著者
間瀬 憲一 中野 敬介 仙石 正和 篠田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-134, 2001-02-01
被引用文献数
98

アドホックネットワークは基地局や有線網に依存せず, 移動端末を構成要素とする自律分散形のネットワークである.21世紀の情報通信基盤に不可欠な要素として, 発展が期待される.アドホックネットワークに特徴的な無線マルチホップ通信を実現するため, パケット無線方式と無線回線接続方式の利用が考えられる.無線マルチホップを用いて, 情報通信・情報流通を効率的に行うため, ルーチング, マルチキャスト, ブロードキャストに関する技術課題がある.会合等での効率的な情報交換, 地域情報の案内, 安全・快適なコミュニティ実現等, 様々な応用が期待される.
著者
田中 晢男 中野 敬介 仙石 正和 篠田 庄司
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2063-2072, 2002-12-01
参考文献数
9
被引用文献数
5

セルラ方式ではすべての通信が基地局を介して行われるが,端末が建物の陰のなどのデッドスポットに入った場合,基地局と通信することができなくなることがある.本論文では,このような場合に,別の端末がデッドスポットに入った端末と基地局との間の通信を中継するアドホックリレー方式を検討し,その通信トラヒック特性を表す理論式を導く.この理論式の計算例から,端末の通信能力が比較的小さな場合でも,アドホックな中継により呼損率が改善され,運ばれる呼量も改善できることを示す.また,シミュレーションにより中継が二段だけで十分な場合があることを示す.これは上記理論式により多段中継の場合の通信トラヒック特性を推定できることを意味すると考えられる.