著者
間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.796-800, 2006-09-01
参考文献数
6
被引用文献数
19

大規模災害時,既存の通信サービスが復旧するまでのつなぎの通信サービスを迅速に提供するため,被災地城において数km間隔,地上高50〜100mの上空に気球を打ち上げる.各気球にはノード,アンテナなどからなる簡易通信基地局をつり下げる.基地局間をアドホックネットワークで接続し,通信幹線を構成する.地上の簡易基地局は衛星通信機能を有し,インターネットと接続する.上空の基地局にカメラを取り付けることにより広範囲の撮影が可能になり,危険区域の撮影も容易である.災害状況の迅速把握,救助活動の円滑な推進,避難経路や避難所の指示,安否確認などに極めて有効となる.
著者
阪田 史郎 青木 秀憲 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.811-823, 2006-06-01
参考文献数
56
被引用文献数
54

インターネットや携帯電話網などの従来のネットワークにはない無線マルチホップの新しい形態で通信を行うアドホックネットワークは,ユビキタスシステムにおける重要なネットワークとして,特に1990年代末以降活発な研究がなされてきた.2003〜2004年にはユニキャストルーチングについて,IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET(Mobile Ad hoc NETwork) WGにおいて三つのプロトコルがExperimental RFCになり,現在Standard TrackのRFCに向けた作業が進展している.また,大規模なテストベッドの構築が進展し,実用化への期待が高まっている.本論文では,アドホックネットワークについて,これまでの研究,標準化の動向を述べた後,MAC層でのアドホック(無線マルチホップ)ネットワークの実現技術として,2004年5月に検討が開始されたIEEE802.11sにおける無線LANメッシュネットワークに関する標準化状況,研究内容,アドホックネットワークの今後の進展を展望する.
著者
間瀬 憲一 岡田 啓
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

「避難所通信システム」は、避難所間を無線メッシュネットワークや無線マルチホップネットワーク等で結び、インターネットに接続することにより避難所間及び避難所と被災地外との間でメッセージ交換が可能となるシステムである。2011年3月11日の東日本大震災発生に伴い、宮城県東松島市に、無線マルチホップネットワークを構築し、本システムにより実際にサービス提供を行った。本稿では、サービス構想とシステム開発、東松島でのネットワーク構築とサービス提供をまとめた。
著者
阪田 史郎 青木 秀憲 間瀬 憲一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J89-B, no.6, pp.811-823, 2006-06-01

インターネットや携帯電話網などの従来のネットワークにはない無線マルチホップの新しい形態で通信を行うアドホックネットワークは,ユビキタスシステムにおける重要なネットワークとして,特に1990年代末以降活発な研究がなされてきた.2003~2004年にはユニキャストルーチングについて,IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET(Mobile Ad hoc NETwork)WGにおいて三つのプロトコルがExperimental RFCになり,現在Standard TrackのRFCに向けた作業が進展している.また,大規模なテストベッドの構築が進展し,実用化への期待が高まっている.本論文では,アドホックネットワークについて,これまでの研究,標準化の動向を述べた後,MAC層でのアドホック(無線マルチホップ)ネットワークの実現技術として,2004年5月に検討が開始されたIEEE802.11sにおける無線LANメッシュネットワークに関する標準化状況,研究内容,アドホックネットワークの今後の進展を展望する.
著者
浅野 博文 橋本 陽介 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.14, pp.37-42, 2003-04-11

本論文では,ブルートゥースマルチホップ無線ネットワークの実験システムを構築し,データ配信に関して実験的な検討を行う.ネットワーク構築方法として,3通りの方法を考える. PAN(Personal Area Networking)プロファイルを用いて各端末をデータリンクレベルのブリッジとして動作させる場合,PAN Profileを用いて各端末をルータとして動作させる場合,LAN Access Profileを用いる場合である.実験のネットワーク構成は,マスター/スレーブブリッジを介する4ホップのストリング型ネットワークである.各端末をルータとして動作させる場合において,AODV(Ad hoc on Demand Distance Vector)のルーテイングプロトコルを実装した.それぞれのネットワーク構成において,1〜4ホップのPingによるRTT測定,品質測定ツールNetperfによるスループット測定によって性能評価を行った.これにより,安定した通信を行うためのマルチホップ無線ネットワーク実現条件を明らかにした.
著者
中島 幸平 岡田 啓 間瀬 憲一 佐々木 武彦 渡邊 一弘 板倉 英三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AN, アドホックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.454, pp.109-114, 2011-02-28

IEEE 802.11n無線LANはチャネルボンディング機能を有しており,通信帯域を20MHzもしくは40MHzに設定することができる.また,2.4GHz帯,5GHz帯の2つの周波数帯をサポートしているため,無線メッシュネットワークを構成する場合,利用状況に応じてこれらの機能を使い分けることにより効率的な伝送を可能にできると考えられる.本稿では,屋内実験により2.4GHz帯と5GHz帯におけるIEEE 802.11n無線LANのスループット評価を行い,比較的チャネルに空きがある5GHz帯利用の有効性を示す.また,新潟大学屋外テストベッドを用いて2.4GHz帯におけるマルチホップ通信時のチャネル利用についての検討を行い,40MHzの周波数帯域を使用してマルチホップ通信をする場合,チャネルボンディング機能を使用して通信するよりも,20MHzのチャネルを複数割り当てた方が,高いスループットが得られることを確認する.
著者
浅野 博文 橋本 陽介 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.12, pp.37-42, 2003-04-11

