著者
松野 賀宣 菊地 亮太
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.221-227, 2023-08-05 (Released:2023-08-05)
参考文献数
22

航空機運航において,到着予定時刻(Estimated Time of Arrival: ETA)の予測精度は,風予測誤差に大きく影響される.本稿では,風予測誤差の影響を緩和し,ETAの予測精度を向上させるため,確率的風予測手法を提案し,巡航速度誘導則に適用する.確率的風予測では,多数の数値気象予報を行うアンサンブル予報を用いて,風を確率的に推定することで,ETAを高精度に予測する.そして,速度誘導則では,所定の許容範囲内で目標の到着時刻を満たす最適速度を決定する.本稿では,数値シミュレーションにより,確率的風予測を適用した速度誘導則の性能及び有効性を評価する.確率的風予測を適用することで,典型的な飛行管理装置に比べ,ETA予測精度が向上し,目標の到着時刻を満たすための不必要な速度変更回数を低減することができるため,航空交通管制による軌道予測性の向上や,燃料消費量の削減効果が期待される.
著者
大久保 力廣 鎌田 奈都子 長田 秀和 新保 秀仁 栗原 大介 小久保 裕司 菊地 亮
出版者
Japanese Society of Oral Implantology
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 = Journal of Japanese Society of Oral Implantology (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.42-47, 2010-03-31
参考文献数
7

目的:インプラント用従来型既成マグネットアタッチメントのキーパー吸着面はインプラント長軸と垂直に設定されている.したがって,もしインプラントが傾斜埋入された場合には,キーパー面は咬合平面と垂直とならない.このような場合にキーパーは大きなアンダーカットを生じることになり,維持力も減少してしまう.本試作キーパーはインプラント上のアングルアバットメントに接続するように設計開発された.また,角度補正型マグネットアタッチメントの吸引力を従来型のものと比較した.<br/>方法:マルチユニットアバットメント(Replace RP, Nobel Biocare, Sweden)に適合するように,試作キーパー(直径4.8mm,高さ3mm)をステンレス合金(72.0%Fe-26.0%Cr-2%others)より切削加工して製作した.試作キーパーは17度あるいは30度の角度付きマルチユニットアバットメントにスクリュー固定により接続した.比較試料としてPhysio Magnetキーパー#40(日立金属)を用いた.磁石構造体としてPhysio Magnet #40を両キーパーに装着し,デジタルフォースゲージ(Nidec-shimpo Corp)を装備した引張試験機に取り付けた.キーパーから磁石構造体が離脱するときの最大荷重量を吸引力(N)として測定した.測定値はt検定により危険率5%で統計解析を行った.<br/>結果:インプラントオーバーデンチャー用として,試作キーパーは容易に角度付きアバットメント上にスクリュー固定できた.試作キーパーと従来型キーパーとの吸引力を比較したところ,両者に有意差は認められなかった(<i>p</i>>0.05).<br/>結論:試作キーパーの吸引力は市販の従来型マグネットキーパーとほぼ同等であった.開発したキーパーは十分な維持力を有し,インプラントオーバーデンチャーのための適切な支台装置として使用できることが示唆された.
著者
高橋 正敏 眞塩 剛 菊地 亮 高田 雄京
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会誌 (ISSN:18844421)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, 2015-03-25

We created an experimental keeper for fixation to the abutment screw in order to apply a dental magnetic attachment to an implant superstructure. The retentive force of a commercial and the experimental keeper was measured according to the test method of ISO 13017. From the obtained data, we evaluated the possibility of applying a magnetic attachment to the superstructure. The retentive force of both the commercial and experimental keeper was 85% or more than the value stated in the literature accompanying the package. Therefore, magnetic attachments are applicable to dental implant superstructures.