- 著者
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宇和川 小百合
色川 木綿子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.27, 2015
<br><br>【目的】平均寿命が延びて長寿社会となり、特に食に関わることは、各自が自己管理できるようにしていかなければならない。そのためには、男性も自分の食生活について関心を持ち、知識とスキルを身に付けることは大事なことである。今回は男性からみた行事食と儀礼食について検討したので報告する。<br><br>【方法】日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」の調査より、関東甲信越地区調査データから男性437名と女性4,880名を対象に検討した。集計方法は、単純集計、クロス集計、χ<sup>2</sup>検定を行った。<br><br>【結果】対象者の男性の基本属性は、20歳未満33.0%、20歳代34.6%、30歳代1.8%、40歳代9.2%、50歳代15.3%、60歳代2.7%、70歳代以上3.2%である。家族構成は、二世代20.8%、三世代46.9%、四世代21.1%、同世代0.7%である。男性で調理を担当している者は18.8%である。認知と経験で男性と女性の間におけるχ<sup>2</sup>検定は、半数以上の行事や儀礼において差が認められた。差が認められなかった認知は、盂蘭盆、七夕、土用、重陽、クリスマス、大晦日、春・秋祭り、誕生日、成人式、婚礼、葬儀、法事で、経験では、盂蘭盆、七夕、重陽、クリスマス、大晦日、春・秋祭り、誕生日、成人式である。料理の経験で差が認められなかったものは、正月の屠蘇、雑煮、餅料理、魚料理、肉料理、端午のちまき、赤飯、菖蒲酒、七夕の煮しめ、ところてん、まんじゅう、重陽の菊花酒、ご飯、月見の芋、クリスマスケーキ、大晦日の祝い料理など20品目である。特に女性との差が大きかったのは、節分の経験で男性18.1%、女性90.2%、上巳の経験で男性60.0%、女性84.2%である。行事の料理で、男性の方が女性より経験が多かったものは、菖蒲酒、菊花酒、正月と七夕の赤飯など13料理である。