本論文では,ブルートゥースマルチホップ無線ネットワークの実験システムを構築し,データ配信に関して実験的な検討を行う.ネットワーク構築方法として,3通りの方法を考える.PAN(Personal Area Networking)プロファイルを用いて各端末をデータリンクレベルのブリッジとして動作させる場合,PAN Profileを用いて各端末をルータとして動作させる場合,LAN Access Profileを用いる場合である.実験のネットワーク構成は,マスター/スレーブブリッジを介する4ホップのストリング型ネットワークである.各端末をルータとして動作させる場合において,AODV(Ad hoc On Demand Distance Vector)のルーティングプロトコルを実装した.それぞれのネットワーク構成において,1〜4ホップのPingによるRTT測定,品質測定ツールNetperfによるスループット測定によって性能評価を行った.これにより,安定した通信を行うためのマルチホップ無線ネットワーク実現条件を明らかにした.
著者
間瀬 憲一 中野 敬介 仙石 正和 篠田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-134, 2001-02-01
被引用文献数
98

アドホックネットワークは基地局や有線網に依存せず, 移動端末を構成要素とする自律分散形のネットワークである.21世紀の情報通信基盤に不可欠な要素として, 発展が期待される.アドホックネットワークに特徴的な無線マルチホップ通信を実現するため, パケット無線方式と無線回線接続方式の利用が考えられる.無線マルチホップを用いて, 情報通信・情報流通を効率的に行うため, ルーチング, マルチキャスト, ブロードキャストに関する技術課題がある.会合等での効率的な情報交換, 地域情報の案内, 安全・快適なコミュニティ実現等, 様々な応用が期待される.
著者
松川 忠裕 高野 朗 岡田 啓 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.461, pp.61-66, 2007-01-11

現状主流であるインフラの必要な道路情報システムに対して,車と車の間でメッセージをやり取りして前方の道路情報を得る手法が提案されている.代表的な道路情報は道路の区間単位の平均走行速度であるが,その速度の誤差について評価されたことはない.今回追従理論を用いて車の移動を定義してメッセージの送受信をシミュレートすることで平均走行速度の評価を行った.その結果,ネットワークの分断が発生した区間より遠い区間では得られる平均走行速度の信頼性が低いことが判明した.
著者
斎藤 卓也 町中 裕昭 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.239, pp.63-68, 2012-10-10

低炭素社会の実現及び高齢化社会の移動媒体として,超小型電気自動車(ミニEV)が,従来のガソリン車に代わり普及していくと考えられている.EVには大容量のバッテリーを搭載していることから,災害時電気供給インフラになると考えられている.さらにミニEVに通信機能を持たせることにより,無線アドホックネットワーク(EVANET)を構築し,災害時通信インフラとして活用するなど,様々なアイデアが提案されている.本稿では,災害時モニタリング・システムとしてミニEVを電気ヘリコプター(EH)の航空母艦として利用することにより,災害現場を上空から撮影し,災害状況をより広範囲に渡り把握するなど,各々単体によるシステムでは実現できなかった,新しい機能を持った災害地モニタリング・システムを提案する.
著者
川上 雄気 岡田 啓 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.455, pp.57-62, 2011-02-28

大規模自然災害発生時の臨時アドホックネットワークシステム"スカイメッシュ"では,気球の揺れ等が原因の通信品質劣化やリンク瞬断が発生し,アプリケーションの1つであるカメラを用いた遠隔モニタリングにおける映像配信でもそれらに伴う映像品質劣化が確認されている.本稿では,映像配信元ノードからの映像を経路中の中継ノードに蓄積しながら,宛先ノードに届ける蓄積中継型映像配信方式を提案・実装し,従来の配信元ノードと宛先ノートで直接コネクションを形成するEnd-to-End方式との比較を行った.ネットワークエミュレータを用いて再現したランダムロス,バーストロス環境下で品質比較実験を行った結果,ランダム,バースト共にスループットにおいて蓄積中継方式が優れていることを示す.
著者
岡田 啓 間瀬 憲一
出版者
埼玉大学総合研究機構地域オープンイノベーションセンター
雑誌
埼玉大学地域オープンイノベーションセンター紀要 (ISSN:18838278)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-71, 2010-07

This article describes the research project that aims to establish a scalable, efficient wireless L3 mesh network technology, and construct a large-scale mesh network testbed. This project develops software which includes the standardization of the related technology in IETF and IEEE 802, and carries out practical experiments.
著者
津野 昭彦 間瀬 憲一 柄沢 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.629, pp.31-37, 2001-02-15

複数のミラーサーバに対し2つの測定ツールtimeit、wgetを使用してそれぞれ数週間QoSデータの測定を行った。その測定結果をQoS統計として用い、いくつかのサーバ選択アルゴリズムを実ネットワーク上で比較した。QoS統計により少数のサーバをあらかじめ選択し、その中からechopingによるリアルタイムのQoS測定に基づいた最適サーバを選択する方法は、より高い実スループットのサーバを選択する可能性が高いことが分かった。更に、QoS統計の種類による選択アルゴリズムの性能を検討する。