著者
瀧 健治 有吉 孝一 堺 淳 石川 浩史 中嶋 一寿 遠藤 容子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.753-760, 2014-12-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
13

マムシ咬傷は一般に広く知られているが,全国での発生件数やその治療法は今なお不明確である。目的:本邦のマムシ咬傷の治療法を含む現況を検討する。方法:全国の二次・三次救急病院9,433施設に調査票を郵送し,2007年4月から10月までのマムシ咬傷症例について,発生状況,治療内容,転帰などを調査した。回答率47.2% 975症例のうち,詳細な回答が得られた178症例(18.1%)を分析対象とした。結果・考察:受傷時に応急処置をして,できるだけ早く受診することがすすめられた。治療法は施設によってさまざまであるが,セファランチン®と抗マムシ血清の投与の有無で咬傷による腫脹,腫脹のピークに至る日数,入院日数に差はなかった。しかし,受傷時の安静の必要性はなく,むしろ応急処置や初期治療の必要性が明らかとなった。結語:全国調査でマムシ咬傷の治療法に再考が必要と示唆された。
著者
石川 敏三 仲西 修 掛田 崇寛 山本 美佐 古川 昭栄 伊吹 京秀 徳田 信子 石川 浩三 鈴木 秀典
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

慢性疼痛はしばしば不安や鬱を併発し、極めて難治性である。そこで、痛覚ー情動系における分子メカニズムを解明し、また神経栄養因子(BDNF)治療応用について検討した。その結果、前帯状回や脳幹部(網様体)におけるモノアミン変調に随伴したBDNFの機能低下が慢性疼痛や気分障害に関連すること、またカテーコール化合物や磁気治療の有用性が判明した。慢性疼痛の治療法に新たな指針を提唱するものと考えられる。
著者
周 潔瑩 坪井 哲也 長谷川 大輔 石川 浩司 木村 恵介 田中 未来 大関 和典 繁野 麻衣子
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2018-MPS-117, no.4, pp.1-6, 2018-02-22

レストランの顧客満足度は,料理の品質だけではなく,料理提供の順序とタイミングにも強く関係している.料理の品質は,料理ごとに定められている調理手順に従うことで維持できるが,料理提供の順序やタイミングは,注文された複数料理の組み合わせにより,各々の調理手順を組み立てなければならない.本研究では,調理手順を組み立てるスケジューリング問題を扱う.まず,スケジュールを行う調理手順を簡素化したモデルを作成し,提供までの時間とグループ客への同時提供を重視したルールを提案する.そして,評価実験により提案したルールを比較し,ルールの有効性と結果にもたらす影響を考察する.
著者
河内谷清久仁 石川 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1431-1439, 1998-05-15
被引用文献数
6

PDAに代表される超小型の携帯情報機器が数多く登場してきている.このような機器では,電車やバスの中で立ったまま,もしくは歩きながらでも簡単に情報にアクセスできるような操作性が重要である.しかし,携帯情報機器の操作では,画面が小さい,画面を注視できない,片手しか使えない場合もある等の様々な制約がある.そのため,このような環境で情報へのアクセスを快適に行うには,入力デバイスも含めた操作方式に対する工夫が必要となる.本論文ではまず,このような携帯環境での情報ブラウジングで求められる要件について述べ,従来の操作方式の比較検討を行う.次に,これらを考慮した新しい入力デバイスである「NaviPoint」を紹介する.NaviPointは,携帯情報ブラウジングに特化した入力デバイスで,「アナログ入力」「クリック入力」の3種類の入力操作を指1本で行うことができる.これにより,メニュー選択やハイパーメディア・ブラウジング等の操作が指1本で可能となる.本論文ではNaviPointの構造と定性的な評価に加え,試作したプロトタイプの構造についても述べる.プロトタイプを用いた評価実験の結果,従来のマウスとスクロールバーを用いた操作方式と比べても,1.5倍以内のオーバヘッドでハイパーメディア・ブラウジングが行えることが分かった.A mobile computing environment imposes various restrictions on users.For example,most mobile devices have a limited screen size,and it may be difficult to watch the screen closely.While the user is walking or standing in a bus or train,he or she may have only one hand free to manipulate the device.Therefore,some new operation method must be developed for comfortable information browsing in the mobile environment.In this paper,several existing methods are first introduced and compared from the viewpoint of their applicability in a mobile environment.A new input device for such an environment,named "NaviPoint,"is then introduced.The NaviPoint is a specialized device for mobile information browsing.By using this device,a user can perform three types of input-"analog input,""digital input," and "click input,"-with just one finger.After an explanation of the conceptual structure and a qualitative analysis of the NaviPoint,the structure of a prototype is described.Experiments using the prototype show that information browsing is possible with an overhead of less than 50% on the usual "mouse and scroll bar" method.
著者
石川 浩 吉田 宏 岡崎 俊吾 富岡 寿男
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.26-32, 1980-06-15 (Released:2013-04-26)

