- 著者
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水谷 規男
- 出版者
- 愛知学院大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1998
本研究では、フランス未決拘禁法の改革動向を、1970年から2000年までの期間においてフォローし、フランス法が、特に1990年代以降、国際人権法(特にヨーロッパ人権規約)との整合性を意識して改正され続けてきたこと、しかしそれでもなお、フランス法には、警察段階での捜査のための拘禁制度の利用、人員、期間ともに過剰な未決拘禁制度の利用があり、なお国際人権基準に照らして問題点を含んでいること、そしてフランス法の持つ問題点がほぼ同様に日本の未決拘禁法(逮捕・勾留および保釈)にも当てはまることを明らかにし、日本の未決拘禁法が国際人権基準に照らして改正ないしは運用の改善が必要であることを明らかにした。なお、本研究の課題との関係で、フランスにおいて大規模な法改正が予定されていることが研究期間中に判明したので、論文執筆および成果報告の提出は、法改正を待って行ったことを付言する。