著者
中村 友宣 小川 剛史 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.554, pp.49-54, 2008-03-15
被引用文献数
4

本稿では,移動中の連続した学習を支援するウェアラブル学習システムにおける鉄道車内混雑度推定を用いた利用者コンテキストの認識手法にっいて述べる.本研究では,利用者の動作(「座位」,「立位」,「歩く」,「走る」,「自転車」),立位時の場所(「電車の中」,「駅のホーム」,「遮断機・信号機の前」),及び電車内の混雑度(「空いている」,「混んでいる」)を認識するために,両足大腿部の加速度,天井までの距離及び大気中の二酸化炭素濃度を計測する.前処理として加速度データのパワースペクトル及び距離データの中央値を算出後,識別器としてサポートベクターマシンを用いて各動作・場所・混雑度の確率を推定する.更に次状態への遷移確率に遷移の平易度を考慮してロバストな認識を実現する.実験にて通学行程全体の認識率を85.8%の精度で認識できており,「回答できない設問が出題される」という学習に支障をきたす誤認識は0.6%と極めて低いことを確認した.
著者
大西 和歩 浦西 友樹 劉 暢 Photchara Ratsamee 東田 学 山本 豪志朗 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.331-340, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
16

Bouldering is a sport where competitors climb an artificial wall using holds as support. The climbing route from start to end is called a problem and each problem has its difficulty grade. As the grade of a problem plays an essential role in measuring climber’s ability, a unified standard is desirable. However, measuring the grade still currently relies on personal experience of the routesetters, which results in huge individual difference. The purpose of this study is to evaluate the grade of a bouldering problem in a uniformed manner. Specifically, we propose a two-step machine learning model that takes into account the difficulty and arrangement of each single hold. Experimental results using 11906 problems show that our model has achieved up to 65.5% of accuracy for classifying 13 classes of problem grades.
著者
村上 正行 佐藤 浩章 大山 牧子 権藤 千恵 浦田 悠 根岸 千悠 浦西 友樹 竹村 治雄
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.276-285, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)
参考文献数
8

In this paper, we introduce school-wide teaching and learning support practices by using digital learning tools for students and faculties during the COVID-19 pandemic. Right after the COVID-19 pandemic affected the higher-education in Japan, Osaka University built a Teaching Class Support and Response Team during the new semester to develop school-wide online teaching and learning supports due to the campus closure. The team offers multi-faceted support tools such as LMS help desk, orientation videos via YouTube channel for first-year students, and teaching online guidelines during the semester. Through our practices, we find the significant issue of teaching at the university during the COVID-19 era. The issue is: how we conduct classes to combine face-to-face and learning online in the same semester. To resolve this issue, we believe that universities need to develop an organizational comprehensive support system for teaching and learning. We also expect that scholars would share their expertise, idea, and practices of teaching under practices the COVID-19 pandemic by using an academic society.
著者
間下 以大 新谷 晃一 清川 清 竹村 治雄
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:21888701)
巻号頁・発行日
vol.2015-CVIM-197, no.4, pp.1-7, 2015-05-11

人の空間知覚において,左側を見る場合は左眼を,右側を見る場合は右眼を優位に用い,正面を見る場合は利き眼を優位に用いていることが確認されている.これらの違いを考慮することで人と空間のインタラクションをより深く理解し,身体動作を用いたユーザインタフェースをより使いやすくできる可能性がある.本稿では,ユーザインタフェースとして利用される代表的な身体動作として指差しに着目し,利き目,利き手の違いと指差し動作の精度について被験者実験を行い,その分析結果について報告する.具体的には,被験者の頭部を固定し,着座した状態で,格子状のターゲット群に対して利き手および非利き手で指差しを行わせ,眼と指先を結ぶ直線を用いて指差し位置推定を行った.その結果,指差し動作においては利き手よりも利き眼の違いが重要であることなどが統計的に確認された.
著者
佐藤 哲 岩佐 英彦 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

