著者
小林 正明 清水 光 藤井 温子 石川 洋
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.47(2005-MBL-033), pp.37-42, 2005-05-25

本稿では、交通工学と制御工学を統合させるシステム理論的観点から、交通ネットワークの交通流ダイナミクスを制御する信号制御システムや動的経路誘導システム、ならびにこれら2つのダイナミックシステムをオンラインリアルタイム結合させた交通流制御システムについて提案する。最初に、信号交差点の交通流ダイナミクスの基礎となる交通量収支において、捌け交通量の上限値を決定する交通処理量は、ある交通条件と信号制御条件のもとで道路設計によって決定される。交通流ダイナミクスを車線単位、サイクル長単位で解析するために、信号交差点の動的交通情報について調査する。つぎに、時々刻々と変動する交通流ダイナミックスシステムを記述しオンラインリアルタイムで制御する大規模システムを、3レベルの階層制御を用いて構成する。最後に、交通工学と制御工学の統合例として、信号制御システムと動的経路誘導システムの構成や機能、有効性などについて示し、交通流制御システムの構成や制御アルゴリズムについて提案する。
著者
清水 光 小林 正明 藤井 温子 川久保 和雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.25, pp.29-36, 2008-03-07

本稿では、単独信号交差点や幹線道路、都市道路網の交通流ダイナミクスを離散形時変非線形ダイナミックシステムで記述し、信号制御パラメータを統一的に最適化する手法について開発する。信号制御システムは信号交差点の車線単位、サイクル長単位で成立する交通量収支に基づき、フィードバック制御を用いて記述される。信号制御法は渋滞長のバランス制御アルゴリズムを用い、信号制御パラメータの最適化問題として探索法が開発される。最後に、道路条件と交通条件が与えられたものとして、確定的信号制御システムを開発する手順について述べる。提案した開発手順は広島県福山市内道路網におけるシミュレーション結果より、有効性を確認した。This paper studies the development of deterministic signal control system in urban road networks from the viewpoint of a digital control. The signal control system of the congestion length is described by a nonlinear time-varying discrete dynamic system and synthesized by using the feedback control based on the volume balance at each signalized intersection. The balance control algorithm and network control algorithm in which the three signal control parameters consisting of the cycle length, green split and offset are searched systematically so as to minimize the sum of congestion lengths at signalized intersections are presented. The configuration and the development procedure of the deterministic signal control system are presented based on our studies. From the comparison of congestion lengths and signal control parameters between measurement values and simulation values, it is confirmed that the signal control system and control algorithms work effectively to minimize the congestion lengths at signalized intersections.