著者
繁田 浩功
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.60-66, 2021 (Released:2021-04-23)
参考文献数
26

顕微鏡等のイメージング技術の進展により、様々な生物現象を「見る」ことが可能となった。同時に人間の手では解析できないほど膨大なデータが産出されることになり、手作業によるデータ解析が困難になるという問題点も生じた。この問題を解決するため、生物画像解析技術が広く研究されるようになった。本稿ではこのような生物画像を扱うバイオイメージインフォマティクスと呼ばれる研究分野について概説すると共に、近年の研究動向や研究事例について紹介する。
著者
繁田 浩功 間下 以大 金子 雄 菊田 順一 瀬尾 茂人 竹村 治雄 松田 秀雄 石井 優
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-33, no.3, pp.1-6, 2013-03-14

生体イメージング技術の向上により生体内の動態を画像として観察することが可能となり,疾病のメカニズム解明や創薬等への応用が期待されている.一方で統計的信頼性を得るために膨大な画像を解析する必要性が生じている.本研究では,生体骨組織内の血管透過性の制御機構を解明するため,二光子励起顕微鏡を用いて得られた生体画像に対して,血液が骨髄腔に染み出す血管透過性を評価する手法を提案する.提案手法では,対象となる時系列画像に対してグラフカットを用いて骨髄腔領域をセグメンテーションし,その染み出し量を定量的に評価する.評価実験の結果,専門家の手による抽出結果を用いた結果とほぼ同様の結果が得られた.このことから,本手法は染み出しの程度について統計的かつ定量的な評価の一つとして利用できると思われる.