重力場を可視化するために、重力場の中に物体を置いてそれがどのように見えるかを光線追跡法により調べる方法がある。この手法では、ある点の重力の向きや強さなどの局所的な情報は分からない反面、空間の歪み具合など大域的な情報が可視化されるという利点がある。我々はこれまでに、この方法に基づく重力場の可視化の手法を動く物体を扱えるように拡張した。本稿では重力によって生じる時間の進み方の変化を考慮して、光の赤方偏位と呼ばれる現象をシミュレートした画像を生成した。
著者
神原 誠之 大隈 隆史 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1775-1783, 1999-10-25
被引用文献数
37

現実環境と仮想環境を融合する技術は拡張現実感と呼ばれ,現実環境に情報を付加することが可能であることから新たな情報提示手法の-つとして注目されている.拡張現実環境をユーザに提示するには,現実環境と仮想環境の正確な位置合せ,画像合成,及びユーザへの提示を実時間で行う必要がある.本論文では,現実環境と仮想環境の時間的な同期がとれることから,両者の位置ずれが生じないという特徴をもつ,ビジョンセンサとビデオシースルーの組合せを用いる拡張現実感のための画像合成手法を提案する.本手法では,現実環境中に配置されたマーカをHMDに取り付けた2眼のステレオカメラで撮影し,この画像から位置合せに必要なカメラパラメータを推定する.同時に,現実物体と仮想物体の正確な前後関係を表現するために,現実環境の奥行情報を実時間で取得する.その際,奥行推定を拡張現実感に特化することで計算量を削減し,実時間処理を可能にした.
著者
神原 誠之 大隈 隆史 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.677, pp.33-40, 1999-03-18
参考文献数
16
被引用文献数
3

現実環境と仮想環境を融合する技術は拡張現実感と呼ばれ, 現実環境に情報を付加することが可能であることから新たな情報提示手法の1つとして注目されている. 拡張現実環境をユーザに提示するには, 現実環境と仮想環境の正確な位置合わせ, 画像合成, およびユーザへの提示を実時間で行なう必要がある. 本稿では, 現実環境と仮想環境の時間的な同期が取れることから, 両者の位置ずれが生じないという特徴を持つ, ビジョンセンサとビデオシースルーの組み合わせを用いる拡張現実感のための画像合成手法を提案する. 本手法では, 現実環境中に配置されたマーカをHMDに取り付けた2眼のステレオカメラで撮影し, この画像からカメラパラメータを推定する. 同時に, 現実物体と仮想物体の正確な前後関係を表現するために, 現実環境の奥行き情報を実時間で取得する. その際, 奥行き推定を拡張現実感に特化することで計算量を削減し, 実時間処理を可能にした.
著者
清川 清 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.657-664, 1999
参考文献数
13
被引用文献数
1

視点の設定などの自由度が高い共有仮想環境(SVE)と,アウェアネスの伝達に優れる共有拡張環境(SAE)の双方の利点を活かすために,両者をシームレスに切替える新しい協調作業支援手法を提案する.本手法では,作業者は透過型ヘッドマウントディスプレイ(STHMD)を装着する.初期状態ではSAEが選択され,互いの様子を直接観察しながら協調作業が行なえる.各作業者はナビゲーション用の3次元ウィジェットを操作して,それぞれの局所座標系を自在に変更できるが,この時,各作業者のSTHMDの液晶シャッタが遮蔽してSAEからSVEへ自動的に移行し,共同作業者に代わってCGのアバタが表示される.作業者がウィジェットを用いてSAEへの移行を選択すると,座標系の並進・回転・拡大率の各成分が共同作業者の値に自動的に遷移する.遷移のアニメーションが完了して座標系が一致すると,液晶シャッタが開いて再び実際の共同作業者を観察できる.さらに,このビューモードの切替えに加えて,アウェアネス向上のために作業者の顔の正面方向を直線で示す手法や,ルックアップテーブルおよびカルマンフィルタを用いて位置ずれの少ない仮想環境を提示する手法を併用し,協調作業が円滑に行なえる作業支援環境を実際に構築した.また,実験を通して共同作業者の座標系が一致する場合のSAEのSVEに対する優位性を検証し,提案手法の妥当性を確認した.
著者
オーロスキ ジェーソン 重野 孝明 清川 清 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.117-120, 2014

