著者
芦原 睦 荒木 登茂子 松野 俊夫 江花 昭一 坂野 雄二 鈴木 理俊 菊池 浩光
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.745-753, 2004-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

医療における心理士の資格について議論されて久しい. 本学会においても, 1995年の第36回日本心身医学会総会(末松弘行会長)の際にワークショップ「臨床心理の現状と今後の課題」で取り上げられて以来, ほぼ毎年議論が続けられている. さらに, 2000年6月にはコメディカルスタッフ認定制度委員会が発足し, 具体的な医療心理士(仮称)制度の制定と運用に関する議論を重ねてきた. 同委員会の2001年12月までの活動報告は, 本誌42巻8号「医療における心理士の資格-現状と現実的問題点を含めて」に記載したので参考にされたい. 今回は, その後の議論を含め, 第44回日本心身医学会総会(石津宏会長)での, パネルディスカッションにおける各パネリストの発表をもとにした総説としたい. まず, 医療心理士の現状と研修という点から, 心理士と医師の各々の立場から述べた松野論文と江花論文を掲載したい.
著者
山下 真 芦原 睦
雑誌
日本心療内科学会誌 (ISSN:13429558)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.230-237, 2010-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
2
著者
大平 泰子 石川 浩二 芦原 睦
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.236-244, 2011
参考文献数
18

本稿は,製造業事業所において実施してきたメンタルヘルス対策を,予防策としての効果と実践可能性の観点から検討する.本稿で報告するのは,2006年度に定期健康診断を受けた3,882名の従業員(男性3,464名,女性418名,正規社員3,402名,契約社員480名,平均年齢40.5±12.3歳)に実施されたプログラムである.メンタルヘルス不調の有無を調べるために,定期健診の際にメンタルヘルスに関する問診表および保健師問診を実施し,そのいずれかで抽出された従業員に対して産業カウンセラー面接と産業医診察を実施した.結果,新規に22名(0.6%)のメンタルヘルス不調者を把握した.メンタルヘルス不調ではないと判断された従業員に対しても,カウンセリング,環境調整などの予防的介入を行った.本対策を実施した2003年度と2006年度には他の年度よりも事業所内診療所メンタルヘルス部門の来談者が増加し,うち定期健診以外の来談経路による来談者が減少した.この結果は,本対策が二次予防(早期発見・早期治療)および一次予防(発症予防)として有効であることを示唆している.さらに,小人数の産業保健スタッフで効率的にメンタルヘルス対策を実践しえた.このような高い実践可能性は,メンタルヘルス対策の推進にとって重要である.
著者
芦原 睦 大平 泰子 佐田 彰見
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.111-118, 2005-02-01
被引用文献数
3

産業医からの紹介により当科を受診した症例および当科を受診した職場ストレス症例を対象として背景調査を行い, 心療内科の立場からみた職場ストレスについて検討した. 産業医からの紹介症例ではうつ病圏が最多であり, これらが職場において事例性が高いと推察された. またその研究より産業現場と臨床現場の役割分担が明確でなく, 連携が十分とはいいがたい状況が把握できた. 当科を受診した職場ストレス症例においても, うつ病圏が最も多くみられた. 発症要因となった職場のストレッサーで最も多かったのは"仕事の質"によるものであり, 職場ストレス症例のストレッサーは仕事の質によるものが多いことが把握しえた. 今後, 産業現場と臨床現場とが休職, 復職, 再発予防教育の点などで密接な連携を図り, 勤労者に対してストレス関連疾患の予防やメンタルヘルスに関する知識の普及啓発活動を推進していく必要性が考えられる.
著者
芦原 睦 大平 泰子 佐田 彰見
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.111-118, 2005
参考文献数
9
被引用文献数
3

産業医からの紹介により当科を受診した症例および当科を受診した職場ストレス症例を対象として背景調査を行い, 心療内科の立場からみた職場ストレスについて検討した. 産業医からの紹介症例ではうつ病圏が最多であり, これらが職場において事例性が高いと推察された. またその研究より産業現場と臨床現場の役割分担が明確でなく, 連携が十分とはいいがたい状況が把握できた. 当科を受診した職場ストレス症例においても, うつ病圏が最も多くみられた. 発症要因となった職場のストレッサーで最も多かったのは"仕事の質"によるものであり, 職場ストレス症例のストレッサーは仕事の質によるものが多いことが把握しえた. 今後, 産業現場と臨床現場とが休職, 復職, 再発予防教育の点などで密接な連携を図り, 勤労者に対してストレス関連疾患の予防やメンタルヘルスに関する知識の普及啓発活動を推進していく必要性が考えられる.