著者
篠原 秀一
出版者
秋田地理学会
雑誌
秋田地理
巻号頁・発行日
no.23, pp.12-21, 2003-03-01

東アジアにおけるサメ類の水穫資源としての多面的な利用を探る研究の一環として、香港におけるフカヒレ流通の地域性を概観する。統計資料を参考にしっつ、フカヒレ商業の中心地である上環・西営盤地域を野外調査の主要対象地域とした。原資料は、2001年12月と2002年9月から12月までの断続的な実質約10日間の地域調査によるC サメ類およびフカヒレに関する統計資料は実態把握率が低いと一般に言われるが、大まかな地域傾向を知る手かかりとした。
著者
篠原 秀一
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.117-125, 1994-12-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

本稿は,従来の諸研究と銚子における調査結果をもとに,日本における近代的な水産業の地理学的研究に対する1つの枠組みを提示した。日本における近代的な水産業は,地理学的には生産の根拠地である漁港を中心に発達してきた。特た,大規模な水揚漁港は,水産地域の中心であり,水産物の流通する空間における最も重要な結節地である。水産物の流通する空間,すなわち水産関連空間は,水揚げされる魚の流通経路の周辺に形成され,漁獲空間,水産物水揚げ・加工空間,水産物消費(市場)空間の3つの亜空間に大別される。この空間構成は,各魚種の単価,水揚量の規模および季節性,鮮魚であるか凍魚であるかなど,水産物の性格に強く依存する。銚子の場合,その水産関連空間の構造的な特徴は,漁業資源の季節性および周期性という限界性を,漁港とその周辺地域における水産関連の技術と設備の集積により克服してきた点にある。 本稿が示した水産業の関連空間モデルは,日本の研究事例を踏まえたものであるが,世界における近代的な水産業の基本的な空間構成を示すものとしても有効である。
著者
篠原 秀一
出版者
日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.792-811, 1989
被引用文献数
2

銚子における漁港漁業の発展を,資源基盤,水揚漁船の集中と近代化,漁港整備の各要素から検討した.銚子における漁獲物の水揚地である銚子漁港では, 1973年から1984年まで,マイワシ,マサバ,サンマといった多獲性大衆魚を主要魚種として水揚量が増加した.この水揚量の増加は,回遊魚であるマイワシ、マサバなどを漁獲する近海旋網漁船が全国各地から銚子沖の漁場に集中し,その大量の漁獲物を銚子漁港に水揚げしてきたためである.近海旋網漁船はその近代化により大量漁獲を可能にした.とくに,漁船の大型化,新装備の導入を伴う1そうまき操業の一般化,カラースキャンニングソナーと気象衛星NOAA情報受画装置を中心とする主要装備の体系化は,近海旋網漁船の生産性を向上させた.銚子漁港の本格的整備は,特定第3種漁港に指定された1960年以後で,水揚漁船の安全と大型化を保障し,近海旋網漁船によるマサバとマイワシの水揚量増加に対応していた.
著者
篠原 秀一
出版者
秋田大学
雑誌
秋田地理
巻号頁・発行日
vol.23, pp.12-21, 2003-03

東アジアにおけるサメ類の水穫資源としての多面的な利用を探る研究の一環として、香港におけるフカヒレ流通の地域性を概観する。統計資料を参考にしっつ、フカヒレ商業の中心地である上環・西営盤地域を野外調査の主要対象地域とした。原資料は、2001年12月と2002年9月から12月までの断続的な実質約10日間の地域調査によるC サメ類およびフカヒレに関する統計資料は実態把握率が低いと一般に言われるが、大まかな地域傾向を知る手かかりとした。