著者
脇 隼人 鈴木 裕 阪田 治 深澤 瑞也 加藤 初弘
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.132, no.10, pp.1589-1594, 2012-10-01 (Released:2012-10-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

The number of dialysis patients is approximately 300,000 and is increasing every year in Japan. A renal failure patient requires a hemodialysis shunt for dialysis to be performed; however, the blood vessels around the hemodialysis shunt may become stenosed. The stethoscope auscultation of vascular murmurs has some use in the assessment of access patency; however, this diagnostic approach is skill dependent. Therefore, a diagnostic support system to detect stenosis is desirable. We developed an auscultating diagnosis support system for assessing hemodialysis shunt stenosis by using a self-organizing map (SOM) and short-time maximum entropy method. In this paper, for the purpose of improving the accuracy of stenosis detection, the Mel-frequency cepstrum coefficient (MFCC)-based hidden Markov model (HMM) was also used. As a result, a high correlation between an SOM system and HMM system was found. Therefore, the credibility of the each system was confirmed. Furthermore, the results indicated that the accuracy of stenosis detection could be improved by combining the SOM and HMM methods.
著者
安田 雅哉 脇 隼人 青野 良範
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、近年暗号分野で非常に注目されているLWE(Learning with Errors)問題ベースの格子暗号の解読計算量を解析すると共に、LWEベースの格子準同型暗号の安全パラメータの抽出を行い、暗号方式の性能評価を行うことである。2017年度の研究目標は、LWE問題などの格子暗号の安全性を支える数学問題を効率的に解くアルゴリズムの開発を行い、LWE問題の求解実験を開始することである。2017年度の研究成果として、格子暗号の安全性を支える最短ベクトル問題(Shortest Vector Problem, SVP)を効率的に解く新しい格子基底簡約アルゴリズムの開発を行い、2010年からドイツ・Darmstadt大がWeb上で公開しているSVPチャレンジの102次元から127次元という高い格子次元において、これまでよりも短い格子ベクトルの探索に成功した。さらに、今回開発したアルゴリズムをLWE問題の求解に適用し、既存の解法アルゴリズムよりも高速に解けることを実験的に示すことができた。また、格子問題の解法の1つであるrandom samplingアルゴリズムの正確な解析に成功し、LWEベース暗号を含む格子暗号の解読計算量の上界を評価することが可能となった。さらに、SVPを整数二次計画問題に定式化し、代表的な最適化エンジンであるCPLEXでSVP求解にチャレンジし、50次元程度まで求解可能であることを示すことができた。一方、代表的なLWE準同型暗号スキームを実装し、統計・分析などにおける基礎演算である行列計算を暗号化したまま効率的に計算する手法を開発し、プライバシー保護利活用技術としてLWE格子準同型暗号が利用可能か判定するための準備を整えることができた。
著者
脇 隼人
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

悪条件な半正定値計画問題に対して高精度な解を求めるために, 悪条件性を取り除く前処理アルゴリズムの提案・開発を行った. 悪条件な半正定値計画問題とは, その問題とその双対問題が実行可能内点解を持たない半正定値計画問題である. 具体的な成果は, (1) 悪条件な半正定値計画問題に対して良条件な半正定値計画問題, つまり, 実行可能内点解を持つ等価な半正定値計画問題を半正定値計画問題を生成する前処理の提案, (2) いくつかの応用問題から派生する半正定値計画問題に対して, 悪条件になる原因の追及, (3) 特に多項式最適化問題に対して, 良条件な半正定値計画問題を生成する手法の提案をした.