香港地下鉄海底トンネルは, 香港島と九竜を結ぶ長さ1400mの沈埋トンネルで, 日本の建設会社による外国での最初の沈埋トンネル工事として施工された。本工事の特色は, (1) 14本のポストテンション式プレストレストコンクリート造沈埋凾 (幅13.1m, 高さ6.5m, 長さ100m, 排水量7800t) による, (2) 半径2800mの曲線眼鏡型トンネルで, (3) 両端の沈埋凾に換気塔ケーソンを水中水平接合していること, などである。
著者
松永 敦夫 石川 浩
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.265-270, 2014-07-01 (Released:2017-04-13)

今日,主要国特許庁から特許公報の全文がデータベースとして提供されている。このデータベースを自らサーチし,また必要に応じ審査経過情報にもアクセスして,誰もが関連する特許情報を取得することが可能になっている。特許情報の科学技術情報としての利用促進は,特許制度の要である。しかしながら,特許明細書は,出願人が特定の意図をもって技術情報を開示するものであり,また,玉石混交であることから,その利用には注意を要する。特許情報の利用者は,特許制度を良く知り,また技術分野毎の戦略のパターンを知って,特許情報を評価することが重要である。小論では医薬品に関する特許情報の評価や利用例を中心に紹介する。
著者
石川 浩康 宮原 信哉 吉澤 善男
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.452-461, 2008 (Released:2012-03-02)
参考文献数
7

Supercritical carbon dioxide (CO2) is being investigated as a material for a secondary cooling system of sodium (Na)-cooled fast reactor to avoid Na/water reaction. In this type of reactor, however, it is necessary to consider the consequences of Na/CO2 reaction, which might occur in the case of tube rupture in a heat exchanger between primary and secondary systems. Experiments were carried out with test equipment for the Na/CO2 reaction, which can handle 1-5 g order of Na and measure temperatures using thermocouples. The solid products of the Na/CO2 reaction sampled from the equipment were analyzed by X-ray diffraction (XRD) and chemical analysis. The parts of exhaust gases were analyzed by gas chromatography. From these experimental results, we proved that the reaction proceeded between liquid Na and CO2. The Na/CO2 reaction stopped only the pool surface reaction with a small quantity of aerosol emission when the initial temperature of Na was lower than 570°C. On the other hand, the reaction continuously proceeded with an orange-colored flame and aerosol release when the Na initial temperature was higher than 580°C, and the reaction products expanded to the margin of the Na pool tray.
著者
石川 浩太郎 吉村 豪兼 西尾 信哉 宇佐美 真一
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.142-147, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
8

アッシャー症候群は聴覚・視覚の重複障害のため,コミュニケーション障害を生じる疾患である.アッシャー症候群について,これまで厚生労働科学研究補助金(難治性疾患研究事業)において研究が進められており,現在は難治性聴覚障害に関する調査研究班が担当して研究が行われている.アッシャー症候群は感音難聴と網膜色素変性症のそれぞれの症状の程度とその発症時期によって3つのタイプに分類されている.しかし臨床的な診断には限界があり,遺伝学的検査が確定診断の手助けとなっている.2020年3月31日現在で,204例が全国から登録され,先天性難聴を有し,網膜色素変性症の発症年齢は,10歳未満および10歳代の発症が多く見られた.原因遺伝子はタイプ1ではMYO7A遺伝子とCDH23遺伝子が,タイプ2ではUSH2A遺伝子が多数を占めた.同じ原因遺伝子でも,聴力型にバリエーションが見られることが確認され,原因遺伝子検索の重要性が示唆された.
著者
石川 浩次 溝口 昭二 大鹿 明文
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.51, pp.52-66, 1998-03-24
参考文献数
7
被引用文献数
1

