著者
三上 弾 紺谷 精一 森本 正志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.526-534, 2007-02-01
被引用文献数
5

本論文では,野球映像からピッチャーによる投球イベントを検出する方法を提案する.提案手法では,(1)映像撮影環境(撮影角度など)の影響を受けにくい音響解析によって,投球後に発生する打球音あるいは捕球音を取得し,投球イベントの候補とする.(2)音響解析により求めた投球イベント候補について,各候補の時刻における動き特徴によりクラスタリングを行うことで,投球イベント候補の中から投球イベントのみを選別する.(3)投球イベントから投球動作テンプレートを作成する.(4)投球動作テンプレートを処理対象映像から自動的に選び,映像全体を再検索する.以上の処理により,音響解析によって検出が不可能であった投球イベントについても検出することが可能となり,高精度な投球イベント検出が実現できる.野球の放送映像及び個人撮影の野球映像を用いて実験を行い,放送映像において,音響解析による投球イベント検出の適合率は約60%,再現率は約81%であったが,提案手法を用いることにより,適合率約90%,再現率約95%(検出漏れはテロップによる投手の遮へいなど)の精度で検出が可能となり,野球映像構造化の第1段階として十分な精度を得ることができた.
著者
西原 祐一 小杉 尚子 紺谷 精一 山室 雅司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.51, pp.27-32, 1999-05-29
被引用文献数
7

ハミングを用いた音楽検索システムにおいて,従来は音符を単位としたマッチンダ方式が主に使われてきた.それに対し,われわれは時間を単位としたマッチング万式を開発した.この方式は,マッチングをする際にハミングおよびデータベース中のオリジナル曲の,時間の単位を正規化した上でマッチングを行なうものである.この方式は,音符抽出誤りに対する耐性が高く,また,データベースのインデックス化が可能なために,高速な検索が可能である.この方式を実装した実験システムを作成し,実験の結果について報告する.The traditional approach to music retrieval systems using humming as their query is 'note-based'; series of notes are extracted from the humming and either DP matching or its alternatives are performed. However, we have developed a new 'time-based' approach whose basic concept is to normalize the time scale of the humming and the music in the database. The new method has high robustness against note extraction erros, and also high retrieval speed is achieved since indexing of the database is possible. We have built an experimental system applying the new method and the result of the preliminary experiment is shown.