In this paper, we construct a prototype of a wearable text input device that can be attached to a user's torso or pants and conduct a pilot study on its use with a head mounted display (HMD). The user can enter text while mobile without having to look at his or her fingers. The layout of the keys is similar to that of a QWERTY keyboard, but the device is separated into two halves so that they can be positioned and oriented for comfortable typing on clothing. It is flexible and conforms to the shape of the user's torso. In our pilot study testing input speed, a total of 7 participants conducted various typing tasks, and reached an average speed of 30.1 words per minute (WPM) amongst all tasks in a 45 minute session. We then conduct an analysis of a large number of recent text entry methods that can potentially be used with wearable displays, including the results from our experiment. We also discuss a lighter, wireless prototype reflecting feedback in the pilot study, which can be easily attached to clothing with magnets.
著者
桝田 秀夫 小川 剛史 町田 貴史 中澤 篤志 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1239-1248, 2008-03-15
参考文献数
15
被引用文献数
1

教育用計算機システムでは,多数の利用者に対して各種のアプリケーションが動作する一様な計算機環境を,できるだけ低いTCO (Tota1 Cost of Ownership)で実現する必要がある.運用コスト削減のためには,故障時に素早い復旧が可能であることだけでなく,そもそも故障しにくい構成をとることも重要である.本論文では,これまでの運用の中で最も故障の多かったバードディスクをクライアント上では使用しない,ディスクレス構成を用いたLinuxベースの情報教育システムの開発とその評価について述べる.また,予算措置の関係で導入時期や機種が異なる複数種類のパソコンを,一括して運用管理する必要性に対応するための構成上の工夫についても述べる.さらに,Microsoft Officeで作られた文書の激増に対して,互換性のあるOpen Office.orgやStarSuiteだけではなく,0SとしてのMicrosoft Windowsを運用せずに,Microsoft Office自体をCrossOver OfficeというWINEベースのエミュレータ上で稼働させることに挑戦している.これらの構成の設計・開発の経緯,ならびに導入後約2年間の運用実績と得られた知見について報告する.
著者
森本 龍太郎 松宮 雅俊 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.716, pp.103-110, 2001-03-15
被引用文献数
1

地形モデルを生成するためのモデリングシステムでは,ユーザの思い通りの多様な地形を容易に生成できる必要がある.本研究では,この要求を満たすために,没入型仮想環境と3次元操作可能なペン型デバイスを用いることで,直感的で対話的な操作による地形モデリングシステムを提案する.提案環境は,傾斜型ディスプレイを表示装置として用いることで,ディスプレイ面による2次元平面と,ディスプレイ上に映し出された映像を立体視した3次元空間により構成される.ユーザはこの2次元平面に対して地形の外観の特徴を表した図形を描画し,この図形を3次元空間に直接引っ張り上げ,斜面の傾斜具合を設定することで地形のモデリングを行なう.本稿では,提案するモデリングシステムについて詳しく述べ,実際のモデリング結果と実験によって本研究の有効性を検証する.
著者
藤井 博文 神原 誠之 岩佐 英彦 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.488, pp.31-36, 1999-12-03
被引用文献数
7

現実環境に仮想物体を合成することで現実環境に情報を付加する拡張現実感において,現実環境と仮想環境の位置合わせは重要な問題である.本稿では,位置合わせのためのビジョンセンサ(ステレオカメラ)とジャイロセンサを組み合わせたマーカ追跡法を提案する.提案手法は,ステレオカメラから得られるマーカの三次元位置情報とジャイロセンサから得られるカメラの姿勢情報を利用し,カメラの平行移動を考慮したマーカの移動位置予測を行なうことによってロバストなマーカ追跡を実現する.また本稿では,提案手法とビジョンセンサのみを用いたマーカ追跡手法とを比較した実験について述べ,提案手法の有効性を示す.
著者
西川 知宏 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.379, pp.11-16, 2009-01-08
被引用文献数
3

