47 0 0 0 OA 社会と行為

著者
落合 仁司
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.117-125, 2015 (Released:2016-07-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

社会構造と個人行為の因果関係は,社会学の根本問題で在り続けて来た.いわゆるコールマン・ボートは,この社会構造と個人行為の因果関係を適切に図式化している.本論は社会構造を多様体で,個人行為を微分形式で表現することにより,コールマン・ボートの微分幾何モデルを構成する.このとき社会構造が個人行為を規定すると考える方法論的集合主義と,個人行為が社会構造を規定すると考える方法論的個人主義は,各々,社会構造の圏,マクロ圏と個人行為の圏,ミクロ圏との間の関手と見ることが出来る.これより多様体上の微分形式の積分に関するストークスの定理を用いて,マクロ圏とミクロ圏は同値であることが証明され,方法論的集合主義と方法論的個人主義はいずれも正しく同値であることが帰結する.

43 0 0 0 OA 宗教の数理解析

著者
落合 仁司
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.629-651, 2005-12-30

本論はキリスト教や仏教といった世界宗教を数学的に表現し解析する試みである。宗教は、その哲学的な表現である存在論あるいは形而上学と同様に、科学と同じ意味における検証可能性は持ちえないが、論理的一貫性を問うことは出来る。数学もまた検証可能性は持ちえないが論理的一貫性は問われねばならない。そこに宗教分けても存在論として哲学的に表現される宗教を数学的に表現し解析する可能性が開けて来る。本論はまず第一節において、キリスト教や仏教といった世界宗教を哲学的に表現しうる存在論を提示し、続いて第二節において、その存在論によるキリスト教と仏教の哲学的な表現を試みる。これを受け第三節において、宗教を数学的に表現しうる可能性を持つ数学である集合論の基本的な結果を整理し、最後に第四節において、その集合論による宗教の数学的な表現と解析を試みる。
著者
落合 仁司
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.18-29, 2010

Theology of Simone Weil is part of the revival of theology of the cross in 20th century. Theology of the cross argues the main kerygma of christianity is God's compassion with suffering beings. God suffers with our suffering like He suffered with Jesus's suffering on the cross. However has God the infinite power so able to create the world? One suffers because of the bound of one's power. Why does God suffer although His power is infinite? There is the logical contradiction. <br><br>This article tries to resolve this contradiction by means to compare God to topological space. General topology was constructed by Bourbaki whom André Weil, Simone's brother, leaded. Topological space can be bounded although infinite. If God may be compared to topological space, God is able to be infinite and bounded. If so, God is possible to have the infinite power and suffer because of the bound of His power. There will be no contradiction.
著者
落合 仁司
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.151-159, 2016 (Released:2016-08-06)
参考文献数
6

落合仁司「社会と行為―コールマン・ボートとマクロ・ミクロ・リンク」『理論と方法』30(1)は,社会構造を多様体M,社会構造のシフトを双対境界作用素δ,相互行為を微分形式ω,相互行為のドリフトを微分作用素dで表現することにより,コールマン・ボートの微分幾何モデルを構成し,社会構造の圏,マクロ圏と相互行為の圏,ミクロ圏,すなわちマクロ・ミクロ・リンクが圏論的に同値であることを論証した.本論は,以上の結果を踏まえ,社会構造のシフトすなわちマクロ・シフトδと相互行為のドリフトすなわちミクロ・ドリフトdの関係が圏論的に充満忠実,言い換えれば全単射であることを論証する.このことは社会構造の圏と相互行為の圏が随伴であることを帰結する.
著者
落合 仁司
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.555-579, 2007-12-30

宗教の根本的な対象である神あるいは仏は伝統的に無限なるものと捉えられて来た。この神あるいは仏の無限を数学的な集合論における無限と捉え直すことによる帰結を解析する、それが宗教解析である。宗教解析において清沢満之の宗教哲学は避けて通れない。清沢は神あるいは仏を無限、われわれ人間を有限と捉えることにより、自力と他力の宗教の差異を鮮やかに浮び上がらせた。本論は清沢の無限、自力、他力等の概念を再構成し、それらを集合論における超限順序数、極限順序数、有限順序数の補集合等によって表現し、その帰結を解析する。結果として神あるいは仏の完備性(completeness)及び自力と他力の等濃性(equipotency)が導かれる。
著者
落合 仁司
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.1995, pp.55-62, 1996-10-30 (Released:2008-11-17)
参考文献数
2
著者
落合 仁司
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.18-29, 2010 (Released:2019-09-18)

Theology of Simone Weil is part of the revival of theology of the cross in 20th century. Theology of the cross argues the main kerygma of christianity is God’s compassion with suffering beings. God suffers with our suffering like He suffered with Jesus’s suffering on the cross. However has God the infinite power so able to create the world? One suffers because of the bound of one’s power. Why does God suffer although His power is infinite? There is the logical contradiction. This article tries to resolve this contradiction by means to compare God to topological space. General topology was constructed by Bourbaki whom André Weil, Simone’s brother, leaded. Topological space can be bounded although infinite. If God may be compared to topological space, God is able to be infinite and bounded. If so, God is possible to have the infinite power and suffer because of the bound of His power. There will be no contradiction.