著者
青山 浩子 納口 るり子
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.88, no.4, pp.394-399, 2017

<p>The objective of the study is to analyze the impacts of the installation of a gelato shop on the profitability of a dairy farm. The retail sector has operated at a slight loss, because it is still in a start-up phase. Since the dairy operation is profitable, there is no significant impact from the loss on the sixth indutrialization trial. The manager believes that brand establishment for the gelato shop is possible, along with job creation, and promoting regional communication. Since the time to secure profits in the sixth industrialization is in effect, it is important that the core business is able to ensure sufficient revenue.</p>
著者
大野 備美 納口 るり子
出版者
全国農業構造改善協会
雑誌
農業経営研究 (ISSN:03888541)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.79-84, 2013

企業による農業参入数は年々増加している。図1は,農地リース方式により参入している一般法人数(累積)の推移である。2003年の構造改革特別区域法において貸借が始まってから順次増加傾向にあるが,2009年の農地法改正により,貸借できる農地の限定がなくなったため,急速に参入が増加している。図2で,農地リース方式を利用して参入している法人を業務形態別に見ると,食品関連企業が中心を占めている。室屋によれば,食品関連企業の中でも,2003年に阪急百貨店,2008年にイトーヨーカドーと東急ストア,2009年にイオンと,大手小売が続々と農業に参入している。このように存在感の増している小売業の農業参入事例はマスコミでも大きく取り上げられている。なかでも小売り最大手であるイオンやイトーヨーカドーの事例は,小売業の農業参入における先進事例として多くの論文に取り上げられている。既往研究では,イトーヨーカドーの法人形態や生産・販売体系を明らかにしたものとして仲野,山本,渡邊,両社の参入形態を明らかにしたものとして山本,両社の事例を参入形態別に分類したものとして渋谷が挙げられる。これらの研究では,両社がどのような形態で参入しているかが明らかにされており,両社の参入形態には大きな違いがあることが指摘されている。しかし,この参入形態がどのような参入目的に基づいて選択されたのか,さらには参入目的に照らして参入形態をどう評価すべきかという点について,比較分析を行った文献はない。そこで本論文では,これらの既往研究をもとに,両社の参入形態が異なる理由に着目する。そして参入目的と参入形態との関係性を明らかにし,両社の参入形態が農業参入目的に即したものであるか一定の評価を加えること目的とする。
著者
納口 るり子
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
永木 正和 木立 真直 納口 るり子 茂野 隆一 松下 秀介 川村 保 広政 幸生 長谷部 正 坪井 伸広
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.国内研究本年度は研究最終年度にあたるため、各分担者間の研究分担課題の最終微調整、課題の確認、補足的な調査活動、および研究会での研究成果の報告を内容とする活動を行った。国内調査等は個別補完的に行うものとし、小規模にとどめた。2.海外交流、海外調査(1)韓国の農産物・食品流通は日本と類似の展開が認められている。わが国の韓国からの輸入依存が高まる可能性が高いとの認識から、以前より韓国の研究者集団(韓国生鮮農産物新流通研究会)と交流をもっていたが、相互研究発表の形でソウルにおいて「日韓共同シンポジューム」を開催した。情報システムと物流システム(特にロジスティックス)の構築が主要な議論となった。(2)日韓シンポジュームの後は韓国農村で生鮮野菜の流通システムを調査した。3.秋以降は数次の研究会(主に筑波大学にて)(1)筑波大学で公開研究会を開催し、分担者は順次研究報告した。最後の2月の研究会では、本研究全体の統一コンセプトの再確認、ならびに総体的な結論について討論した。(2)研究成果を要約的に言及すると、方法論的には産業組織論であるが、主として川下に切り口を置くアプローチをとった。ちょう度、食品の安全性問題や風評被害が発生した時期であり、これまで市場経済学やマーケッティング経済学ではあまり重視されてこなかった「製品品質の1つとしての安全性」、「製品に付加する1つのサービスとしての安心」を市場流通させるための不可欠な商品属性であることを見いだし、これを取引理論、情報理論を手がかりにした経済学理論を構築した。また、経済学の範疇を超えて、消費者倫理に関しても、一定の考え方を提示できた。(3)ホーム・スキャン・データ等の新しいデータ利用等から、この時期に発生した食品の品質事故問題、また伝統食品対遺伝子組み換え食品の対比での商品の認証や差別化流通に関するタイムリーな消費者行動の実証分析をなし得た。(4)消費者行動の多様化に対応して国内流通・加工業が顧客をターゲット化しており、それが商品に付随する品質やサービスの多様化、市場を主導している小売り市場の多様化、海外からの原料農産物積極輸入の背景が解明された。国内小売業の競争戦略、品質管理戦略に端を発して流通システムが海外からの輸入急増を導いていた。海外での市場再編動向の最新事情も入手した。4.本研究の成果と公表の仕方今年(平成14年)6月末を目処にして専門著書としての公刊を予定している。各分担者はさらなる研究成果の精緻化と推敲に取り組んでいるところである。