著者
標葉 隆馬 飯田 香穂里 中尾 央 菊池 好行 見上 公一 伊藤 憲二 平田 光司 長谷川 眞理子
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.90-105, 2014

知識経済とグローバル化に対応するための方策として,科学技術政策を始めとする種々の政策において高度知識人材の育成が議論されるようになって久しい。その間,大学-大学院レベルの教育において,高度な専門性に加えて,異分野との協働,コミュニケーション,そして説明・応答責任に関する能力の育成が求められるようになってきた。これらの高度知識人材に必要とされる汎用的能力の育成に関して論じられている事柄は,国内外の「科学と社会」教育が試みてきた「幅広い視野」の育成とも重なる議論である。しかしながら,とりわけ日本において大学院重点化が進められてきた状況を意識しつつ国内外の状況に目を向けるならば,大学院レベルにおける高度教養科目としての「科学と社会」教育プログラムの実施は,内外を問わず試行錯誤が重ねられているのが現状である。本稿ではこの状況を俯瞰しつつ,「総合研究大学院大学(総研大)」の事例を中心に,その現状を記述・検討する。総研大では,研究者の「幅広い視野」涵養を目的として,これまでに必修科目も含めた「科学と社会」教育の取り組みを行ってきた経緯がある。この作業を通じて,今後の「科学と社会」教育の可能性と解決すべき課題について考察する。
著者
菊池 好行
出版者
化学史学会
雑誌
化学史研究 (ISSN:03869512)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.102-112, 1999-09-30
被引用文献数
2
著者
菊池 好行
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.8-11, 2020-01-20 (Released:2021-01-01)
参考文献数
6

エーテル合成の人名反応で化学史にその名を残しているイギリスの化学者ウィリアムソンは,ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで日本人を教育したことで,日英交流史上でも重要な人物である。その影響は日本の化学はもとより,科学技術教育,政治思想にも及ぶことが近年の研究で明らかとなっている。今回はウィリアムソンの化学史上の業績に加え,薩長留学生にはじまり櫻井錠二に至る数々の日本人学生たちに焦点を当てることによって,彼が幕末から明治期の日本に与えた広範なインパクトを見ていきたい。