる,いわゆるレンジャー訓練の前後に上部消化管内視鏡検査を施行し,上部消化管に急性病変が認められることを経験している.9年間のレンジャー訓練生421名中,胃潰瘍36例(8.5%),十二指腸潰瘍25例(5.9%),胃十二指腸潰瘍5例(1.2%)を認めた,これらのうち急性胃潰瘍41例(5例は十二指腸潰瘍と併存)について検討した.単発30例(73.2%),多発11例(26.8%)で62病変であった.62病変のうち胃角小彎に29病変(46.8%)が認められた.内視鏡的経過観察をみると治癒に8週以上を要した治癒遷延例は6例(14.5%)で胃角小彎の潰瘍が4例,胃角部と胃体部の多発性潰瘍1例,胃角部から胃体部の帯状潰瘍が1例であった.この6例中4例が再発(同部位再発,再発誘因は演習)し,うち2例が慢性潰瘍化したと考えられた.
著者
松本 俊治 細川 義則 阿部 寛 松森 英明 松崎 勝寛 箱崎 幸也 植草 利公 石岡 知憲 桑原 紀之 福田 芳郎 出口 英一 新井 健男 宮野 武 駿河 敬次郎 石川 浩
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.442-451, 1986-04-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
12
被引用文献数
1

先天性胆道疾患(先天性胆道閉鎖症14例,先天性総胆管拡張症5例,Alagille症候群1例)の肝内γ-glutamyl transpeptidase(γ-GTP)を組織化学的に検討し,血清γ-GTP値と比較した結果,胆管閉塞時の血清γ-GTP上昇には,肝小葉内γ-GTP活性増加と著明な胆管増殖が関係する事がわかった.肝内γ-GTPの電顕的検討を,先天性胆道閉鎖症3例,肝外胆管閉塞ラットで行い,胆管閉塞時の肝内γ-GTPの超微形態的局在状態を初めて明らかにした.胆管閉塞時,肝小葉内では,γ-GTPの増加した毛細胆管,肝細胞において,γ-GTPの毛細胆管腔,Disse腔への流出が起り,グリソン鞘では,γ-GTPの増加した増殖胆管で,γ-GTPの内腔への流出,増殖胆管周囲小血管への流出が起る事を示唆する所見も得られた.