1995年兵庫県南部地震は六甲山南麓の平野市街地の建築物に多大の被害をもたらした。筆者らは, 地震発生直後から建築物の被害調査を行い, 道路に囲まれた区域を調査単位として建物の倒壊率を求め, 気象庁震度階(JMA)を用いてその結果を震度(被害度)分布として表示した。この内, 木造家屋倒壊率50%以上で且つ鉄筋コンクリート建物の倒壊が多い区域を超震度7として表示した。その結果, 震度6以上の被害は, 幅1.5〜2.0 kmで, 神戸市から西宮市に到る長さ25 kmにわたって帯状(いわゆる"震災の帯"と称された)に分布し, 震度7以上の被害は, 神戸市長田区の後背低地, 中央区の三宮駅付近の旧生田川流域周辺及び東灘区〜灘区の住吉川, 石屋川流域の緩扇状地分布域に島状に分布することが分った。一方, 山側の丘陵地, 段丘や海岸平野の沖積低地では震度5で被害は小さかった。また, この"震災の帯"の中で, 大阪層群が分布する丘陵地に近いJR元町駅付近や, 現生田川流域付近の扇状地では被害は小さい傾向にあった。
著者
石川 浩
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.71-76, 2018-02-01 (Released:2018-02-01)

「国民一人ひとりが知財人材」を国は目指している。知財教育についての国の取り組みを最初に紹介し,次いで,知財教育をする側,受ける側に共通の考え方・心構えを紹介する。目指すべき知財専門人材は,知財の創造・保護・活用を推進できる者ということになるが,その入口は知財に興味を持ち続け,知財マインドを醸成することから始まる。その後に,企業の知財部門で行われている教育の一部状況を紹介する。そこで,特許出願業務,調査業務,知財経営について触れる。出願と調査は車の両輪業務であり,知財経営は知財情報の再構築から始まる。
著者
松永 敦夫 石川 浩
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.265-270, 2014-07-01

今日,主要国特許庁から特許公報の全文がデータベースとして提供されている。このデータベースを自らサーチし,また必要に応じ審査経過情報にもアクセスして,誰もが関連する特許情報を取得することが可能になっている。特許情報の科学技術情報としての利用促進は,特許制度の要である。しかしながら,特許明細書は,出願人が特定の意図をもって技術情報を開示するものであり,また,玉石混交であることから,その利用には注意を要する。特許情報の利用者は,特許制度を良く知り,また技術分野毎の戦略のパターンを知って,特許情報を評価することが重要である。小論では医薬品に関する特許情報の評価や利用例を中心に紹介する。
著者
石川 浩太郎
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.107-112, 2022-04-28 (Released:2022-05-24)
参考文献数
3

要旨: 耳鼻咽喉科医や言語聴覚士は, 聴覚障害者に対して身体障害者障害者福祉法に基づく聴覚障害の認定や障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度による補聴器の適合などで, これらの制度に関わる機会が多いが, 一方で制度について養成校や研修先で系統立てて指導を受けた経験は少ないと思われる。今回, 模擬症例を用いながら, これらの制度について基本を解説した。聴覚障害は平均聴力 (4分法) と最高語音明瞭度を基に6級, 4級, 3級, 2級に分けられている。症状固定の状態で診断する必要があり, 平均聴力の計算法や他覚的聴力検査 (ABR 検査など) の実施, 結果添付などに注意が必要である。一方, 補装具費支給制度では補聴器の種類や装用耳の選択に基本的なルールがあり, これに則って対応する必要がある。特例補装具の扱いや人工内耳音声信号処理装置の修理など, 常に情報を更新していく姿勢が必要である。
著者
谷本 敏夫 網島 貞男 石川 浩
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.28, no.304, pp.40-46, 1979-01-15
被引用文献数
2

