著者
清水 光恵
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.16-19, 2015 (Released:2016-01-15)
参考文献数
4
被引用文献数
1

According to the author’s clinical experiences, patients with developmental disorder, especially autism spectrum disorder (ASD) often develop PTSD-like symptoms following relatively mild stress events such as scolding from parents or teaches, quarrels with others. Another characteristic of the PTSD-like psychopathology in ASD seems to be that very unexpected and accidental details remind the patients of the traumatic event. The relationship between learning disorder and trauma was also discussed.
著者
小林 正明 清水 光 藤井 温子 石川 洋
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.47(2005-MBL-033), pp.37-42, 2005-05-25

本稿では、交通工学と制御工学を統合させるシステム理論的観点から、交通ネットワークの交通流ダイナミクスを制御する信号制御システムや動的経路誘導システム、ならびにこれら2つのダイナミックシステムをオンラインリアルタイム結合させた交通流制御システムについて提案する。最初に、信号交差点の交通流ダイナミクスの基礎となる交通量収支において、捌け交通量の上限値を決定する交通処理量は、ある交通条件と信号制御条件のもとで道路設計によって決定される。交通流ダイナミクスを車線単位、サイクル長単位で解析するために、信号交差点の動的交通情報について調査する。つぎに、時々刻々と変動する交通流ダイナミックスシステムを記述しオンラインリアルタイムで制御する大規模システムを、3レベルの階層制御を用いて構成する。最後に、交通工学と制御工学の統合例として、信号制御システムと動的経路誘導システムの構成や機能、有効性などについて示し、交通流制御システムの構成や制御アルゴリズムについて提案する。
著者
清水 光治 若杉 雅浩 渕上 貴正 波多野 智哉 川岸 利臣 松井 恒太郎
出版者
日本救命医療学会
雑誌
日本救命医療学会雑誌 (ISSN:18820581)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.23-28, 2023 (Released:2023-04-28)
参考文献数
11

【目的】 院外心肺停止への器具を用いた気道確保の是非や最適なタイミングには, いまだ十分なエビデンスがない. JRC蘇生ガイドライン2020では初期心電図波形と関連づけての器具を用いた気道確保の実施タイミングの検討が必要としている. そこで実際の病院前救護での器具を用いた気道確保完了時間に影響を与えている因子を明らかにする目的で本研究を実施した. 【方法】 2013年1月から2021年12月の9年間に白山野々市広域消防本部管内での全心肺停止事案のうち, 外因性を除き内因性かつ器具を用いて気道確保された事案を対象とした. 気道確保完了時間に影響を与える可能性のある因子 (電気的除細動適応可否, 発生場所, 出動隊員数, 救急救命士乗車数, 実施特定行為内容) について, 気道確保完了時間の中央値を算出し, 求めた中央値を基準に器具を用いた気道確保完了時間が短時間群と長時間群の2群に分けて比較検討した. 【結果】 調査対象となった全心肺停止傷病者事案は880件, うち検討対象となった事案は542件であった. 器具を用いた気道確保完了時間の中央値は4分 (最小値1分-最大値24分) であった. 単変量解析では救急救命士2名以上乗車群は救急救命士1名乗車群に比べて (p<0.01), 活動隊員4名以上群は3名群に比べて (p<0.05), 有意に器具を用いた気道確保完了時間が早い結果となった. さらに, 多変量解析を行ったところ, 救急救命士乗車数2名以上 (vs 1名, オッズ比2.809 [95%信頼区間1.889-4.179]) が気道確保完了時間に影響していることが明らかとなった. 【考察】 救急救命士が2名以上乗車することで, 並行して器具を用いた気道確保および静脈路確保・薬剤投与の処置を行えたため, 1名乗車に比べて器具を用いた気道確保完了時間が有意に早い結果となったと考えられる. 【結語】 病院前救護における気道管理戦略において, 単に乗車人数を増やすのではなく, 救急救命士の乗車人数の増加が迅速な器具を用いた気道確保に繋がることが示唆される.
著者
西 大樹 清水 光治 矢敷 和也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.782-788, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
11

目的:病院前救護の場において,救急救命士の経験数など,静脈路確保成功に影響を与える因子を明らかにする。方法:白山野々市広域消防本部の2013年4月〜2019年3月までの7年間で静脈路確保が実施された1,141件を対象とした。結果:年齢,心停止有無,実施場所,留置針口径,救急救命士経験年数,年間静脈路確保経験回数が静脈路確保成功に影響を与えていた。また,救急救命士経験年数3年以下と比較して4年以上,年間経験回数14回以下と比較して15回以上の成功率が有意に高かった。結論:本研究から救急救命士経験年数と年間静脈路確保経験回数が病院前救護における救急救命士の静脈路確保成功に影響していると明らかになった。また,今回の研究内容が当消防本部と同規模で病院研修カリキュラムの再構築を考えておられる方々の一助になれば幸いである。
著者
清水 光明
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.129, no.10, pp.34-55, 2020 (Released:2021-12-01)

