著者
草地 良規 伊藤 直己 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.37-42, 2004-10-14
被引用文献数
7

我々は,画像検索のための景観画像へのインデクス付与を目的として,視点/背景テクスチャ/コントラストの制約を設けずに撮影された景観画像中の文字認識法を提案している.提案法では,文字領域を切り出す必要がなく,シェーディングを伴う文字,立体文字,複雑背景上の文字,切り出しに失敗した傾斜文字,を識別する能力があるが,識別に多大な時間がかかるという課題があった.本稿では,カテゴリを特徴の類似性に基づいて階層的に分類し,各分類パターン(クラス)に対して階層的な辞書を構成することで,提案法の処理量削減を実現する.識別率の測定実験を行い,84%の識別率で処理量を1/20程度に削減できることを確認した.また,日本語キーワード(ひらがな,カタカナを含む)による画像検索精度の測定実験を行い,平均適合率76.8‰平均再現率70.4%を確認した.
著者
荒川 賢一 エリック クロトコフ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.2564-2577, 1993-12-25
被引用文献数
11

屋外での自律移動を目的としたロボットの経路プランニングなどに適用可能な自然地形のモデリングについて,フラクタル幾何を適用した手法を提案する.具体的には,走査型レーザレンジファインダなどを用いて観測された距離データより変換された不規則に配置される地形の高さデータから,任意解像度の3次元地形情報をその不確定性と共に再構成することを問題としている.本論文では,地形がフラクタル形状であるとの仮定のもとで,その地形モデリングの問題を以下の三つの部分問題とみなしてそれぞれについて解法を提示し,シミュレーションおよび実観測データを用いた実験によりその有効性を示している.(a)フラクタルブラウン関数を仮定したフラクタル次元推定法を用いた地形の粗さの推定.(b)地形の粗さ,すなわちフラクタル性の保存した写実的な地形形状の再構成.これには,事後確率最大化による離散的な高さデータの補間を適用している.(c)モンテカルロ法による再構成した地形地図の不確定性分布の推定.
著者
宮川 勲 若林 佳織 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.1120-1132, 2004-05-01
被引用文献数
14

本論文では,魚眼カメラが取得した画像系列から平面運動と3次元形状を同時に復元するための因子分解法を提案する.ただし,光軸を平面に垂直とした魚眼カメラが平面運動することを前提としている.本手法は,この平面運動で画像系列を獲得する魚眼投影モデルに基づいている.実験では,撮影ロボットを使って取得した室内画像に本手法を適用し,平面運動と3次元形状を同時に,かつ,高精度に復元する手法として有効であることを示す.更に,形状復元の精度評価から,形状復元の精度は仰角に依存することを確認し,本手法の適用範囲を明らかにする.
著者
草地 良規 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.290, pp.137-144, 2004-09-03
被引用文献数
1

アピアランスベースの物体認識においては,対象の隠蔽,照明光の全反射,複雑な背景などによって,観測パターンの特徴が欠損し,かつ雑音が付加され,識別率が低下するという課題がある.本研究では,学習パターンに不定次元を付与することで,特徴欠損/雑音付加の伴う画像を表現し,そのパターン分布を主成分によりモデル化する.そのモデルと人力画像を部分空開法により比較することで識別する.部分空開法における共分散行列は,学習パターンのみを用いて求めることができる.実物体を用いた検証実験を行い,提案手法の妥当性を確認した.