本稿では,移動中の連続した学習を支援するウェアラブル学習システムにおける利用者のスケジュール予測手法について述べる.本研究では利用者の動作および位置を認識するために大腿部の加速度とGPS測位結果を利用する.加速度データからはパワースペクトルを算出し,サポートベクターマシンを用いて利用者の動作を推定する.GPS測位結果からは利用者の現在位置および移動速度を導き出す.その後あらかじめ登録したランドスケープの位置情報や各鉄道駅の時刻表などを利用し利用者のスケジュールを予測する.実験の結果,時刻表を用いることでよい精度のスケジュール予測を行えると確認したが,一方で時刻表を用いることのできない徒歩時のスケジュール予測精度に問題があることも判明した.
著者
白井 詩沙香 上田 真由美 小野 淳 兼宗 進 竹村 治雄 長瀧 寛之 西田 知博 村上 正行
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では,高等学校の共通教科「情報」および大学の一般情報教育において,主体的・対話的で深い学びを実現するために,体験的な学びを通して情報の科学的な理解を促進する教材と授業内外の学習活動を効果的に活用した授業モデル,ならびに多様な学びを対象とした自己調整学習支援環境を設計・開発し,その効果を検証することを目的とする。この目的を達成するために,(1)共通必履修科目「情報I」を対象に,体験的な実習教材および反転授業を取り入れた授業モデルの開発と評価,(2)新学習指導要領を踏まえた大学の一般情報教育の授業設計,(3) 多様な学習活動データに基づく自己調整学習支援環境の開発と評価に取り組む。
著者
オーロスキ ジェーソン 重野 孝明 清川 清 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.117-120, 2014-06-30 (Released:2017-02-01)

In this paper, we construct a prototype of a wearable text input device that can be attached to a user's torso or pants and conduct a pilot study on its use with a head mounted display (HMD). The user can enter text while mobile without having to look at his or her fingers. The layout of the keys is similar to that of a QWERTY keyboard, but the device is separated into two halves so that they can be positioned and oriented for comfortable typing on clothing. It is flexible and conforms to the shape of the user's torso. In our pilot study testing input speed, a total of 7 participants conducted various typing tasks, and reached an average speed of 30.1 words per minute (WPM) amongst all tasks in a 45 minute session. We then conduct an analysis of a large number of recent text entry methods that can potentially be used with wearable displays, including the results from our experiment. We also discuss a lighter, wireless prototype reflecting feedback in the pilot study, which can be easily attached to clothing with magnets.
著者
清川 清 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
THE VIRTUAL REALITY SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.657-664, 1999-12-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
13

視点の設定などの自由度が高い共有仮想環境(SVE)と,アウェアネスの伝達に優れる共有拡張環境(SAE)の双方の利点を活かすために,両者をシームレスに切替える新しい協調作業支援手法を提案する.本手法では,作業者は透過型ヘッドマウントディスプレイ(STHMD)を装着する.初期状態ではSAEが選択され,互いの様子を直接観察しながら協調作業が行なえる.各作業者はナビゲーション用の3次元ウィジェットを操作して,それぞれの局所座標系を自在に変更できるが,この時,各作業者のSTHMDの液晶シャッタが遮蔽してSAEからSVEへ自動的に移行し,共同作業者に代わってCGのアバタが表示される.作業者がウィジェットを用いてSAEへの移行を選択すると,座標系の並進・回転・拡大率の各成分が共同作業者の値に自動的に遷移する.遷移のアニメーションが完了して座標系が一致すると,液晶シャッタが開いて再び実際の共同作業者を観察できる.さらに,このビューモードの切替えに加えて,アウェアネス向上のために作業者の顔の正面方向を直線で示す手法や,ルックアップテーブルおよびカルマンフィルタを用いて位置ずれの少ない仮想環境を提示する手法を併用し,協調作業が円滑に行なえる作業支援環境を実際に構築した.また,実験を通して共同作業者の座標系が一致する場合のSAEのSVEに対する優位性を検証し,提案手法の妥当性を確認した.
著者
繁田 浩功 間下 以大 金子 雄 菊田 順一 瀬尾 茂人 竹村 治雄 松田 秀雄 石井 優
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-33, no.3, pp.1-6, 2013-03-14