Fatigue tests have been conducted to investigate the fatigue properties of various types of laminated composites and some statistically meaningful inference was drawn from these results. The materials used in the experiment were 4 different kinds of FRP laminates, satin woven FRP, plain woven FRP, roving woven FRP and SMC laminated FRP. Sufficient approach based on the Weibull distribution was applied to the test data to evaluate the dispersion in the fatigue life of the materials. The dependences of fatigue life and its dispersion on the applied stress level, specimen size and fiber content in the specimen were discussed. The test results showed a wider experimental scatter particularly at the life range of 10^5 to 10^6 cycles than that observed on conventional metallic material. Thus it is emphasized that a larger reduction of design life is necessary for FRP to assure the same level of confidence and reliability as other materials.
著者
山本 悟 西 光晴 佐々木 宏典 石川 浩三 安田 聖子 澄川 泰弘 岸下 裕輔 井田 唯香 吉田 充広 掛田 崇寛 石川 敏三
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.215-221, 2011-12-10 (Released:2013-03-16)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

We have newly developed a low-powered magnetic stimulator (MS) that is characterized by two different frequency modes: 2 kHz (low frequency) and 83 MHz (ultra-short wave). It is suggested that MS reduces rat neuropathic pain associated with the prevention of neuronal degeneration. However, little is known about certain mechanisms of MS, at least, applicable value of the analgesic approaches in clinical situation. Thus, we aimed to determine the analgesic effects of MS in human with shoulder stiffness. We recruited volunteers with shoulder stiffness (MS was applied once for 10 min.) and with acute pain (MS was applied once a day (10 min period) for 9 days. The trial study on analgesic effects in human of new magnetic therapeutic instrument (Angel Touch®) were examined. We examined safety of MS based on electrocardiographic testing and body surface temperature. By using the heart rate on the electrocardiogram, we used FFT analyzer to analyze low frequency components (LH: 0.05 - 0.15Hz) and high frequency components (HF: 0.15 - 0.45 Hz). Muscle shoulder stiffness has been improved by the continued irradiation without a thermal action. Based on the present study, we suggest that MS has beneficial analgesic effects in human, and that MS will be a useful approach to treatment for neurodegenerative disorder because it may relieve pain via improvement of functional modulation of pain-emotional system.
著者
菅 文美 丹下 明子 石川 浩樹 浦口 真喜 大平 英樹
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-16-00092, (Released:2017-03-21)
参考文献数
15

When infants are in their crawling stage, both mothers and infants experience difficulties while changing diapers. We evaluated the effects of pull-up type diaper on physical and psychological burden in comparison to the nappy-type diaper. Twenty-four mother-infant dyads participated in this study. According to the behavioral observation analysis, negative behaviors of mothers and infants while changing pull-up type diapers were significantly lesser than while changing the nappy-type. Pull-up type diapers took mothers 30% lesser time to change, while allowing infants more physical movements than the nappy-type. A spectral analysis of infants' heart rate variability showed that low-high frequency ratio and the change in normalized unit percentage (Nu%) were significantly lower when pull-up type diapers were changed. Negative emotion-related behaviors of both mothers and infants significantly correlated with change in Nu% of infants. Lower physical and psychological burden while changing diapers was associated with pull-up type diapers.
著者
柳川 洋一 柳田 茂樹 石川 浩史 大村 浩之 岡田 芳明
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.10, pp.669-672, 1996-10-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1

A 7-year-old boy accidentally swallowed a round fishing sinker (φ15mm). The sinker lead content was 99% or more. We could not introduce the sinker into his duodenum. The sinker was removed endoscopically 6 hours after the ingestion. The blood concentration of lead increased to 38.0μg/dl. This is the first report in which only 6hr retention of solid lead in the stomach elevated the blood lead concentration. Therefore, lead is a harmful metal even with only short term exposure. We recommend early evacuation or induction into the small intestine.