著者
菊田 順一
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

免疫システムは生命にとって必要不可欠な生体防御機構であり、免疫システムの破綻は、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、がんなど多くの疾病が関与する。そのため、病態の発症進展機序を解明し、それに立脚した治療応用、医療技術開発を実現することは、医学的にも社会的にも重要の課題である。本研究者はこれまで、最新の光学観察技術を駆使して、動物個体が生きた状態で様々な生体組織内の免疫細胞の動態を可視化し、その制御メカニズムを解析してきた。本研究では、生体イメージング技術をさらに発展させ、ヒト免疫細胞の動態・機能を解析する新たな基盤技術を確立し、ヒト疾患の病態解明と新たな治療法開発の実現を目指す。
著者
繁田 浩功 間下 以大 金子 雄 菊田 順一 瀬尾 茂人 竹村 治雄 松田 秀雄 石井 優
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-33, no.3, pp.1-6, 2013-03-14

生体イメージング技術の向上により生体内の動態を画像として観察することが可能となり,疾病のメカニズム解明や創薬等への応用が期待されている.一方で統計的信頼性を得るために膨大な画像を解析する必要性が生じている.本研究では,生体骨組織内の血管透過性の制御機構を解明するため,二光子励起顕微鏡を用いて得られた生体画像に対して,血液が骨髄腔に染み出す血管透過性を評価する手法を提案する.提案手法では,対象となる時系列画像に対してグラフカットを用いて骨髄腔領域をセグメンテーションし,その染み出し量を定量的に評価する.評価実験の結果,専門家の手による抽出結果を用いた結果とほぼ同様の結果が得られた.このことから,本手法は染み出しの程度について統計的かつ定量的な評価の一つとして利用できると思われる.