生体イメージング技術の向上により生体内の動態を画像として観察することが可能となり,疾病のメカニズム解明や創薬等への応用が期待されている.一方で統計的信頼性を得るために膨大な画像を解析する必要性が生じている.本研究では,生体骨組織内の血管透過性の制御機構を解明するため,二光子励起顕微鏡を用いて得られた生体画像に対して,血液が骨髄腔に染み出す血管透過性を評価する手法を提案する.提案手法では,対象となる時系列画像に対してグラフカットを用いて骨髄腔領域をセグメンテーションし,その染み出し量を定量的に評価する.評価実験の結果,専門家の手による抽出結果を用いた結果とほぼ同様の結果が得られた.このことから,本手法は染み出しの程度について統計的かつ定量的な評価の一つとして利用できると思われる.
著者
岸下 直弘 オーロスキ ジェーソン 清川 清 間下 以大 竹村 治雄
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.121-130, 2014

Wide-view HMDs allow users to use their peripheral vision in a wearable augmented reality (AR) system. However, there have been few studies on information display methods that make use of a wide FOV in AR environments. In this study, we discuss and implement types of information display methods that make good use of a few types of wide FOV HMDs, and then we evaluate the effectiveness of these methods through a user study with real and virtual wide FOV see-through HMDs. In one of these methods, an annotation is presented near the border of the HMD's view with a lead line connected to the annotated object (outside of the HMD's viewing plane). An immersive CAVE-like environment is used to simulate a virtual see-through HMD as well as a virtual walk-through environment, and a prototype of a hyperboloidal head mounted projective display (HHMPD) is used as a real see-through HMD. Experimental results show that the methods with lead lines improve target discovery rates compared to a method that overlays annotations directly over the target's position. Additionally, it was shown that annotations with an added blinking effect have little effect on target discovery rates regardless of viewing angle.
著者
横矢 直和 山澤 一誠 岩佐 英彦 竹村 治雄 荒木 昭一 栄藤 稔 栄籐 稔
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1.全方位ステレオ画像センサの設計・試作まず最初に、2つの異る回転2葉双曲面を接合した複合双曲面ミラーとビデオカメラからなる全方位ステレオ画像センサStereo HyperOmni Visionの設計・試作を行なった。本センサは、現状のビデオカメラを用いる限り、画像の解像度に問題があり、実用化には超高解像度ビデオカメラの出現が待たれる。次に、この解像度の問題を解決するために、ピラミッド型六角錐ミラーと6台のカメラにより側方360度を撮像し、同じ構造を上下対称に配置することによってステレオ撮像を可能にする全方位ステレオ画像センサPYMSを開発した。2.全方位画像からのパノラマ画像及び任意視線画像の実時間生成試作したセンサは単一視点制約を満たすため、任意形状の投影面への1点中心投影像を計算によって求めることができる。本課題では、この画像変換の実時間処理を実現するために、離散的な点での座標変換とハードウェアによる画像変形を組み合わせた手法を開発した。また、画像提示デバイスとして頭部搭載型画像表示装置(HMD)と全周型景観提示システムを用いたテレプレゼンスシステムのプロトタイプを開発し、提案手法の有効性を実証した。3.時系列全方位画像及びパノラマ画像の高能率符号化時系列全方位画像及びパノラマ画像の特性を活かしたビデオストリームからの動き推定法と高能率圧縮符号化方式を開発するとともに、多地点全方位画像から任意視点画像を生成する手法を開発した。4.全方位ステレオ画像からの3次元情報の抽出本研究で設計・試作した全方位ステレオ画像センサは縦方向の視差を有するため、人間への画像提示の観点からは、横視差をもつステレオ画像への変換が必要である。このため、相関法によるステレオマッチングによりシーンの奥行き情報を抽出する全方位ステレオ視のアルゴリズムを開発した。