著者
緑 大輔
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.36-42, 2016 (Released:2018-01-29)

司法面接の結果を録取したDVD を刑事裁判において証拠採用するためには、刑事訴訟法320 条 1 項の伝聞証拠禁止原則に抵触しないか、同法321 条以下の伝聞例外の要件を充足するかの形で証 拠能力が認められる必要がある。前者として、証明力を争うための補助証拠として用いる方法が考 えられる。後者として、対立当事者の同意を得て証拠能力を付与するという方法が考えられる(刑 訴法326 条)。もっとも、事実に関する争いが深刻な場合には、上記DVD を実質証拠として用いる ことが考えられる上、対立当事者が証拠採用に同意しない可能性が高い。そのような場合には、録 取者が児童相談所職員等のように検察官以外の者であれば刑訴法321 条1 項3 号を根拠として、 録取者が検察官であれば刑訴法321 条1 項2 号を根拠として、それぞれ採用することができない かが問題となる。後者は、検察官が「罪となるべき事実」の立証を重視して司法面接を行う場合は、 司法面接の手法にそもそも馴染みにくい可能性がある。前者は、司法面接対象者が公判廷で供述不 能であること等が要件となるが、下級審の裁判例に照らして、要件を充たす可能性がある。他方で、 司法面接が前提とする事実観と交互尋問制度が前提とする事実観には距離があり、証人審問権と司 法面接の調整には困難を伴いうる。
著者
緑 大輔
出版者
広島修道大学
雑誌
修道法学 (ISSN:03866467)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.452-409, 2005-09-30
著者
水谷 規男 山口 直也 上田 信太郎 岡田 悦典 京 明 緑 大輔 笹倉 香奈
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、刑事法研究者及び実務家からの聞き取り調査をアメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ等の国々について行い、司法取引制度ないしそれに類似する実務が英米法系の国々においてだけでなく、従来は取引に否定的であると考えられてきた大陸法系の国々においても、司法の効率化のために存在していることを明らかにした。これに対して、我が国で導入が検討されている刑事免責制度や捜査・公判協力型協議・合意制度は、訴追側と弁護側の取引を容認するものであるものの、司法の効率化よりも供述の獲得にウエイトがある点に特徴があることを明らかにした。
著者
緑 大輔 ミドリ ダイスケ Daisuke MIDORI
雑誌
修道法学
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-44, 2004-09-30
著者
福井 厚 木谷 明 後藤 昭 白取 祐司 水谷 規男 葛野 尋之 中川孝博 豊崎 七絵 緑 大輔 石田 倫識 斎藤 司
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

3年間の研究成果は、福井厚編『未決拘禁制度の改革と展望』(日本評論社)と題して、龍谷大学矯正・保護研究センター叢書の1冊として2009年7月に公刊される予定である(既に入稿済である)。第一部が未決拘禁の実体的要件の理論的検討、第二部が未決被拘禁者の権利制限の解釈論的検討、第三部が不服申立・その他、附属資料1として外国調査の結果、附属資料IIとして施設調査の結果、付録(CD-Rom版)として、福井厚監訳「ドイツ未決勾留法対案」、という構成になっている。