本稿の目的は、近世後期の尊王思想の流通について、幕府の政策(出版統制と編纂事業)との関係で再検討することである。ここでいう尊王思想とは、大政委任論・「みよさし」論・朝廷改革構想・尊王攘夷思想等を念頭に置いている。先行研究は、これらの尊王思想に関してその形成過程や機能に着目してきた。例えば、中国思想(朱子学)との関係や、内政状況(宝暦・明和事件や尊号一件)、外政状況(対露関係やペリー来航)、幕末の政治状況(将軍継嗣問題や安政大獄)等への着目である。 これらの研究は、尊王思想についての基礎的な成果と見做すことができる。その上で、次の課題は以下の二点である。一点目は、尊王思想の流通と幕府の政策との関係である。近世後期の尊王思想は、天皇・朝廷の権威の上昇や対外危機の勃発によって、幕府の統制を越えて流布したというイメージがある。このイメージは、天保改革における出版統制の強化によって補強される。しかし、尊王思想は、近世後期には広く公然と流布していた。例えば、中井竹山『草茅危言』、頼山陽『日本外史』、会沢正志斎『新論』等である。何故このような現象が生じたのであろうか。本稿では、幕府の政策(出版統制と編纂事業)との関係から、尊王思想が流布する過程と環境を検討する。 二点目は、天皇像と他の為政者像との関係である。よく知られているように、近世日本では幕府が朝廷を厳しく統制した。したがって、この時代の天皇像を考察するためには、天皇と他の為政者(将軍や大名)との相互関係に留意する必要がある。 以上の観点を踏まえて、本稿では、まず十八世紀から十九世紀にかけての出版統制の変遷と編纂事業の展開を跡付ける。その上で、天保改革において出版統制が大きく変更された経緯や背景を検討する。そして、その変更の結果や機能について分析する。これらの考察を通して、本稿ではこの出版統制の変更(一部規定の緩和)が尊王思想の流通や近世から幕末への連続面・非連続面を考える上で重要な転換点であることを明らかにする。
著者
山田 悦 清水 光 布施 泰朗
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.191-198, 2014-09-30 (Released:2014-10-10)
参考文献数
23

フッ化物イオンとホウフッ化物イオンの混合溶液の分析は、フッ化物イオン電極を用いたグランプロット標準添加法により、ホウフッ化物イオンの分解に用いるアルミニウムイオンの妨害を受けずにフッ化物イオンを定量することができ、その値からホウフッ化物イオンの分解率を求めることができた。難分解性であるホウフッ化物イオンは、常温においてアルカリ性や中性条件下ではほとんど分解せず、pH 3という酸性条件下でも2カ月後に20 %残存していたが、pH 3~4でアルミニウムイオンを添加すると約48時間で定量的に分解できることがわかった。アルミニウムイオンを添加するとフッ化アルミニウムを生成するためホウフッ化物イオンの分解が促進されると考えられる。 ホウフッ化物分解後のフッ化物イオンの処理は、カルシウム添加法とフッ素吸着樹脂を用いるカラム吸着法を組み合わせた二段階処理法を用いると、洗煙廃水のような複雑組成中のフッ化物イオンでも排水基準の 8 ppmをクリアして処理することができる。

1 0 0 0 OA 三重鎖DNA

著者
清水 光弘 神藤 平三郎 松本 潮
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.68-73, 1993-03-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
44

Two types of DNA triplexes, intra-and intermolecular triplexes, at polypurine·polipyrimidine segments in both recombinant plasmids and DNA fragments were identified and characterized recently: the former forms in supercoiled plasmids, and the latter forms by combining duplex DNA and a single-stranded oligomer. These findings brought the research on the triplestranded DNA and RNA polymers discoverd 35 years ago into new phase. The possible biological significance of triplexes has been suggested by the fact that polypurine·polypyrimidine sequences are overrepresented in eukaryotic genomes and often are found near genes and recombinational hot-spots. The structural properties and biological implications of DNA triplexes are described.
著者
清水 光明
出版者
日本思想史学会
雑誌
日本思想史学 (ISSN:03865770)
巻号頁・発行日
no.41, pp.131-151, 2009
著者
清水 光栄 古井 景
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.173-180, 2004-09-20
被引用文献数
1 1

職域における抑うつと完全主義との関係について調査を行った. 対象は大手建設関連会社に勤務する380名で, ベック抑うつ尺度, 桜井, 大谷による新完全主義尺度などの質問紙調査を行った. 新完全主義尺度のうち「ミスを過度に気にする傾向(CM)」は年代を問わず抑うつと正の相関関係にあった. しかし「自分に高い目標を課する傾向(PS)」については若年群では抑うつと負の相関関係にあったが中高年群においては抑うつとの間に有意な相関関係が見られなかった. 抑うつに至る背景にはこのように年代間で差異があると考えられた. バブル経済崩壊以後, わが国の経済はいわゆる冬の時代, 平成不況が続いた. 雇用情勢が悪化する中で, 企業における「心の病」は増加傾向を示し, 心の病による長期休業の多くが「抑うつ」であると報告されている1). 抑うつに陥る要因は何であろうか.